祓い屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 15:55 UTC 版)
いわゆる怪異現象の解決を専門とする人々。古くからそうした事柄を生業としてきた。妖と契約を結び、式として使役。様々な術を独自に研究・伝承する。定期的に会合を開き、同業者間の情報交換を行う。必ずしも妖が見えるとは限らず、その能力についてもピンからキリまである。見えていた式が見えなくなると「廃業」に追い込まれる。能力者は家系的におおむね能力者を輩出するが必ずしも産まれるわけでなく、廃業した場合、祓った妖や式から報復されることに怯えなければならない宿命を抱える。 名取 周一(なとり しゅういち) 声 - 石田彰 、大浦冬華(少年時代) 11月12日生まれ。A型。身長175cm。特技は怪しいオーラ。 劇中、ドラマや映画で活躍する人気俳優で祓い屋。貴志の理解者であり、同じく妖を見ることができる数少ない人物。 一人称は「私」、「おれ」。芸能人特有(?)のきらきらしいオーラ(ニャンコ先生によると「新手の妖気のようなもの」)を放っており、無駄に人目を集め、それを楽しんでいる様子が窺える。夏目がそれを指摘すると「きらめいててご免」などと発言する。アニメでは髪型と髪の色(茶色)が夏目と若干似ている。 俳優業の裏で祓い屋稼業をしており、柊、瓜姫、笹後の三体を「式」として使役する。(彼女たちについての詳細は名取の式を参照。夏目を式として素性を隠した際は「ナツメグ」と名を付けた)。 温泉旅行の際に夏目による妖への名返しを目撃したが、そのときは詮索しなかった。後に元式の妖が友人帳の存在を示唆したことで調べ回る。やがて貴志から明かされたが「そんな危険なもの焼いてしまえばいいのに」などと友人帳に関する価値観は大きく異なる。 マンションに独居暮らしているがほとんど物がなく、寝に帰る場所。実家は使用人を雇うほどの金持ち。 LaLa2018年11月号でのキャラクター人気投票では、第3位を獲得。【能力】 体表に常人には見えない「ヤモリの形の痣」をした妖が住み着いていて、全身を動き回る。ただし、左足だけには決して移動せず、名取本人はこのことを特に気味悪がっている。健康に影響は出ていないが、逆にそれが怖いとのこと。その正体・理由などは不明であり、この妖のことを独学で調べているうちに、妖全般について学んでいった。もともと名取の家系は妖祓いを生業として的場同様の大家だったが能力者が出ずに廃業に追い込まれた。稼業にまつわる妖の報復を恐れていた両親は周一が能力者であったことを快く思っておらず、周一は家族との間に根深い確執を抱える。名取の名は祓い人の間では「廃業に追い込まれた無様な一族」として悪い意味で有名だったが、周一の実績がそれを跳ね返し、「さすがは名取」と言わしめた格好になっている。最初に会合に顔を出した際に公然と陰口され、同業者たちを見返すため倉にあった書籍から独学で知識を得て妖怪退治に挑戦。周一と静司が協力して祓った格好だが静司に手柄を譲る。悪口を浴びせられながらも「妖が見えることについて嘘をつかずに済む」ことに安堵して会合に通い詰め、祓い屋のノウハウを学んだ。高校生のときに出会った祓い屋タクマ(声 - 山路和弘)の影響を強く受けており、伊達眼鏡や祓い屋としての立ち位置など彼に倣った形になっている。現在は同業者との繋がりも深く、協力的な人も多い。貴志の能力についても一目置いており、助手にしようとしたこともある。同じ祓い屋である的場のやり方にはやや抵抗を感じており、危険視している。高校の制服はブレザーだった。【性格】 女性にはモテモテだが妖が見える人間にしか心を開かない。年齢差のある貴志とは人目も憚らず同じ境遇の友人として接している。ただし妖に対しての見解は、複雑な思いを抱く夏目とは異なり、はっきり憎んでいる。そのため、意見が食い違うこともしばしば。妖に感情移入し、自らの危険を顧みない貴志の行動がいずれ貴志自身の身を危険に晒すのを心配して何度も忠告しているが、貴志の行動に影響され名取自身が気づいているか否か分からないが心境や行動に変化がみられる(祓い屋として力でねじ伏せるかたちでの封印等に躊躇を見せるようになっている)。祓い屋稼業時は肉眼よりガラスを通したほうが妖が見えやすいらしく伊達眼鏡をかける。