フリーアナウンサー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/19 18:17 UTC 版)
概要
放送局に入社し、社員として勤務するアナウンサー(通称「局アナ」[2])との対義語として用いられる語で、放送局に所属していないアナウンサー全般を指す。局アナと区別するため、放送局側ではキャスターやリポーターとも呼ばれる。
フリーアナウンサーと局アナに必要となる技量に違いはなく、仕事を始める前にアナウンススクール(アナウンサー養成を目的とした専門学校、あるいは放送局の主催する講習会)に通うものも少なくない[3]が、局アナが各放送局の入社試験に合格する必要があるのに対し、フリーアナウンサーはその必要がない。ただし個人事業主として活動するため、個人事業主の開業届を出す必要がある他、自ら営業活動を行うスキルも求められる[4]。
局アナとして一定の経験を積んだ上でフリーに転向する事例、あるいは放送局内での人事異動に伴ってアナウンス業務から外れるタイミングでフリーに転向する事例[4]、放送局での定年を迎えてアナウンサーとしての活動を継続するためにフリーアナウンサーに転身する事例も少なくない。
フリーアナウンサーの多くは芸能事務所や制作プロダクションとの間で専属契約を結び、当該事務所所属のアナウンサーとして活動する[4]。「芸能事務所所属」という意味では純然たるフリーランスとは呼べないが、局アナが社員としてその放送局関係に限定してアナウンサーとしての業務を行うのに対し、自分で出演する仕事や局を選べるなど、自由に働くという意味で「フリー」だと言える[5]。
一方で、フリーアナウンサーでありながら放送局と専属契約を結び、局アナ(社員アナウンサー)と同様の業務を行っている者[注釈 1]、芸能事務所等との業務委託契約を結ばず純粋にフリーランスとして業務を行う者[注釈 2]、さらにはアナウンサー自身が新たに芸能事務所を設立して代表者として活動する者[注釈 3]など、一口にフリーアナウンサーと言ってもその活動形態は様々である。逆に、フリーアナウンサーとして活動後に放送局の中途採用に応募し局アナに転身する者[注釈 4]もある。
主なフリーアナウンサー
引退・転職した主なフリーアナウンサー
特記なき限り引退・活動休止した人物。括弧内は在職歴のある放送局。
- 男性
- 女性
故人
フリーアナウンサーとして活動後に死去した人に限る。括弧内は在職歴のある放送局。
- 男性
- 相川浩(NHK)
- 安部憲幸(朝日放送)
- 石井智(TBS)
- 逸見政孝(フジテレビ)
- 生方恵一(NHK)
- 岡田実(NHK)
- 小川宏(NHK→フジテレビ専属)
- 押阪忍(NET)
- 小倉智昭(東京12チャンネル)
- 木島則夫(NHK→NET嘱託)
- 金原二郎(日本テレビ)
- 久米宏(TBS)
- 島碩弥(山陰放送)
- 高橋圭三(NHK)
- 土居まさる(文化放送)
- 土門正夫(NHK)
- 中西一清(RKB毎日放送→RKB専属)
- 野村泰治(NHK)
- 比嘉憲雄(ニッポン放送)
- 深澤弘(東北放送→ニッポン放送)
- 松宮一彦(TBS)
- みのもんた(文化放送)
- 宮田輝(NHK)
- 八木治郎(NHK)
- 山本文郎(TBS)
- 渡辺謙太郎(TBS)
- 女性
主なフリーアナウンサー事務所
脚注
注記
出典
- ↑ “フリーアナウンサーとは?”. コトバンク(デジタル大辞泉). 2025年6月20日閲覧。
- ↑ “局アナとは?”. コトバンク(デジタル大辞泉). 2025年6月20日閲覧。
- ↑ “アナウンサー、キャスターになるには”. マナビジョン. ベネッセコーポレーション. 2025年6月20日閲覧。
- 1 2 3 “局アナウンサーとフリーアナウンサーの資格・必要なスキルの違い”. キャリアガーデン. ノードプレース. 2025年6月20日閲覧。
- ↑ “アナウンサー、キャスターの仕事の内容”. マナビジョン. ベネッセコーポレーション. 2025年6月20日閲覧。
関連項目
フリーアナウンサー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 14:47 UTC 版)
「日本のアナウンサー」の記事における「フリーアナウンサー」の解説
詳細は「フリーアナウンサー」を参照 この場合の「フリー」は、放送局と直接の雇用関係がないことを指す。完全なフリーランスでなく、人材派遣事務所や芸能事務所などに所属している者もこう呼ばれる。 局アナとフリーアナウンサーの仕事内容に実質的な違いはないが、雇用形態に大きな差がある。局アナは社員・職員としての給与と仕事の供与、労働三権が保証されている代わりに、社命である業務や異動を基本的に断れない。勤務地が大きく変わることはないが、別の分野を担当させられる。要は局アナは「会社員」(NHKのみ「団体職員」)であり、その権利と同時に組織の一員としての義務を負い、局の方針に反することはできない。一方、フリーアナウンサーは、雇用契約の契約書の形式や内容が異なり、仕事内容が明記・限定された形で契約書に署名する(つまりその特定の仕事限定、端的に言えば、特定の番組限定で出演する契約を結ぶ)。