生活保護受給者とホームレスを巡る騒動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 23:15 UTC 版)
「DaiGo」の記事における「生活保護受給者とホームレスを巡る騒動」の解説
2021年8月7日、「【超激辛】科学的にバッサリ斬られたい人のための質疑応答」と題したYouTubeのライブ配信中、視聴者からの質問に対し、DaiGoは生活保護の受給者やホームレスを否定する持論を展開した。 僕は生活保護の人たちにお金をはらうために税金を納めてるんじゃないからね。生活保護の人達に食わせる金があるんだったら、猫を救ってほしいと僕は思うんで。生活保護の人生きてても僕は別に得しないけどさ、猫は生きてれば得なんで。猫が道端で伸びてればかわいいもんだけど、ホームレスのおっさんが伸びてると、なんでこいつ我が物顔でダンボール引いて寝てんだろって思うもんね。自分にとって必要のない命は軽いんで、ホームレスの命はどうでもいい。 いない方がいいじゃん。猫はでもかわいいじゃん。犯罪者殺すのだって同じですよ。群れ全体の利益にそぐわない人間を処刑して生きてるんですよ。犯罪者が社会にいるのは問題だし、皆に害があるでしょ。だから殺すんですよ。同じです。 ホームレスって言っちゃ悪いけど、どちらかっていうといない方がよくない?皆確かに命は大事って思ってるよ。人権もあるから、形上、大事ですよ。でもいない方がよくない?正直。邪魔だし、プラスになんないし、臭いし、治安悪くなるし。 — メンタリストDaiGo、【超激辛】科学的にバッサリ斬られたい人のための質疑応答より引用[リンク切れ] この持論に対してソーシャルメディアで批判が集まり、安田菜津紀、稲葉剛らからは「優生思想に直結する」「ヘイトクライムを誘発しかねない」という批判が相次いだ。DaiGoの弟でタレントの松丸亮吾は自身のTwitterで「今まで兄が炎上しても『また炎上してんな〜〜』くらいにしか思ってなかったし触れないようにしてたけど、人の命を軽く見る発言だけはさすがにダメです。それだけは絶対に許されない」と述べた。 これらの批判が殺到すると、同月12日、DaiGoは新たにライブ配信を行い、「個人の意見なので扇動してるわけではない」などと弁明した一方、自身が高額の納税を行っていることを理由に挙げ、「残念ながら僕を叩いている人よりも、僕は彼らのことを保護してますよ」と、新たな持論を展開した。また、批判に対して「そんなに助けてあげたいなら、自分で身銭切って寄付でもしたらいいんじゃない?国がそういう人のために、みんなの給料から毎月3万円徴収しますって言い始めたら、皆さん賛成するんですかね?」「他人が何を大事だと思うかは、他人の勝手。そんなに助けてあげたいほど大事なら、口出すよりも金出してあげたらいいんじゃない?言うだけなら誰でもできる」と持論を展開した。 この主張にさらに批判が過熱する結果となり、翌13日には厚生労働省がTwitterにて、「生活保護の申請は国民の権利です」という投稿を発信する事態となった(2020年12月には厚生労働省ウェブサイトにおいても『生活保護の申請は国民の権利です』と掲げられているほか、2021年8月16日には足立区が今回の流れを受けてと思われる「生活保護の申請は国民の権利」などツイートされたと報じられている)。同日夜、DaiGoはライブ配信で「一生懸命、社会復帰を目指して生活保護を受けながら頑張っている人、支援する人がいる。さすがにあの言い方はよくなかった。差別的であるし、これは反省ということで謝罪させていただきます。大変申し訳ございませんでした」と一転して謝罪した。 翌14日、生活保護受給者を支援する4団体が「メンタリストDaiGo氏のYouTubeにおけるヘイト発言を受けた緊急声明」を発表。