炊き込みご飯


炊き込みご飯(たきこみごはん)は、米料理の1つ。
ご飯を炊く際に、具を米と一緒に炊き込んで作る飯である。通常は炊飯時に塩、醤油、酒、出汁等で調味する。収穫の秋に、季節の食材を使って作ることが多い。米と一緒に炊き込むことで、材料の味をすべてご飯に吸収させることができるという利点がある。一度にご飯とおかずが食べられ、冷めても美味なため、駅弁に使われることも多い。電気炊飯器でも作れるが、白ご飯に比べて傷みやすいので、保存する場合は別容器に移す必要がある。
各種炊き込みご飯の素が市販されている。
五目飯
何種類かの具を入れ調味料で味つけしたご飯を五目ご飯といい、炊き込みご飯の代表格である。5種類の材料(例えば、米、ニンジン、ゴボウ、シイタケ、油揚げなど)を合わせ、炊き込んだことから五目ご飯の名がついたとされ、混ぜご飯・色ご飯・味ご飯とも言い、関西地方で作られる加薬ご飯(かやくご飯)をさすこともある[1]。
混ぜご飯との違い
混ぜご飯は、ご飯が炊き上がった段階で味付けした食材を混ぜ込む。複数の食材を用いる炊き込みご飯の場合には、一部の具材のみを後から混ぜるという手法もある。
かまどでご飯を炊いていた時代は、炊き込みご飯が焦げ付きやすいものだったのに対し、白飯に食材を混ぜ込む混ぜご飯は失敗の少ない調理法であった[2]。
炊き込みご飯の場合と同様に、混ぜご飯の素も市販されている。
主な炊き込みご飯
- 世界三大炊き込みご飯[3]
- その他
- ジャンバラヤ - パエリアに起源を持つ野菜と肉を炊き込んだアメリカ料理
- チェブジェン - 魚と豆、野菜を炊き込んだセネガル料理
- ピラフ - 炒めた米と具に出汁や香辛料を加えて炊いた料理
- リゾット - バターで炒めブイヨンで煮込んだイタリア料理
脚注
- ^ 新谷尚紀、関沢まゆみ 編『民俗小事典 食』吉川弘文館、2013年、282頁。ISBN 978-4-642-08087-3。
- ^ 日本調理科学会「〈岐阜県〉 かきまわし」『炊きこみご飯・おにぎり』農山漁村文化協会〈伝え継ぐ日本の家庭料理〉、2019年、55頁。ISBN 978-4540191817。
- ^ “世界三大炊き込みごはんで、 「ごはん」をさらに美味しく!”. ごはん彩々. 2025年5月20日閲覧。
関連項目
- かて飯(炊き込みご飯のルーツ)
- おこわ(もち米を使った炊き込みご飯を○○おこわと呼ぶ)
- 雑炊(冷や飯に具を混ぜて炊き込んだ料理)
- さよりめし(サンマの炊き込みご飯。岐阜県の郷土料理)
- 金魚めし(ニンジンの炊き込みご飯。岐阜県の郷土料理)
- 深川めし(江戸下町の郷土料理)
- 峠の釜めし(碓氷峠横川駅の駅弁)
外部リンク
- “ルーツは奈良時代の「糅(かて)めし」”. ウェザーニュース. 2025年5月15日閲覧。
- “17種類の炊き込みご飯! ほっこりおいしい簡単レシピ”. オールアバウト. 2025年5月19日閲覧。
- 炊き込みごはんのページへのリンク