蕩減(とうげん)
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「世界基督教統一神霊協会の関連用語」の記事における「蕩減(とうげん)」の解説
原義(朝鮮起源の漢字語) 借金を全部帳消しにすること。借債を悉く免除してやること。remission(ゆるし)。 「蕩」の字義は「すっかり無くする。『蕩尽/掃蕩』」 韓国では一般に金融用語として「債務の減免」の意味で使われ頻繁にマスコミに登場する。また韓国語聖書で負債や罪の「ゆるし」の訳に用いられており、キリスト教会の説教の中でも頻繁に用いられる。 原理用語 統一教会の教義「統一原理」の中核にあたる救済観を「蕩減復帰原理」という。文鮮明教祖が「蕩減」と言う時、99%は統一教会独自の用語である「蕩減条件」「蕩減復帰」「蕩減復帰原理」いずれかの略語で、原義で言うことは1%未満。文鮮明教祖の原義の解釈は「小さな条件で大きな負債を赦すこと」であるのに対し、劉孝元著「原理講論」では「本来の位置と状態を復帰するために必要な条件を立てる(満たす)こと」、崔元福による英訳では「indemnity(賠償)」と異なる定義をしている。これを読んだ金東俊神田外語大名誉教授は「これは間違い」と明言している。この教会自ら陥った誤認によって国内外のキリスト教会からの批判を招いている。 教会内部では無原罪で生まれた再臨のキリストとされる文鮮明(今は否定され妻韓鶴子)が生誕した韓国を最も迫害したとする日本が支払うべき「賠償(indemnity)」の意味で使われることが多い。 信者達の認識 罪人たる人間が罪を清算すること。そのために立てる条件を「蕩減条件」と言う。救済、正確には復帰のプロセスは、神と人間の関係という縦の次元と、人間同士の関係という横の次元がある。復帰は、信心や行いではなく、蕩減(とうげん。償いの意)によって得られるとされる。人類はメシアが出現できるだけの「基台」を築くように務めなければならない。救済の摂理において、神の責任分担は95%、人類の自己責任分が5%であるとされる。神が求めるのは、人間の罪を償いうるに足る以下のものだが、その正確な量は神によって決められるとされる。摂理の成就は、信者の信仰と働き次第であり、よって完全な献身を求められる。 万物復帰 神を中心とした地上天国を造るために、サタン側に奪われた万物(人間を含む森羅万象。とりわけお金が重視される)を神の側に取り戻さなければならないという教え。具体的には全ての財産を文鮮明に帰属させることをいい、福祉を語るインチキ募金や霊感商法の他にも多種多様な商品販売をした。 愛の減少感 未完成であるがゆえに、天使長が、神は自分より、アダムとエバを愛していると錯覚してしまったのと同様な嫉妬心を言う。 三大祝福 神が人を創造した直後、人に与えた三つの祝福。旧約聖書の創世記第1章28節「生めよ、増えよ、地を従わせよ」から第1祝福「生めよ(פרו)」 人間が人格・個性を完成すること。但しヘブライ語にはそういう意味はない。また人が創造される前、全ての生き物に対しても言われている。 第2祝福「増えよ(ורבו)」 それぞれ個性を完成した男女が神を中心として夫婦となり、子供を生み増やし、愛の家庭を完成し、氏族、民族、国家、世界へと発展させること。但し人が創造される前、全ての生き物に対しても言われている。 第3祝福「地を従わせよ(ומלאו )」 人類が神の愛を中心に万物を主管し世界を理想的に治めること。これが人間にだけ神が与えたもの。 祝福 上記の“第二祝福”の略で、メシヤである文鮮明によって原罪を清算してもらう教団の結婚を指して言う。 マッチング カップルを結びつけること。 相対者 未婚者にあっては教祖の選んだ伴侶のことで、夫婦間では女性は男性を「主体者」と言い、男性は女性を「相対者」と言う。 聖酒(せいしゅ) 合同結婚式の前に、原罪を清算するために飲むお酒。様々な万物と父母(文鮮明夫妻)の愛が入っていると説明されるが、反対者の中には教祖の精液が混ぜられているという疑惑を指摘する者もいる。1990年代半ばくらいからは、「聖酒」を戸別訪問で飲ませたり、キャンデイーにしたものを全国で配って、純潔の誓いを勧めた。 3日儀式 合同結婚式後、夫婦が家庭を持つ前に行う3日間の性的な儀式。宗教的意味合いを含んだ体位の形式があるが、統一教会では最も神聖視される儀式のひとつ。 アダム・エバ問題 信者が異性と恋愛関係に陥ること、肉体関係を持つこと。 アベル 聖書ではアダムとエバの次男でカインの弟。神から見たときに、相対的に神のみ意に近い存在。カインとの情的な融和一体を通してはじめてその存在意義を成就することができる。