8ビットパソコンBASICと群雄割拠の時代とは? わかりやすく解説

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8ビットパソコン・BASICと群雄割拠の時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 01:18 UTC 版)

パーソナルコンピュータ史」の記事における「8ビットパソコン・BASICと群雄割拠の時代」の解説

ワンボードマイコンは、実用性には程遠いのだったので、次の段階として商品としての体裁整えた製品次々と登場することになる。当初はこれらの製品引き続きマイコン」と呼ばれていたが、次第に「パーソナルコンピュータ」(パソコン)と呼ばれることが多くなっていった本節では便宜上これらの製品を「(8ビットパソコン」と記述する1977年9月ベンチャー企業であるソード電算機システム(現 東芝パソコンシステム)がM200シリーズ発売。これはコンピュータ本体とキーボード・モニタ・5インチFDDなど、必要な周辺機器一体化したオールインワン・コンピュータであったBASIC採用していたが、価格150万円あまりにも高価でありパーソナルコンピュータ(個人所有安価なコンピュータ)とはいえないものであった。これ以前にショップブランドではあるが、アスターインターナショナルよりキーボード・モニタ一体型のコスモターミナル-Dが発売されている。また、同年月刊マイコン創刊された(当時隔月刊出版元への直接注文であったが、創刊号8月10月号を経て12月号より月刊誌となり、全国書店にて取り扱い開始した)。この12月号の表紙がコスモターミナル-Dであった同年11月精工舎(現 セイコー)からSEIKO5700という業務用コンピュータ発売された。蛍光表示管やプリンタ・キーボード一体型同機フォートラン採用。しかし高価であったために、パーソナルという言葉のようには「一般化」はされておらず、研究開発用途向けであった思われる1980年ころの日本市場2強。(左)シャープ MZ-80K1978年)、(右)NEC PC-80011979年その後パーソナル用途向けのより安価なコンピュータ各社から発売される(これ以前の物は個人所有にはあまりにも高価パーソナル用途コンピュータではなかった)。シャープよりMZ-80K1978年)、日立よりベーシックマスターMB-6880(1978年)、NECよりPC-8000シリーズ1979年)が発売された。当初はこの3機種8ビットパソコン初期御三家と言われたが、ベーシックマスターレベル1・2途中より遅れ気味となり(ただし完全に消えたではなく一定のシェアはあった)1980年前後PC-8001とMZ-80K/Cが人気二分したと言っても過言ではない当時日本製造・販売されるパソコンとして主流であったのは、電源入れればROM書き込まれBASIC起動する(立ち上がるROM-BASICマシンであった。これらはコンピュータ起動するBASICインタプリタ起動されコマンドプロンプトから直接BASICコマンド入力して処理を行うことができた。これらの機体形状Apple II にも似たキーボード一体型ディスプレイ別置であった一方シャープMZシリーズインタプリタROMであえて持たずにクリーンコンピュータと称していたほか、ディスプレイ一体化してオールインワン」として発売された。 1980年代初頭にはより高機能8ビット機が発売された。NECPC-8800シリーズ1981年)、富士通FM-81981年)、そのFM-8から周辺機能削り音源搭載したFM-7(1982年)、シャープからはMZシリーズ開発した部署とは別のシャープテレビ事業部開発したX1シリーズ型番CZ1982年)が登場し市場寡占化した。この頃には8ビット御三家とはこの3機種を指すようになったまた、後発ソニー初め3.5インチフロッピーディスク内蔵した機種発売して話題集めた。