F2とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 工学 > 航空軍事用語 > F2の意味・解説 

【F-2】(えふに)

  1. McDonnel F-2(F2H) "Banshee(バンシー)"
    アメリカマクダネル社が開発した艦上戦闘機

    アメリカ海軍初のジェット戦闘機FDFH-1)「ファントム」と平行して第二次世界大戦中からFD発展型として開発進められた。
    量産1948年始まり1953年生産終了まで800機以上が生産されカナダ海軍でも運用された。
    初期型コルトMk.16 20mm機関砲を4門搭載した昼間戦闘機であったが、まもなく夜間戦闘機型と写真偵察機型開発されその他に核攻撃機型など多数派生型生まれた
    朝鮮戦争では海兵隊偵察機戦闘爆撃機として活躍し停戦後実戦配備されたC型対空レーダー装備しAIM-9ミサイルの発射能力持っていた。
    しかし、より高性能後継機間もなく登場し1959年姿を消した

    直線翼根元推力1,430kgの1.5トンターボジェットエンジンである「J34-WE-34」を双発搭載するなど、外観は平凡で際立った性能もなかったが、視界良い涙滴型風防持ち操縦性よかったため操縦士には好まれていた。

    【スペックデータ(F2H-3)】
    乗員1名
    全長14.68m
    全高4.42m
    翼幅12.73m
    翼面積27.3㎡
    空虚重量5,980kg
    全備重量9,531kg
    最大離陸重量11,437kg
    エンジンウェスチングハウスJ34-WE-34ターボジェット推力14.5kN(3,250lbf))×2
    最大速度933km/h(580mph/504kn)
    海面上昇30m/s
    実用上昇限度14,205m
    航続距離2,760km
    兵装コルトMk.16 20mm機関砲×4門(搭載弾数220発(上段)/250発(下段))
    最大910kgの兵装搭載可能。
    60ポンドロケット弾×8発
    500lb爆弾×6発(60ポンドロケット弾×2発時)
    AIM-9×2

    バリエーション
    XF2H-1試作機当初名称XF2D-1。
    F2H-1量産型
    F2H-2エンジン強化した型。
    ・F2H-2B:主翼強化しハードポント追加した戦闘爆撃機型
    F2H-2NAN/APS-6レーダー搭載した夜間戦闘機型。
    F2H-2P2型写真偵察機型90製造
    F2H-3レーダー搭載した全天候戦闘機型。カナダ海軍でも60使用
     米軍航空機呼称変更後はF-2C呼ばれた
    ・F2H-3P:3型写真偵察機型計画のみ
    F2H-4最終生産型150製造
     米軍航空機呼称変更後はF-2Dと呼ばれた


  2. 三菱F-2
    F-1の後継機である航空自衛隊支援戦闘機

    1980年代始まった次期支援戦闘機FSX)計画によって誕生した機体で、当初F404エンジン双発搭載する国産機が予定されていたが、アメリカの政治圧力によって既存機体からの改造機日米両国共同開発生産することになり、F-15F/A-18との比較結果改造ベースはF-16となった
    開発当時わが国防衛戦略上、4発の空対艦ミサイル搭載して東北地方宗谷海峡往復できる能力求められたため、ペイロード航続距離強化図られた。
    そのため、胴体延長CFRP利用して主翼大型化など、機体の大型化がなされ、またアクティブフェイズドアレイレーダー導入CCV技術導入など、日本最新電子技術盛り込まれた。このCCV技術米国ソースコードの提供を断ったため、F-16CCVで研究されたものではなく、T-2CCVなどで独自に研究していたもの採用されている。
    上の理由により、F-16との共通部分ほとんどない

    試作機XF-2は1995年初飛行し、その際判明したレーダー主翼強度不足等の不具合改修した量産型が、2004年8月段階では三沢第3航空団築城第8航空団実戦機として配備進みつつあるほか、松島第4航空団にも教育目的配備されている。

    本機生産三菱重工業のほか、ロッキード・マーティン川崎重工業富士重工業IHI等の各企業分担して機体の各ブロック部品生産し、それを三菱小牧工場にて組み立てるという形で行っている。