狭義では組織的上位者をさす。組織上の上司とうまくいかないことを「アベル・カイン問題」と言う。少しでも上位の者には絶対服従を強いられる。 カイン 聖書ではアダムとエバの長男でアベルの兄。神から見たときに、相対的にサタンに近い存在。アベルを中保とすることで神につながるとされる。狭義では組織的下位者をさす。 エバ国家 日本は再臨主である文鮮明とその祖国、韓国を迫害した神にとって最も悪い国であるが、文鮮明が自分がその怨讐である日本を愛すると言って、反対する神を説き伏せて、「エバ国」という使命を与えたと言う。それが、戦後の日本の目覚しい経済発展を遂げた理由だとされる。「エバ国家」は妻として夫である「アダム国家」の韓国に尽くし、さらに「母の国」として、子供である全世界の国々を教育し、経済貢献する使命があるとされ、どこの国よりも大きな献金の要請がされる理由とされている。 授受作用 すべての物事が主体と対象として授け、受けする関係にあることを指すが、人とコミュニケーションを取ることにも使う。 侍る 信者がメシアたる文鮮明や組織上の上司の願いどおりに生きようとすること。 精誠(を込める、尽くす) 真心をこめて行うこと。 天情 人間的な思いに対して、神の立場に立った思いを言う。教団の活動の中で、ウソをついたり、違法行為をする時に、良心の呵責が出てきたときなど、「人間的にならずに、天情に徹しなければならない」などと指導される。 天法 神の理想世界における法。この世の法律より優先されるべきと教えられる。 食口(しっく) 教団の信者のこと(朝鮮語で本来の意味は「家族」であるが、韓国ではどの宗教でも信者の意味で使われる)。 霊界解放 現世で神様に奉仕することで、霊界で苦しんでいる先祖を救い、現在この地上で生きている家族に救いを与えられるという教え。 5%の責任分担 「神の創造目的は、人間がその責任分担を完遂することによってのみ完成できる」「神がなさる95%の責任分担」「人間の責任分担5%」の両方によって「初めて、完成されるように予定される」とされ、信者は「私たちはわずか5%分だけ頑張れば良いんだ」と励みの材料にしたが、実際には文鮮明の予言が外れた際に「神(文鮮明)の責任ではなく、人間が5%の責任分担を果たさなかったからだ」と責任逃れに使われた。
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「世界平和統一家庭連合」の記事における「蕩減(とうげん)」の解説
原義(朝鮮起源の漢字語) 借金を全部帳消しにすること。借債を悉く免除してやること。remission(ゆるし)。 「蕩」の字義は「すっかり無くする。『蕩尽/掃蕩』」 韓国では一般に金融用語として「債務の減免」の意味で使われ、頻繁にマスコミに登場する。また韓国語聖書で負債や罪の「ゆるし」の訳に用いられており、韓国のキリスト教会の説教でも頻繁に用いられる。 原理用語 統一教会の教義「統一原理」の中核にあたる救済観を「蕩減復帰原理」という。文鮮明教祖が「蕩減」と言う時、99%は統一教会独自の用語である「蕩減条件」「蕩減復帰」「蕩減復帰原理」いずれかの略語で、原義で言うことは1%未満。文鮮明教祖の原義の解釈は「小さな条件で大きな負債を赦すこと」であるのに対し、劉孝元著「原理講論」では「本来の位置と状態を復帰するために必要な条件を立てる(満たす)こと」、崔元福による英訳では「indemnity(賠償)」と異なる定義をしている。これを読んだ金東俊神田外語大名誉教授は「これは間違い」と明言している。この教会自ら陥った誤認によって国内外のキリスト教会からの批判を招いている。 教会内部では無原罪で生まれた再臨のキリストとされる文鮮明(今それは否定され再臨のキリストは妻韓鶴子)が生誕した韓国を最も迫害したとする日本が支払うべき「賠償(indemnity)」の意味で使われることが多い。 信者達の認識 救済、正確には復帰のプロセスは、神と人間の関係という縦の次元と、人間同士の関係という横の次元がある。復帰は、信心や行いではなく、蕩減(とうげん。償いの意)によって得られるとされる。人類はメシアが出現できるだけの「基台」を築くように務めなければならない。救済の摂理において、神の責任分担は95%、人類の自己責任分が5%であるとされる。神が求めるのは、人間の罪を償いうるに足る以下のものだが、その正確な量は神によって決められるとされる。摂理の成就は、信者の信仰と働き次第であり、よって完全な献身を求められる。
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