なお、3.5インチマイクロフロッピーディスク規格とは別に松下電器日立が3インチのコンパクトフロッピーディスクという規格策定した普及するには至らず最終的にソニー推す3.5インチ主流となったこの頃に他のメーカーから発売された機種以下の通り日立ベーシックマスターレベル31980年) 初の6809+同MPUMicrosoftBASIC搭載 東芝パソピア1981年カシオ計算機からはFP-1100シリーズ1982年10進演算など、数値演算力を入れた機種 ソニー初のパソコンで、ビデオ機器との連動機能持たせたSMC-70の発表1982年11月ソニーから初め3.5インチフロッピーディスク内蔵したSMC-777登場1983年三菱からはMULTI-81983年多色化先駆けとなった東芝パソピア7(1983年この頃市場では、10万円を大きく切る低価格機種10万円を超える機種へと二極化進んだ低価格機種代表としては、 ZX81シンクレア)(1981年ソード計算機(現 東芝パソコンシステム)のM51982年トミー(現 タカラトミー)のぴゅう太パソコン史上に残る稀有日本語BASIC搭載していた)(1982年松下電器産業(現 パナソニック)からはJR-1001981年)・JR-2001982年)・JR-3001983年バンダイRX-78 GUNDAM(1983年7月) などがあった。 ポケットコンピュータハンドヘルドコンピュータ称する(のちのWindowsCE Handheld PCとは異なりA4判程度携帯PC一部メーカーから出たのもこの頃だった。 ポケットコンピュータの製品一覧 HC-20/40(エプソン1982年PC-8201(NEC/京セラ1983年TRS-80 model 100(タンディ/京セラ1983年JR-800松下電器産業1984年) この時代、特に日本国内パソコン市場においては日本語表示日本語入力などの諸問題により8ビットパソコン本格的なビジネス用途に使うには限界があった。しかし、その実用性はともかく趣味パソコン購入する人が増え、また来るべきコンピュータ時代に向け、学校教育にもパソコン導入された ほか、これを買い与えられる児童もあった。この時代において、主に趣味プログラミングコンピュータゲーム供されパソコンホビーパソコンとも呼ぶ。 ホビー用途とは言っても、その価格実用性の割に「飛び抜けて高価な玩具」でもあり、小中学生の子どもたちはコンピュータ興味があっても親から買って貰える子は少なかった。自ら「ナイコン族」と呼び当時無料デモ機を設置し使用させてくれた電器店日曜日には朝早くから並んでデモ機を借りて遊んでいる子どもたち多かった多くは『マイコンBASICマガジン』などのプログラム投稿誌のプログラム入力してゲーム楽しんでいた。それらのゲームカセットテープ保存しデータ交換しいながら保持ゲーム数を競っていた。電器店としては、子どもたち簡単に使っている姿を見せることで大人たちの購買意欲をそそらせ、お互いに持ちつ持たれつの関係成り立っていた。 このような社会背景誘われその他の家電コンピュータ電卓時計等の様々な製品を扱うメーカーマイコン事業進出したが、後発メーカー既存ソフトウェア資産という基盤無かったことから非常に苦戦を強いられることとなったその中で各社仕様共通化することでシステム設計コスト低減ソフトウェア資産共通化目指しマイクロソフトアスキーによるホームコンピュータ MSX規格1983年)が発表され、これらの苦戦した各社こぞって参加した。 またホビーパソコン人気博した背景には各地大小ゲームセンターができてギャラクシアンドンキーコングパックマンなどのゲーム人気となり、それらのゲーム移植されたことの影響大きいと考えられる同時代日本国機に採用されていたCPUは、ごく初期においてモステクノロジー6502インテル8080などの採用例が見られるものの、以後8080の上互換となるZ80代表されるザイログ(Z-80A, Z-80B)、68系モトローラ(6800, 6801, 6802, 6809, 6809E)およびそれらの互換カスタムCPU主流であった。ただし、このZ80自体とは8080独自に拡張した8080の(上位互換プロセッサである。これは、マイコンブームが日本において成立した時点インテル8080系は市場においてその主流上位互換性確保するZ80奪われており、採用例が稀であったことに起因する。現在[いつ?]主流となっているインテルCPU日本においては16ビット時代になってパソコン本格的に採用されることとなる。

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