貴志とニャンコ先生は彼を「胡散臭い男」だと思っている。貴志はそれなりに信用しているが、ニャンコ先生とは仲が悪い。基本的には冷静沈着な名取だが、ニャンコ先生と子供っぽい喧嘩をするなど、大人気ない一面も持つ。田沼やタキとの面識はなかったが、田沼とは夏目がビンに吸い込まれた事件をきっかけに初めて対面した。 一つ年下で的場一門の御曹司だった静司に対しては初対面で能力を試されたことから劣等感を抱えており、静司は周一を「使える人物」とみなし慕うが、周一は静司を忌避している。その静司が貴志に宛てて書いた手紙は偶然入手した周一が握りつぶした格好になっており、詳しい内容については現時点では判明していない。 的場 静司(まとば せいじ) 声 - 諏訪部順一 11月1日生まれ。AB型。身長174cm。趣味は「式」用妖集め(?)。 作中最大の祓い屋集団「的場一門」の現当主。一人称は「私」。長い黒髪の男性で、番傘を差していることが多く、右目に文様の入った眼帯を着けている。眼帯は、かつて妖に『仕事を手伝ったら右目を喰わせる』と約束した的場の先祖がその約束を守らず、以来その妖から狙われている右目を守るためのもの。また、眼帯に覆われている部分には酷い傷があるらしいが、詳細は不明。ただし、高校生の頃には眼帯はつけておらず、傷らしきものも存在していない。周一の1つ年下。高校の制服は学ランだった。 的場一門とは祓い屋大家一一家を束ねる集団で前述の事情により能力者を輩出しなかった所属一門家を妖の報復から保護する目的で成立した互助組織。情報を共有し、協力して強力な妖と対峙する。祓い屋は原則として個々が個人事業主であるが、的場一門は会社組織のようなものであるため扱える仕事も多い。このため同業者からは良く思われていない。 貴志については当初は「周一の連れ」という認識だったが、的場一門に捕まった貴志が式を素手でのして脱出し、斑の姿になったニャンコ先生の活躍で脱出したことを契機に興味を抱き、やがて貴志が祓い屋の間でも有名な夏目レイコの孫だと知る。捕らえた際に、荷物の中から友人帳を手にしているが落書きにしか見えず大層なものだと思わなかった。その事件後、貴志宛てに手紙を書いた。(周一の項目参照)更に貴志を的場一門に勧誘する。貴志は静司に藤原家を知られており、滋と塔子に貴志が見ているもの、遭遇していることを話すと脅迫めいたことをされている。七瀬に欺かれて以降、的場一門と貴志は悪い巡り合わせばかりで的場一門のとばっちりを食ったことが一度ならずある。故に危険視しており、友人帳の存在についても絶対知られてはならないと考えている。 アニメでは第3期から登場。アニメ第2期の後半で七瀬や名取から彼の名前が出てきているが、姿は見せなかった。【能力】 御曹司だった高校生の頃から卓越した妖力を持ち、周一と競った三本角の妖怪退治で名を上げ実力を見せつけて的場一門当主となる。得意な武器は弓矢。呪符を付けた破魔矢であれば大妖でも一矢で消滅させる。ニャンコ先生と渡り合うほどの手強い術を使う。【性格】 常に不敵な笑みを浮かべその態度は傲岸不遜。感情をあまり表に出さず、普段は穏やかな口調で愛想のよい笑みを浮かべているが、危険な雰囲気を漂わせていて、妖にも人にも「使えるか、そうでないか」で判断する非情で合理的な性格。前述のように契約不履行でいつ襲撃されるともわからないが飄々と構えている。ミステリアスな存在で貴志に宛てた手紙に何が書かれていたかは不明で一門に誘った真意のほども不明。周一に対しては前述のように上から目線ながら一方的に慕っている。 七瀬(ななせ) 声 - 土井美加、永田依子(少女時代) 妖祓い・的場一門の秘書。眼鏡をかけ細目が特徴の初老の女性。一見すると温和で優しそうに見えるが目つきは鋭い。名取の見立てによると、力は夏目の方が上であるという。初登場で貴志たちを謀って式を手に入れた。妖を「危険な存在」と言い捨て、使役している妖を手酷く扱うなど、妖に対して非情である。周一とは折り合いが悪いが「会合」ではよく出くわす。レイコについては噂で耳にしているらしい。 アニメシリーズでは第1期の最終話で一瞬だけ姿を見せており、後に第2期・第11話から登場して名取や夏目達と遭遇する。
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