豐川とは? わかりやすく解説

豊川

暮らしに、産業に、そして自然に恵み与える母なる豊川
豊川はその源を愛知県北設楽郡設楽町段戸山(標高1,152m)に発し山間渓谷流れ宇連川合流し豊橋平野出て豊川市豊川放水路分派し豊橋市内を流れ三河湾注いでいる流域面積724km2幹川流路延長77kmの河川です。

分流する豊川と豊川放水路
分流する豊川と豊川放水路

河川概要
水系豊川水系
河川名豊川
幹川流路延長77km
流域面積724km2
流域内人21万人
流域関係都県愛知県

豊川流域図
○拡大図
1.豊川の歴史
"豊川には、江戸時代設けられといわれる霞堤呼ばれる不連続な堤防があり、洪水時には一時的に洪水溢れることで、上下流の水位上昇防がれています。さらに、洪水被害緩和するための豊川放水路が、昭和40年完成してます。"

東三河基盤を成す豊川の治水の歴史

吉田城
吉田城
豊川流域は、県内第二の都市である豊橋市はじめとする3市4町2からなり流域内には約21万人(平成7年)の人々生活しており、豊川用水豊川放水路整備等により日本一農業算出額を誇る高付加価値型農業地帯や、重要港湾三河湾などを抱えて東三河地域における産業経済基盤成してます。

豊川における治水事業は、江戸時代吉田城下町洪水から守るため、中下流部に設けられ霞堤に始まるといわれています。

台風10号出水(H15.8)により浸水する霞堤地区
台風10号出水(H15.8)により浸水する霞堤地区
霞堤不連続堤であり、この不連続な箇所から一時的に洪水溢れることで下流部浸水被害軽減しきました。これにより吉田城下町洪水から守られましたが、霞堤地区では洪水の度に浸水悩まされ、その被害甚大でした。

台風10号出水(H15.8)おける豊川放水路の状況
台風10号出水(H15.8)おける豊川放水路の状区
その後昭和13年から豊川放水路事業着手し太平洋戦争の影響により一時中断しながらも、昭和40年完成しました豊川放水路完成により、豊川右岸側の5つ霞堤は完全に締め切られ、沿川の洪水被害格段に緩和されるようになりましたが、未だ左岸側4つ霞堤残っており、今後対策が必要となってます。また、昭和42年からは、豊橋市街地豊橋市街地の狭窄部の川幅広げる工事行われ洪水対す安全性高まりました

このようにして東三河は、豊川の洪水闘いながら、「母なる豊川」の恵みにより発展してきました
2.地域の中の豊川
"豊川は、沿川住民身近な空間として、スポーツ野外レクリエーション伝統行事イベント等高水敷水面盛んに利用されており、河川住民とのふれあいの場や身近な環境教育の場として活用されています。"

憩い恵み与える「母なる豊川」

豊川が流れ愛知県東三河地方は、かつては穂の国」と呼ばれたほど実り豊かな地域であり、豊かな自然を育み東三河に暮らす人々の生活支える豊川は「母なる豊川」と呼ばれ流域住民から親しまれきました
しんしろいかだカーニバル
しんしろいかだカーニバル
豊川上流域桜淵公園中心とする地域は、かつて「山の湊」と呼ばれ、「三河嵐山」と呼ばれるほどの桜の名所ありますまた、豊川を利用した伝統行事として、江戸時代から続くとされる豊橋祇園祭花火大会豊橋市)」があり、イベントでは「しんしろいかだカーニバル新城市)」など、豊川を舞台多く市民参加による催しが行われています。一宮町江島地区の「いこいの広場」は、河川愛護団体、町及び河川管理者三者連携し魅力ある河川空間整備する「ラブリバー制度」により整備され河川敷公園で、多くの人達に利用されています。

牛川の渡し(豊橋市)
牛川の渡し豊橋市
豊川下流域吉田現在の豊橋市)は、吉田城下町として栄え江戸時代には上流域奥三河吉田を結ぶ物資輸送大動脈として活躍し上流から運ばれ木材などの物資多くは、河口の湊から江戸など各地運ばれ水陸交通の要衝として発展してきました。現在も豊川流域には、「前灯台」や、東海道まつわる史跡など点在し交通の要衝として栄えた面影伺えます。愛知県下で唯一現存する渡船である「牛川の渡し」は、平安時代末期からとも伝えられ、現在も市道として運航され通勤・通学など市民利用されています。

