統一教会用語とは? わかりやすく解説

統一教会用語(原理用語)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 08:21 UTC 版)

蕩減」の記事における「統一教会用語(原理用語)」の解説

蕩減とうげん朝鮮起源の漢字語のため一般的に朝鮮半島以外で使われることはない。日本では統一教会世界基督教統一神霊協会)においてのみ教会用語(原理用語)として使われている。統一教会教義統一原理」の救済観を「蕩減復帰原理」という。統一教会教祖文鮮明が「蕩減と言う時、その99%は統一教会独自の用語「蕩減復帰原理」「蕩減復帰」「蕩減条件」「蕩減条件立てること」のいずれかの意味で、原義で言うことは1%未満文鮮明教祖は「蕩減原義)」と「蕩減復帰の意味次のように語っている。 「蕩減とは何であるかというと、百以下のものをもって百と同じに認めてくれることです。」1980年7月1日説教蕩減歴史的基準」「蕩減本当の意味は何でしょうか。神は私達負っている負債総額充当するために、その内一定額を支払うことを求めておられます。しかし私達がその条件を満たすことにより、総額返済されたという立場に立つのです。神は常に誰もが救いを受ける機会得られるように(負債総額よりも)小さな条件設定されています。1981年2月10日説教蕩減復帰摂理歴史」 「蕩減復帰とは、小さな条件通して大きなことを蕩減する(赦す)ことです。例をあげれば百人赦してあげるために、善なる一人人間打たれることを代価として百人の罪が蕩減される(赦される)のです。人間百人代表として一人立て、彼が百人の代身として打たれることによって、百人打たれることを赦され、悪なる立場から善の立場帰ってゆくのが蕩減復帰というのです。」1967年6月4日説教蕩減が行く道」 文鮮明教祖より「統一原理体系化最終版原理」の執筆任され相憲は「蕩減の意味について論文統一民族史観」の中で、キリスト教の「赦し」の説明頻繁に引用される新約聖書マタイによる福音書18章21節~35節に基づいて説明している。 「僕の主人あわれに思って彼をゆるし、その負債免じて蕩減して⦆やった。」マタイによる福音書18章27節(그 종의 주인이 불쌍히 여겨 놓아 보내며 그 빚을 탕감⦅蕩減⦆하여 주었다)「イエス様は、人間犯した罪は借金をすることと同じだとしばしば表現されています。例えイエス様は王様から借りた一万タラント借金返す事が出来ないでいる僕の例を挙げてます。王様は『もし一万タラント借金返すことが出来ないであれば、お前と妻子持ち物全部売って返しなさい』と命じました。それらを全部売って一万タラントならないかも知れないが、それで一万タラント借金相殺してやるという意味です。これも蕩減意味します。 ところが僕がひれ伏して『必ず借金返しますから、暫くお待ち下さいと言って哀願しました。その姿を見て気の毒に思った王様は『お前の心掛け殊勝だ。負債免じてやるから帰りなさい』と言って彼を赦してやったのです。これもやはり蕩減なのですイエス御言葉によって蕩減意義明らかにされたと思います第一に蕩減とは、負債に関する概念であると同時に、罪に関する概念です。第二に、蕩減とは、一定の条件立てて借金を減らすか相殺するのと同様に、罪を減らすか、なくしてもらうこと、罪を赦してもらうことを意味します第三に、蕩減には、必ず債務者債権者、または罪人神様一定の条件立てなければ蕩減赦してもらうこと)を受けることが出来ないことを意味します第四に、蕩減赦してもらうこと)は一定の条件立てて借金のない、あるいは罪を犯さない状態に戻ること、つまり復帰意味します。」 — 月刊ファミリー1993年5月号」相憲著「統一民族史観」 上記通り文鮮明教祖相憲共に原義則り聖書基づいた説明なされてあるため、既成神学との連続性認められる。ただ異なるのは「条件」という言葉使ったことである。統一教会内部に於いて文鮮明教祖の定義を正確に理解していた記録があるのは相憲のみである。 他方文鮮明教祖より「統一原理」の体系化最初に任された劉孝元著書原理講論」では教祖とは異なる定義なされている。 「どのようなものであってもその本来の位置と状態を失ったとき、それらを本来の位置と状態にまで復帰しようとすれば、必ずそこに、その必要を埋めるに足る何らかの条件立てなければならないこのような条件立てることを『蕩減』というのである。」