緑川とは? わかりやすく解説

緑川

豊かな自然の中に歴史・文化多様な生物共存する川、緑川
緑川は、その源を熊本県上益城郡三方山に発し甲佐町において津留川合わせ城南町及び嘉島町において熊本平野出て御船川加勢川波戸川及び天明新川合わせ熊本市及び宇土市において有明海に注ぐ、幹川流路延長76km、流域面積1,100km2一級河川です。

加藤清正の治水工事で代表的な「桑鶴の轡塘」(緑川)
加藤清正治水工事代表的な(くわづる)轡塘(くつわども)」(緑川)

河川概要
水系緑川水系
河川名緑川
幹川流路延長76km
流域面積1,100km2
流域内人517,189
流域関係都県熊本県

緑川流域図
○拡大図
1.緑川の歴史
"天正16年1588年)、肥後の国国主となった加藤清正は、洪水繰り返してきた緑川下流部治水耕地化に取りかかりました代表的なものとして、清正堤と御船川掘り替え鵜の瀬堰、の轡塘等があり、これらは今日治水・利水としての有効な機能果たしています。"

緑川の歴史先人の知恵

加藤清正治水・利水
天正16年1588年)、肥後(ひご)の国の国主となった加藤清正(かとうきよまさ)は、洪水繰り返してきた緑川(みどりかわ)下流部治水耕地化に取りかかりました

清正(きよまさてい)御船(みふね)川の掘り替え
加藤清正の改修事業
加藤清正改修事業
緑川支流加勢(かせ)川は、木山(きやま)川や御船川などが合流し辺り一帯は常に出水氾濫繰り返し沼地のようになっていました。さらに、有明海からの海水入り込んでおり、耕地化は困難でした
清正加勢川右岸清正堤と呼ばれる長い堤防築き加勢川氾濫海水進入防ぎました。また、御船川掘り替え工事行い加勢川流入する水量減少させました清正堤は戦略上の必要性もあったとも言われています。これらの工事によって、湿地帯広大な田畑となりました

鵜の瀬(うのせ)
鵜の瀬堰は緑川が平野部流れ込む甲佐町(こうさまち)築かれ長さ660m、幅約85mの堰で、水の抵抗和らげるために、川に対して斜めに横断する形でつくられています。また、これと同時に緑川の掘り替え工事が行われ、本川並行して流下していた釈迦院(しゃかい)川がはるか上流合流するようになりました
緑川の絵図 (熊本県立図書館蔵) 鵜の瀬堰
緑川の絵図 (熊本県立図書館鵜の瀬


(くわづる)轡塘(くつわども)
轡塘は清正多用した洪水軽減方法で、河川合流地点水あたり激し部分作られ河道遊水装置です。の轡塘はその中で大規模なものでした。通常河川は本塘の中を流れていますが、水かさ増した時には遊水池蓄え周辺への出水押さえました。また、遊水池内には肥沃な土壌流れ込むため、平常時には生産力の高い水田として利用されました。現在でも轡塘の遊水池水田として利用されているところもあります
桑鶴のくつわ塘くつわ塘
2.地域の中の緑川
"緑川では、各市町村様々なイベント祭りが行われており、特に「緑川の日」においては今年11回目迎え毎年20,000人の方が河川周辺の環境美化取り組んでいると伴に、「NPO法人緑川流域連携会議」の発足行い流域環境上・文化の発展寄与することを目的とし活動しており、川とのつながりが深いことが伺えます。
また、子どもたち活動する場として3箇所を「子どもの水辺」に登録してます。"

地域根付く緑川

・緑川の河川利用状況
緑川は熊本市郊外流れ水質向上しているため、四季通して散策水遊び釣り主体とした河川利用なされてます。
緑川ダム周辺環境基盤整備事業により、運動公園観光レクリエーション地区児童公園等があり、中流部乙女(おとめ)付近高水敷には、津志田(つしだ)河川自然公園整備されピクニック水遊び行楽者が近年増えてます。また、24K付近にグラウンドゴルフ場(グリーンパル甲佐)が開園しスポーツ利用者増えてます。