菅義偉首相に「DaiGo氏の発言が許されないものであることを明言した上で、生活保護の申請が国民の権利であることを率先して市民に呼び掛けること」を求めるなど、社会に広く5つの提案を行った。DaiGoの謝罪についても「ここで示された考え方は、他者を評価する基準を『頑張っている』(と自分から見える)かどうかに変えただけであり、他者の生きる権利について自分が判定できると考える傲岸さは変わりません」と一蹴し、再謝罪を求めた。すると同日夜、DaiGoは「昨日の謝罪を撤回いたします」というタイトルで動画を配信し、今までとは打って変わった黒いスーツにネクタイの礼服姿で登場すると、前日の謝罪を「単なる反省で謝罪になっていない。想像力も理解も足りなかった」と釈明。「自分が勝手に反省しているに過ぎなかった」「僕と同じような考えを一人でも減らせるように活動をあらためていきたい」などとして、改めて謝罪。「自分の亡き母親が生活保護受給者だったら」と考えて、自身の発言の愚かさを実感したとして、「もし母が生きてたらこの状況をどう思うかって考えると、すみません」と涙を見せる一幕もあったが、過去にDaiGoは「譲歩を促す最終手段、それは泣き落とし」「ポイントは相手の予想を上回るように、少しオーバーに泣くこと」などと発言しており、これを実行したものでないかとの見方もある。同日、DaiGoがアンバサダーを務めていた「霧島天然水 のむシリカ」は、自社がホームレスへの炊き出しなどの困窮者への支援を行っていたこともあり、公式サイトにて、DaiGoの発言に関する謝罪文を掲載。DaiGo出演のCMを当面の間、放送自粛することを発表した。 元宮崎県知事でタレントの東国原英夫は「メンタリストDaiGo氏のYouTubeにおけるヘイト発言を受けた緊急声明」について引用しつつ「あの謝罪・反省は真意・本意なのか実に疑わしい。基本的人権意識の決定的欠如。本質的に優生思想肯定論者なのだろうと推察する」「真に反省・謝罪するなら今後の長期の活動や言動で示すべき。時間を掛けて人権問題・所得の再分配の意義・優生思想の問題点等を徹底的に学ぶべき」と指摘している。 15日放送の『ワイドナショー』で松本人志は「こういうことあった人のYouTubeは、あんま、みんな無視した方が良いのかなって思っているけどね。なんかもうこれで騒いでもね。繰り返すんかなっておもうし。燃えるの当たり前みたいに思っているんでしょ。燃やされてみんなにたたかれて、刀でいったら一番、研ぎ澄まされるパターン。どっかである程度、無視してあげないとっていうのもあるんかな」とコメントした(いわゆる炎上マーケティングという指摘)。社会学者でDaiGoと仲がいいという古市憲寿は「メンタル弱いんですよ、DaiGo。本当に、いつも落ち込んでいて」と明かしたが、MCの東野幸治に「それは勝手ですよ」と一蹴された。 朝日新聞デジタルの記者・篠健一郎も炎上マーケティングの可能性を指摘しており、「YouTubeの場合、投稿した動画の再生数に応じて広告収入が得られ、自身のビジネスも宣伝できます。YouTuberなどネット上で大きな影響力を持つインフルエンサーは、自分のコンテンツをどれだけ見てもらえるかがビジネスに直結します。DaiGo氏の一連の言動の背景には、できるだけ関心を集めて閲覧数を増やし収益を上げたいという動機があるのではないかと思います。」と述べている。 16日放送の『めざまし8』では元大阪府知事の橋下徹がこの一件に言及。「DaiGoさんの今回の発言は間違ってるから、しっかり反省してなんとか立ち直って頑張ってもらいたいと思います。」としつつ、「DaiGoさん色んな活動で高額な収入を得て納税額もすごいと思うんですよ。ちょうど20代後半ぐらいで高収入を得た人たちが自分の税金がどう使われてるか、自分のためになってるのか、それがちょっと違う所に使われてるんじゃないかと疑問に思う、ちょうどその頃であっていろんな人がこういう疑問を持つと思うんです。