    なお、初期不具合多発したことから、その性能について疑問視されていたが、2004年6月三沢基地米軍のF-16と行われたF-2初のDACTにおいて、期待通り結果得られたとの情報伝えられており、模擬戦一定の勝利を収めた見るべきである。
    しかし、どのような状況下で行われたかは不明であり、訓練での勝敗場合によって大きく変わってしまう。
    同世代機に比較し搭載するFCSレーダーJ/APG-1」の視程極めて短く探知範囲が20nm程度しかなく設計の1/3程度)、撃ちっ放し能力持った99式空対空誘導弾AAM-4)やAIM-120運用不可能(ただし、AAM-42010年中に運用能力獲得する予定)。
    さらにはターゲットロックオンした後に急激な機動をするとロックオン外れてしまう」「探知したターゲットがいきなりレーダーから消える(この2つ現生産機では解決済みだが初期生産機改修の必要有り)」と言われ空対空戦闘機としてみた場合、F-16はもとより同世代機に比べて大きく劣っているとされる

    支援戦闘機(FS)として設計されたのだから、これらは劣って当然という見方もあるが、世界趨勢マルチロールファイターであり、旧態依然とした攻撃機であることに疑問の声も強く2004年現在自衛隊を囲む環境急激な変化による戦闘機定数削減圧力と、本機コストパフォーマンス装備としての優先順位が(FIであるF-15J比べて相対的に低いという2点理由から、生産当初計画130機より2030程度削減されることが決定された。
    もっとも、F-2はF-1(生産数77機)の後継機であり、F-1の後継分を超える機はT-2(高等練習機)の後継機として使用される計画であった事から、生産機数削減直ち戦力の低下結びつくかどうか一概に判断できない(しかし、およそ半数高等練習機として生産済みである)。

    上記理由により調達中止になったという背景鑑みたのか、ロッキードマーチンF-2 SUPER KAI というアップバージョンをジャパンエアロスペース2004にて大々的発表した
    しかし、今のところ防衛省がこのプラン採用する予定無く、またロッキード・マーチン社もこれ以後、特に具体的な続報発表していない。
    また、開発段階では基本性能向上型、FS性能向上型、F-4EJ改の後継としてFI型が構想されていた。

    【スペックデータ】
    全幅10.80m/11.13m(翼端ランチャー含む)
    全長15.52m
    全高4.96m
    主翼面積34.84㎡
    空虚重量9,527kg(F-2A)/9,663kg(F-2B)
    最大離陸重量22,100kg
    最大兵装搭載量8,085kg
    エンジンGE製F110-IHI-129ターボファン推力75.62kN/131.23kN(A/B使用時))1基
    最大速度マッハ2.0(高々度)/マッハ1.1(低高度)
    海面上昇不明
    実用上昇限度18,288m
    荷重制限+9G/-3G
    航続距離2,160nm
    戦闘行動半径450nm(対艦攻撃ミッション時)
    乗員1名(F-2A)/2名(F-2B)
    武装固定武装
    ・JM61A120mmバルカン砲装弾512発)1門

    対空兵装
    ・AIM-9L
    ・AIM-7F/M
    90式短距離空対空誘導弾 (AAM-3赤外線誘導)
    99式射程空対空誘導弾AAM-4アクティブレーダー誘導指令慣性誘導併用))
    2010年度から搭載改修予定

    対艦兵装
    80式空対艦誘導弾(ASM-1アクティブレーダー誘導
    93式空対艦誘導弾(ASM-2画像赤外線誘導

    爆弾
    Mk.82
    91赤外線誘導方式爆弾誘導装置(GCS-1)装備型Mk.82
    ・CBU-87/Bクラスター爆弾
    JDAM

    その他兵装/装備
    ・J/LAU-3 70mmロケット弾ポッド
    ・RL-4 127mmロケット弾ポッド
    300ガロン(1136L)増槽胴体兵装ステーション用)
    600ガロン(2271L)増槽主翼兵装ステーション用)

    バリエーション
    ・XF-2A:単座型試作原型機原型1~2号機
    ・XF-2B:複座型試作原型機原型3~4号機
    F-2A単座型生産モデル
    F-2B複座型生産モデル

    f2superkai.jpg
    Photo:MASDF
    http://www.masdf.com/fw/pic/f2a.jpg
    Photo:MASDF


このページでは「航空軍事用語辞典++」からF2を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からF2を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からF2を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「F2」の関連用語

F2のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



F2のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
航空軍事用語辞典++航空軍事用語辞典++
この記事はMASDF 航空軍事用語辞典++の記事を転載しております。
MASDFでは航空及び軍事についての様々なコンテンツをご覧頂けます。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS