けいさんき‐かがく〔‐クワガク〕【計算機科学】
読み方:けいさんきかがく
計算機科学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/17 00:54 UTC 版)
計算機科学(けいさんきかがく、英: computer science、コンピューター・サイエンス)またはコンピュータ科学[1]、CSとは[2][3]、情報と計算の理論的基礎、及びそのコンピュータ上への実装と応用に関する研究分野である[4][5][6]。コンピュータサイエンス(computer science)は「情報科学」や「情報工学」とも和訳される[7][注釈 1]。コンピュータ科学には様々な分野がある。コンピュータグラフィックスのように応用に力点がある領域もあれば、理論計算機科学と呼ばれる分野のように数学的な性格が強い分野もある。計算科学は科学技術計算という「計算需要」に応えるための分野であり、それを実現する手段の研究は高性能計算である。また、一見わかりやすい分類として、計算機工学など「ハードウェア」と、プログラミングなど「ソフトウェア」という分類があるが、再構成可能コンピューティングのようにその両方と言える分野があるなど、単純に分類ができるようなものではない。
注釈
出典
- ^ 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』「計算機科学」
- ^ Passey, D. (2017). Computer science (CS) in the compulsory education curriculum: Implications for future research. Education and Information Technologies, 22(2), 421.
- ^ Camp, T. et al. (2017). Generation CS: the growth of computer science. ACM Inroads, 8(2), 44.
- ^ 「計算機科学は情報に関する学問である」計算機情報科学科、Guttenberg Information Technologies
- ^ 「計算機科学は計算に関する学問である。」聖ヨハネ大学 聖ベネディクト校 計算機科学科
- ^ 「計算機科学はコンピュータシステムのあらゆる側面に関する学問である。理論的基礎から極めて実用的な巨大ソフトウェアプロジェクト管理までも含む。」マッセイ大学
- ^ a b c コンピュータ用語辞典編集委員会 2001, p. 232.
- ^ Nigel Tout (2006年). “Calculator Timeline”. Vintage Calculator Web Museum. 2006年9月18日閲覧。
- ^ “Science Museum - Introduction to Babbage”. 2006年9月24日閲覧。
- ^ “IBM Punch Cards in the U.S. Army”. 2006年9月24日閲覧。
- ^ a b Denning, P.J. (2000年). “Computer science:the discipline”. Encyclopedia of Computer Science .
- ^ 『計算論的思考』(Jeannette M. Wing Computational Thinking, 中島秀之訳)
- ^ https://www.ipsj.or.jp/annai/committee/education/j07/ed_j07.html
- ^ “大学の理工系学部情報系学科のためのコンピュータサイエンス教育カリキュラム J97(第1.1版)” (PDF). 情報処理学会 (1999年9月). 2013年3月22日閲覧。
- ^ Shepperd, Martin (2015-01). “How Do I Know Whether to Trust a Research Result?”. IEEE Software 32 (1): 106–109. doi:10.1109/MS.2015.8. ISSN 0740-7459 .
- ^ Constable, R.L. (2000年3月). Computer Science: Achievements and Challenges circa 2000
- ^ Abelson, Hal; G.J. Sussman with J.Sussman (1996年). Structure and Interpretation of Computer Programs (2nd Ed. ed.). MIT Press. ISBN 0-262-01153-0. "コンピュータ革命は思考方法の革命であり、思考を表現する手法の革命である。この変化の本質は「procedural epistemology; 手続き的認識論」と呼ばれるものがよく表している。それは手続き的観点からの知識構造の研究であり、古典的数学の宣言的観点の対極に位置する。"
- ^ Parnas, David L. (1998年). “Software Engineering Programmes are not Computer Science Programmes”. Annals of Software Engineering 6: 19–37 ., p. 19: 「私はソフトウェア工学を計算機科学の一分野としてではなく、土木工学、機械工学、化学工学、電気工学などなどの要素を組み合わせたものとして扱う」
- 1 計算機科学とは
- 2 計算機科学の概要
- 3 主な成果
- 4 他の分野との関係
- 5 参考文献
計算機科学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 18:20 UTC 版)
「Berkeley Open Infrastructure for Network Computing」の記事における「計算機科学」の解説
DistrRTgenハッシュ関数の逆引きを可能とする、巨大なレインボーテーブルの作成。 Enigma@homeM4 ProjectにBOINCクライアントから参加できるように仲介するラッピングプロジェクト。ナチス・ドイツの暗号機「エニグマ」で作成された未解読の暗号文を解読する。 FreeHAL@home人工無能の研究。構文解析やタグ付けを行っている。 Genetic Life進化的アルゴリズムの研究。Tierraを分散コンピューティング上で動作させる。 SHA-1 Collision Search GrazSHA-1ハッシュ関数の脆弱性を見つけ出す。
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計算機科学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/18 00:35 UTC 版)
射影はリレーショナルデータベースの演算としても用いられる。R を関係、{A1, …, Ak} を属性の部分集合とすれば、射影の結果 Π A 1 , … , A k ( R ) = { T [ A 1 , … , A n ] ∣ T ∈ R } {\displaystyle \Pi _{A_{1},\ldots ,A_{k}}(R)=\{T[A_{1},\ldots ,A_{n}]\mid T\in R\}} は特定の属性のリストにある属性に制約した新たな関係となる。得られた新しい関係では重複するエントリーは除かれている。
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計算機科学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 08:06 UTC 版)
計算機科学において、グラフはコミュニケーション、データ編成、計算装置、計算の流れ等のネットワークを表わすために使われる。例えば、ウェブサイトのリンク構造は有向グラフとして表わすことができる。ここでは、頂点がウェブページを表わし、有向辺があるページから別のページへのリンクを表わす。同様のアプローチを、ソーシャルメディア、旅行、生物学、コンピュータチップ設計、神経変性疾患の進行のマッピング、そしてその他多くの分野における課題について取ることができる。したがって、グラフを取り扱うためのアルゴリズムの開発が計算機科学における主要な興味である。グラフの変換(英語版)はグラフ書換え系によってしばしば定式化され、表現される。グラフ変換系と相補的なグラフの規則に基づくメモリー内操作に注目したシステムが、グラフ構造を持つデータのトランザクションセーフで永続的な格納と問い合わせに対応したグラフデータベース(英語版)である。
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計算機科学
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詳細は「計算機の歴史」を参照 計算機械は古代から作られており、歴史の進展と共にゴットフリート・ライプニッツなど多くの数学者が洗練させていった。19世紀初め、チャールズ・バベッジはプログラム可能な計算機を設計したが(解析機関)、実際には製作しなかった。エイダ・ラブレスはその機械が「精巧で科学的な音楽の断片をそれなりの複雑さと長さで作曲するかもしれない」と推測した。エイダ・ラブレスはその機関でベルヌーイ数を計算する方法を詳細に注記したことから、世界初のプログラマと言われている。 世界初の現代的コンピュータ(Zuse Z3、ENIAC、Colossus)は第二次世界大戦の際に開発された。その後アラン・チューリングの理論的基礎をジョン・フォン・ノイマンが発展させた形でコンピュータが発達していった。
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計算機科学
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原稿をプレプリントとして配布できるようになったことは、計算機科学における研究の普及方法に大きな影響を与えてきた(CiteSeerを参照)。オープンアクセスの動きは主に、分散された研究内容の収集、グローバルな情報収集、OAIsterのような検索エンジンやゲートウェイを介した情報の集約などを推し進めた。こうして電子出版は、雑誌論文、学会発表、研究論文、学位論文など、あらゆる学術的または科学的な出版物に輪を広げるようになった。
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計算機科学
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「ムスチスラフ・ケルディシュ」の記事における「計算機科学」の解説
ケルディシュは、電子計算機が科学技術の進歩を加速させる、その重要性に気付いていた最初期の人間の一人とされ、ソ連における計算機科学発展の先導者であった。ケルディシュ自身は直接計算機科学の研究を行っていないが、数学研究所のケルディシュ自身が率いる部門で電子計算機の活用を推進し、計算機の重要な「顧客」として利用した評価を計算機開発に還元することで、計算機科学の発展に大いに寄与した。ケルディシュらは、電子計算機を使用して国家的に優先度の高い課題に対処する大型科学計画、例えば核兵器開発、ミサイル防衛、宇宙航行、原子力開発などを、強力に支援していた。 ケルディシュは、計算機の運用に関する科学アカデミーの特別委員会で委員長を務め、1951年にソ連初の汎用電子計算機MESMを審査、採用を決定し、更にBESMとストレラ(英語版)の開発を承認した。ストレラの1号機は、ケルディシュが率いる数学研究所応用数学部に導入され、核物理学の複雑な問題を処理する計算を実行した。その一部始終を見届けたケルディシュは、電子計算機の重要性を高く評価したという。 ケルディシュは、電子計算機の開発拠点である精密機械・計算技術研究所(英語版)が科学アカデミーから無線産業省へ移った後も、科学アカデミーの代表として委員会に参加し、第3世代の電子計算機(ES-EVM(英語版)シリーズ)開発においては、IBM-360の複製を基にする計画を支持している。
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計算機科学
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「ジョン・フォン・ノイマン」の記事における「計算機科学」の解説
EDVAC開発に参加した際、プログラム内蔵方式に関して書いた文書(EDVACに関する報告書の第一草稿)にフォン・ノイマンの名前しか書かれていなかったため、ストアードプログラム方式の考案者であると言われていた。その方式は「ノイマン型コンピュータ」とも言われ、現在のほとんどのコンピュータの動作原理である。アラン・チューリング、クロード・シャノンらとともに、現在のコンピュータの基礎を築いた功績者とされている。EDVAC開発チームのジョン・プレスパー・エッカートとジョン・モークリーが技術面を担当し、ノイマンが理論面を担当したと言われている。ノーマン・マクレイはプログラム内蔵方式に関してクルト・ゲーデルが不完全性定理の証明で用いたゲーデル数化のアイデアを応用したものと説明している。 セル・オートマトンの分野をスタニスワフ・ウラムと創出し、(当初はろくにコンピュータもなかったにもかかわらず)実に方眼紙とペンだけで、自己増殖の概念を証明してみせた。ここでユニバーサル・コンストラクタの概念が考え出された。この分野については、彼の死後『自己増殖オートマトンの理論』Theory of Self Reproducing Automataが出版されている。この自己増殖マシンはDNAの自己複製の発見やコンピュータウイルスの先駆けであるとされる。この貢献によりノイマン没後30年後に立ち上がった「人工生命」と呼ばれる分野の父とも呼ばれている。また、カリフォルニア工科大学でノイマンが行ったオートマトンに関する講演は計算機科学者のジョン・マッカーシーに影響を与え、マッカーシーはノイマンから研究の助言を受けた。1956年にダートマス会議で「人工知能」を確立したマッカーシーはノイマンも招くことを計画していたが、既にノイマンは故人となっていた。ノイマンは「コンピュータと脳(英語版)」と題した著書で人間の頭脳とコンピュータを比較する試みを行っていた。 アルゴリズムの研究にも貢献。ドナルド・クヌースは、ノイマンがマージソートの発明者であると指摘している。 クヌースは数値流体力学の分野にも挑戦したことも指摘している。R.D.Ritchmyerとともに、"人工粘性"artificial viscosityを決定するアルゴリズムを開発し、その成果により人類の衝撃波についての理解が進歩することになった。その後の天体物理学の分野の進歩や、高度なジェットエンジンやロケットエンジンの開発に、この研究は大いに貢献している。流体力学・空気力学の問題をコンピュータで計算するときには、計算すべき格子点(グリッド)が多くなりすぎるという問題があるのだが、この"人工粘性"という数学的な道具を用いることで、基本的な物理学特性を損なわずに、衝撃の伝播をコンピュータで計算しやすい形で表現することができるようになったのである。
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計算機科学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 07:19 UTC 版)
(工学部の学科としては計数工学科。理学部に情報科学科もある) 中島秀之(人工知能研究者。公立はこだて未来大学学長) 平野聡(ソフトウェア作家。産業技術総合研究所) 関口智嗣(計算機科学者。産業技術総合研究所) 増井俊之(ユーザインタフェース研究者、元ソニーコンピュータサイエンス研究所研究員、産業技術総合研究所) 藤木文彦(映像技術者、現稚内北星学園大学教授、東京大学UFO研究会初代会長) 池田哲夫(静岡県立大学教授) 小笠原司(奈良先端科学技術大学院大学教授、ロボット工学) 松岡聡(理化学研究所計算科学研究センター長、東京工業大学客員教授、スーパーコンピューターTSUBAME責任者・設計者)Category:日本の計算機科学者も参照
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計算機科学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 01:40 UTC 版)
計算機科学では、コンピューターに計算やシミュレーションを実行させるときに、発見的手法を用いることがある。たいていの計算は、計算結果の正しさが保証されるアルゴリズムか、または計算結果が間違っているかもしれないが誤差がある範囲内に収まっていることが保証されている近似アルゴリズムを用いて計算する。しかし、そのような方法だと、計算時間が爆発的に増加してしまうようなことがある。そのような場合に、妥協策として発見的手法を用いる。発見的手法は、精度の保証はないが、平均的には近似アルゴリズムより解の精度が高い。また、発見的手法の中でも、任意の問題に対応するように設計されたものは、メタヒューリスティックという。
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