ゴールデンウィークにおける河川敷の利用(津志田地区)
ゴールデンウィークにおける河川敷利用津志田地区)


グランドゴルフ水辺における魚釣り
グランドゴルフ水辺における魚釣り
河原でのバーベキュー 緑川ダムフェスタ
河原でのバーベキュー 緑川ダムフェスタ
3.緑川の自然環境
"上流域には、九州中央山地国定公園矢部周辺県立自然公園などが指定され豊かな自然が残されており、これを反映して動植物相も豊富です。
中・下流域では、江津湖などが比較自然環境残された場所として、多く動植物相生息地となってます。
また、有明海に注ぐ河口域干潟は、ムツゴロウなど干潟特徴づける海産動物がみられます。"


緑川流域

緑川流域は、山地割合72%で急流部から直ちに低平地熊本平野)に流下し、途中多く支川合わせ有明海に注ぐ葉状流域河川で、年平均降雨量が約2,200mmの梅雨性の河川です。
緑川上流域山地大半は、植林占めるが、水源地周辺は、九州中央山地周辺国定公園に指定される程の原始林囲まれ豊かな自然環境有してます。
中流域丘陵地は、中小起状丘陵地広がり石橋適した凝灰岩多く肥後の石工」により、日本一の数の石橋つくられ、「通潤橋(つうじゅんきょう)」を代表するよう数多く石橋を見ることが出来ます。又、地質境界部には、江津湖代表する湧水湧泉数多く分布し天然記念物のスイゼンジノなど貴重な動植物生息確認されており、自然を利用した公園キャンプ場等の観光地多く熊本市郊外位置することから毎年多く河川利用者でにぎわってます。
下流域三角州低地は、内外氾濫の常襲地で、産業経済の発展の為、中世鎌倉時代から様々な治水事業が行われ、加藤清正隈本入場大規模な治水事業施し、現在もその遺構数多く引き継がれています。
又、熊本県内一の規模といわれているヨシ原河口域広がり河川敷帯状連なるメダケ相成ってサギ類等鳥類のねぐら・営巣地として利用され、緑川の特徴的な生態系及び景観をなしています。
4.緑川の主な災害


主要な既往洪水一覧表
発生年月日 出 水 概 要 水文状況 被害状況
日雨量
(mm)
最高
水位
(m)
流 量
(m3/s)
S18年9月
18日20日
九州東側東北東に進ん
台風影響受けて18日
半より降り始めた20日
午前中まで降り続き大きな
災害もたらした
340 (約4,200) 死者 1名
家屋全・半壊 172
床上浸水 482戸
床下浸水 2,427
流失家屋 15
S28年6月
25日27日
梅雨前線活動により、25日午前より降り始めた夜半から26日午前にかけて小降りとなったが、正午頃より夜半まで強い雨降り続き連続雨量は400mm~600mmの大豪となり、戦後最大被害被った 240 (約3,030) 死者 291
行方不明者 272
負傷者 557
家屋全・半壊 7,517
床上浸水 850
床下浸水 48,937戸
流失家屋 39,066戸
( 熊 本 県 内 )
S63年5月
3日4日
温暖前線南下に伴い3日午後から降りはじめとともに集中的な豪雨見舞われた。御船川島木観測所では1時間雨量94mm、3時間雨量235mmを記録し御船川では下流部破堤氾濫発生した 280 5.37 約2,520 死者 2名
家屋全・半壊 32
床上浸水 638戸
床下浸水 521
H 9年7月
6日12日
7月8日から11日にかけて梅雨前線九州北部停滞し、南から湿った空気流れ込み前線活動が活発となって激しい雨が断続的に降り続いたこのため加勢川大六では既往最高水位記録し家屋被害生じた 190 4.41 約1,530 家屋全・半壊 7戸
床上浸水 123
床下浸水 1,152

注)日雨量城南上流域平均雨量水位・流量城南観測所の値
  流量( )書き推定値

(注:この情報2008年2月現在のものです)




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