仕事の契約は、事務所や知り合いの紹介、オーディションなどを通じ自ら競争を勝ち抜いて獲得する必要があるが、別の角度から言えば、嫌な仕事に関しては契約を結ばなければよいので「仕事の内容を選ぶことができる」とも言える。逆に言うと、仕事内容や契約相手の局は選べるかわりに、どの局からも相手にしてもらえず、全く仕事が無い状態になり無収入になってしまう可能性もある、とも言える。つまりテレビ局の側にも、多数のフリーアナウンサーの中から自局に都合のいい人を選ぶ自由があり、契約を結ばない自由がある。 フリーになる人の動機はさまざまである。そもそも最初からフリーアナウンサーとして活動している人々もかなりの数いる。別業種からの転職者もいる。局アナがその局の番組に出演して獲得した知名度を活用して(その知名度を他局に高く売れるあいだに、と)フリーになる場合もあり、その場合、単純に高収入の可能性があることに惹かれてそれを選ぶ人もいる。「自分を試したい・仕事の幅を広げたい」という理由を挙げる人、つまり他局でフリーでならばもっと違う仕事で実力を発揮できるはず、と感じるから(あるいは、そういう建前で)フリーを選ぶ人もいる。もっと違う理由で、たとえばテレビ局が報道らしい報道を行っておらず権力者におもねったような腐った報道をするばかりで、おまけにテレビ局のプロデューサーがスタッフやアナウンサーに対してセクハラを連発していて、そういう問題だらけのテレビ局にうんざりして、別の局で仕事をするためにフリーになる場合もある。 フリーになった後の報酬の額は、一種の「運」や、自身のアナウンサーとしての実力、自身の世渡り術、そして外部の諸要因という大きな要素群など、さまざまな要因が影響する。成功できると思って退社してフリーになった途端に病気に罹ってしまい、無収入になってしまう場合もある。自分には実力があると信じ高収入を得られると期待してフリーになっても、ふたを開けてみたら収入が大幅減となってしまい、後になって自己評価と他者評価に大きな乖離があったことに気付かされる場合もある。運にも恵まれ、外部要因にも恵まれ、かつアナウンサーの実力もあり、世渡り術にもたけている場合は、フリーアナウンサーになることで局アナよりも高額の収入を得られる例もある。(ただしフリーアナウンサーは各種手当や福利厚生もなく、業務必需品は自分で揃える必要があり、実は単純に額面通りの差だけ豊かになるわけではない。正社員というのは、"見えない"形で様々な報酬を得られており、フリーになるとそれが消滅する、という面はある。)。仕事のミスに対する批判や視聴率の評価は、局アナウンサー以上にシビアであるとされる。(野球チームが雇う「助っ人外人」のように)即戦力扱いで実際に高視聴率という結果が出た場合は「便利なコマ」として扱かってもらえて高報酬を払ってもらえる可能性が高いが、一旦、何かの拍子に視聴率低迷などという現象が起きると、実力不足などと判断され、(「もはや用なし、と判断された 助っ人外人」のように)番組プロデューサーから簡単に見切られがちで、つまり一種の「使い捨てのコマ」扱いで、単純に契約解除となり、局アナ(正社員)のような「セーフティネット」は無く(他番組の仕事をあてがってもらえるわけでもなく、他部門に所属する形で給料を支払ってくれるわけもなく)、仕事も無くなり無収入になってしまう可能性もかなりある。つまり局アナからフリーアナウンサーになることは、わかりやすく言うと一種の《賭け》であり、博打(ばくち)を行うような状態、「イチかバチか」の状態になる。そんなわけで、フリーになると決め辞表を提出した時は平気だったのに、いざ退社の時期が迫って自身の境遇が変化することをひしひしと感じ始めると悪夢を見たり、辞めてしまった後になっても、辞表を出したこととか辞めたこととか全部ナシにならないかな…と思ったり、もう今さらしょうがない、と思うなどして、長期間気持が揺れ続ける人もいる。 なお、局アナが所属局を退職してフリーアナウンサーに転身する場合、古巣局への義理立ての意味もあり、フリー転身直後は一定期間他局への出演を控えるという慣例がある。明確に一定期間他局に出演しないと古巣局と取り決めを持つ場合もある。系列局制作番組や企業のコマーシャルへの出演はフリー転身直後でも可能の場合あり。 その一方で、大塚範一、小倉智昭、露木茂、羽鳥慎一のようにフリー転身の翌月から他局でレギュラー番組を持つという例外もある。特に羽鳥は日本テレビ退職の数日後にテレビ朝日でレギュラーでの冠番組を開始させた。この時は日本テレビ・テレビ朝日両社上層部との話し合いがあったという。羽鳥のこの離れ業でフリー転身後の身でも他局からの仕事を請けやすくなったという向きもある。また、一時期の三雲孝江、小宮悦子、高島彩、ラジオ局の元アナウンサーなどのように、フリー転身後も他局ではほとんど仕事をせず、古巣局制作番組しかほぼ出演しないという人物も存在する。 NHKアナウンサーがフリーとなる場合、初めのうちは民放局と専属契約を結び、軌道に乗ったら完全フリーに、という傾向が多い。羽佐間正雄、久保純子のようにNHK退職直後にNHKと専属契約した人物もいる。ただし、専属契約となる形でのフリーだけではなく、在京キー局や在阪準キー局への移籍というパターンもある。
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