(日本語版)「무엇이든지 그 본연의 위치와 상태 등을 잃어버리게 되었을 때, 그것들을 본래의 위치와 상태에로 복귀하려면 반드시 거기에 필요한 어떠한 조건을 세워야 한다. 이러한 조건을 세우는 것을 "'탕감"이라고 하는 것이다.」(韓国語版) 「When someone has lost his original position or state, he must make some condition to be restored to it. The making of such conditions of restitution is called "indemnity".」(英語版) — 緒論 (一)蕩減復帰原理 (1)蕩減復帰 これを読んだ金東神田外語大学名誉教授は、韓国語版日本語版、英語版いずれも「これは間違いです」と明言している。この原理講論記述影響統一教会信者達は「蕩減とは償い罪滅ぼし」と原義とは真逆解釈する。但し「蕩減」に「償いの意味全くない。また「蕩減」の「蕩」の字義を「放蕩遊蕩」の「蕩」と間違って教えている。 このように原理講論の定義が原義及び文鮮明教祖の定義と異なっているのは、教会創立当初創刊に関わった信者達にとって教祖略語判別し難く、劉孝元執筆の際、文鮮明教祖質問して回答がないことがあり、その時作文したという。また「原理講論」を見るとキリスト教用語漢字語初歩的な誤謬散見され著者孝元がそれらに無知であったことが判る。これらが最初に統一原理体系化任された劉孝元最後に任され相憲の定義が全く異なることの遠因思われる。 劉孝元は「原理講論」及びその前作原理解説」を執筆する際、元となった文鮮明教祖著作原理原本」の中の「蕩減」が悉く略語であることが見抜けず、校正することなく意訳して定義している。 「하나님이 사랑하는 사람들이 惡한 者에게 죽게 하신것은 그들로 인하여 世上의 惡의 血를 맑히기 위하여 蕩減立場으로 죽게 하신것이었다.」P.45神が愛する人々を悪しき者のために死なせたのは、彼らによって世の悪の血を浄化するための蕩減蕩減条件の略)の立場として死んだのだった。「예수 죽음으로 歷史的 罪를 蕩減하며 사탄으로 하여금 뜻 成事하는 것을 없애기 위함이다.」P.109 イエスの死によって、歴史的罪を蕩減蕩減復帰の略)し、サタン意図成就することをなくさせるためである。 — 鮮文大学校教本原理原本」より そのため「蕩減本来の意味であり、キリスト教が神の大いなる恵みとして最も重要視する赦し」の概念が「原理講論」からは完全になくなり、それとは逆の罪人による「償い」の概念のみになった。これに対し日本のキリスト教会は、キリスト教とは相容れない東洋的発想」と批判している。 英語版翻訳者の崔元福が、本来「remission赦し)」と訳すべきを、韓国語版原理講論に従って償い」と訳そうとして「indemnity(賠償)」と、従来キリスト教用語とも異なる用語で訳し世界広められることとなった。そのためキリスト教会側から、本来キリスト教説いて来たキリスト贖罪恵み、神の無条件の愛と憐れみ否定し罪人自身賠償強要するものだという批判招いている。 文鮮明教祖長い間、「原理講論」の改訂を許すことはなかったが、初版(1966年5月1日)から18年以上経った1984年7月20日米国コネチカット州ダンベリー刑務所収監され所内で「原理講論」を通読した際、「蕩減復帰原理」の部分いくつかの重要な誤謬欠如があるとして、1985年8月20日出監後にそのこと説教している。その頃から文鮮明教祖は「私の最後の仕事は『原理』を書くことだ」と教典最終版著述表明し、それを相憲に任せていたが未刊終わった統一教会では無原罪生まれた再臨キリストとされる文鮮明教祖今は否定され妻・韓鶴子教祖)が生誕した韓国を最も迫害したとする日本支払うべき「賠償(indemnity)」の意味使われることが多い。

※この「統一教会用語(原理用語)」の解説は、「蕩減」の解説の一部です。
「統一教会用語(原理用語)」を含む「蕩減」の記事については、「蕩減」の概要を参照ください。

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