生産終了まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 13:36 UTC 版)
ボーイングのラインナップには717とほぼ同じ客席数の737-600があり、両機種を並行して生産し続けることを疑問視する声がボーイングに寄せられていた。ボーイングは、両機種は航続距離が異なり717は短距離向け、737-600は中距離向けで、1,600キロメートルより短い飛行での飛行距離当たりの運航経済性は717-200の方が737-600より優れていると説明していた。 そしてボーイングは、717の胴体を短縮して座席数を70から80席とする717-100Xや、胴体延長により130席程度を配置できるようにする717-300Xといった派生型の開発構想も示していた。しかし、短距離路線向けの100席以下の旅客機市場には、ボンバルディアのCRJシリーズやエンブラエルのE-Jetシリーズといったリージョナルジェットが参入しており、ボーイングは旅客機のラインナップを100席以上に絞る方針を固めていた。また、130席級の短距離機というのも航空会社からの関心を得ることができず、717-100Xと-300Xの開発には至らなかった。 717は2001年6月の時点で154機の受注を得ていたが販売は減速を続け、2001年10月、ボーイングは2001年中で717の受注を終了することを発表した。しかし、この間に商談が進んでいた航空会社が製造延長を強く望んだことから、同年12月にボーイングは製造継続を決定した。その後、2003年5月には、受注数の上積みを狙って717-200をベースとして座席数を40から60席としたビジネスジェット型の提案も始めた。ビジネスジェット型の受注は得られなかったものの、受注継続により2002年には32機、2003年と2004年には8機ずつの注文を得た。2004年後半になると受注がなくなり、2005年1月、ボーイングは改めて新規受注を停止することを発表した。 2006年5月23日、ミッドウエスト航空とエアトラン航空に1機ずつ、717の最後の引き渡しが行われた。これにより、ダグラスによって1941年に開設されたロングビーチ工場での民間機生産が終了した。717の総生産数は156機であった。
※この「生産終了まで」の解説は、「ボーイング717」の解説の一部です。
「生産終了まで」を含む「ボーイング717」の記事については、「ボーイング717」の概要を参照ください。
- 生産終了までのページへのリンク