自分の税金がなんであの人に所にいくのっていうね。それは社会を成り立たせるうえで必要な制度であって自分も社会に一員であってみなさんのおかげで稼がせていただいてるんだって気付くのは周りからのいろんな意見とか社会経験を積んで分かることであって。今回の発言は間違ってるんだけど、こういう間違いにぶつかってしまう、こういう世代の人たくさんいると思う。」とDaiGoの思想に一定の理解を示した。 また同じく16日放送の『バイキングMORE』では坂上忍がこの一件に言及。「激辛という範ちゅうではない。どうしちゃったのかなって」「謝罪だけで済まされるのかって思っちゃう。それくらいの問題。肝心なところが無知。代償が大きいと思う」と述べ、YouTubeというプラットフォームの問題として「一個人が一つの放送局を持ってしまう怖さ。もうちょっと整備されないとまた同じこと起きるのでは」と問題提議し、フリーアナウンサーの高橋真麻も「もっと賢い人かと思ったのに…確かに本人の危機管理能力が低かったら、いくらでも過激なこと流せちゃう。そういう判断は個人では無理だと思う」と同意している。 ちなみに、DaiGoはこの騒動の約2年前となる2019年10月15日、令和元年東日本台風の上陸時、避難所でペットの受け入れが拒否されるケースに触れ、「ペットが多くの避難所で断られることが理解できない。大切な家族を見捨てて避難なんてできるわけないだろう。少なくとも赤の他人の命より、動物だとしても家族の命の方を優先するのは理解できる。ホームレスの受け入れ拒否が批判されるなら、ペット受け入れ拒否も批判されるべきだと思う。何度も言うが、人間の命の方が重いなんて綺麗事だ。家族の命の重さなら、ヒトも動物も関係ない。」とのツイートを投稿しており、当時は称賛する声も相次いでいた。 2ちゃんねる創設者で実業家の西村博之(ひろゆき)は、DaiGoを擁護する目的ではないとしつつも、本当の問題点として「ホームレスには人権があるって、皆さん大騒ぎしてますけど『俺んちの前にはいてほしくない』とか『通勤のときにホームレスがいると臭いからイヤだよね』とか、内心思っている人っていっぱいいるじゃないですか」「生活保護も『水際作戦』って言って、取りづらくしているのを、皆さんご存知じゃないですか」「ああいう考えは良くないっていうのであれば『生活保護を取り放題にしたら?』とか『ベーシックインカム導入したら?』って(訴えていくべきだと)思うんですよね」と、持論を展開した。 なお、2021年6月にDaiGoは「差別発言ってね、実は頭が悪い証拠なんですよ。IQが低い人ほど、差別的な発言をすることがわかってる」「頭が悪い人って複雑なこととか多様性を理解できない人が多いんですよ」と語っていたため、SNSでは「大変よくわかりました」「勉強になります」「全くその通り」などといった声があがっている。 2021年12月5日、DaiGoは、実業家の三崎優太とYouTubeで対談を行い「純粋にあの発言自体に対しては、言い方もすごく悪かったが、酔っぱらっていた。」「あの日、放送前にワイン会があって、2本飲んでいて、なぜか、もう1本あけながら放送していた」と、酔っ払った状態での配信であり「酒の力で愚痴が入った」と釈明した。それに対して三崎は 「酔っぱらって配信したらダメ」 とたしなめた。 なお、2020年9月22日にDaiGoは山口達也の飲酒運転逮捕受け、「基本的な善悪の判断ってのは変わらないので、お酒で暴言を吐いたりとか暴力を振るったりとか、今回みたいに飲酒運転してしまうっていう性格の人は、もともとそういう性格なんですよ。善悪の判断に関しては、かなり緩い。」と自身のチャンネルで語っている。
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