渥美半島農業地帯
渥美半島農業地
豊川と産業とのつながりから見ると、昭和43年完成した豊川用水により、豊川の渥美半島等へも導かれ、現在、日本屈指の農業地帯、産業地帯となってます。しかし、近年頻発する渇水により、取水制限が行われるなどしています。これにより、渇水時の河川流量増加や、安定的な取水を可能とすることなどを目的とした設楽ダム建設進めてます。

川と緑の交流コンサートとよがわ流域圏こども会議
川と緑の交流コンサートとよがわ流域圏こども会
3.豊川の自然環境
"豊川は、良好な水質豊かな河道内の樹木群により良好な生物生息生育環境育んでます。上流域においては、国の天然記念物であるネコギギをはじめ、猛禽類クマタカ等が生息してます。"

自然環境豊かな豊川

豊川は全国有数清浄な水質保ち山間渓谷部を急勾配下りその後豊橋平野蛇行繰り返しながら瀬や淵を形成し緩やかに流れ良好な水質豊かな河道内の樹木群により、良好な生物生息生育環境育んでます。
上流部は、スギヒノキ人工林主体で、中央構造線挟んで領家変成帯三波川変成帯及び設楽火山層が入り組む複雑な地質地形となっており、国指定天然記念物である猛禽類クマタカ等が生息してます。
国の天然記念物 クマタカ
国の天然記念物 クマタカ
河岸は自然崖とそこに分布するアラカシ-ウラジロガシ群落ケヤキ-ミヤマクマワラビ群落等の河畔植生がせまり良好な環境形成してます。河道渓流様相呈しオイカワカワムツシマドジョウ等のほか、アマゴアカザ等も生息しており、国指定天然記念物であるネコギギ生息してます。

国の天然記念物 ネコギギ
国の天然記念物 ネコギギ
中流部は、発達した河岸段丘の間を蛇行し随所砂州発達して瀬や淵を形成し入江溜まりもみられます。河道砂礫アユウグイオイカワ等の産卵場も点在してます。また、両岸には高水敷広がり水辺にはツルヨシアカメヤナギカワヤナギ等の低木群落存在する他、エノキムクノキ等の落葉広葉樹マダケメダケ等の木本植生大規模な樹木群が水辺中心に存在してます。この樹木群ではヒヨドリキジバトカワウサギ類等が生息し砂州イカルチドリシロチドリ等の営巣地となってます。これらは、極めて良好な水質とあわせ豊川特有のと緑が織りなす良好な環境形成してます。
下流部吉田大橋付近までは、河道砂質で、中流部同様な樹木群と大規模な耕地等が混在する広い高水敷広がり水辺にはヨシヤナギ等の植生繁茂してます。この区間感潮区間干潮時には砂州が、また満潮時には豊かな水面がみられ、マハゼボラスズキ等の汽水魚類ウキゴリウナギ等の回遊魚及びウグイカマツカニゴイ等の淡水魚生息してます。このような豊川独特の環境・景観が、豊橋市等の都市化著し地域にあって下流域残され数少ない自然的空間提供してます。なお、吉田大橋より下流は、コンクリート護岸のほぼ単断面河道植生単調ですが、一部ヨシ群落もみられ、河道砂質ヤマトシジミテナガエビ等が生息してます。また、河口部シギチドリ渡り中継地、カモ類の越冬地となってます。
4.豊川の主な災害

発生発生原因被災市町村被害状況
M34,7,9~10台風鳳来町
豊橋市
被災家屋約8,200
S34,9,2627台風15号豊橋市
新城市
被災家屋約4,500
S43,8,2930台風10号設楽
新城市
被災家屋約1,900
S44,8,5~6台風7号一宮町
豊橋市
被災家屋1,800
S54,10,1819台風20号鳳来町
豊橋市
被災家屋200
H15,8,9台風10号豊橋市
豊川市
被災家屋10
浸水面積約400ha

(注:この情報2008年2月現在のものです)




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