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山井英司(やまい ひでじ) スポーツ新聞「日日スポーツ」のメッツ番記者。元球児で中学時代は小柄ながら名サードとしてその実力は高く、高校進学時にいくつもの高校から「授業料無料にするから、うちに来てくれ」と誘われていたほどであったが、本人はあくまで野球の名門校である白新高校に拘った。 しかし満を持して入った高校時代、同期の超怪物・国立玉一郎にポジションを奪われ、無地の練習用ユニホームに由来する「白虎隊」と呼ばれる二軍の一員となる。しかし、それまで「所詮下手だから」と腐っていた白虎隊を奮い立たせ、一軍の無慈悲な要求も練習と受け止め「国立に何かあった時のために」自分を磨き続ける。三年時、調子の落ちた国立に対し「今の調子なら国立より山井だ」と白虎隊はレギュラーをかけた直接対決を要求。「要求が通らなかったら、白虎隊は全員退部だ!」といきり立つ。 山井は国立の投球に「10の7」の好打を浴びせる。しかし山井は国立の十球連続オーバーフェンスに屈す。 国立をして「手強いライバル」と認識させるだけの実力を持っていたが、とうとう公式試合には1試合も出場できなかった。それでも阪神タイガースがその実力を評価し「悲運の白虎」としてドラフト下位で指名。しかし当人は「この小さな体は三年で燃え尽きた」と辞退。進学の後、新聞記者に。 国立とはその後も、憎まれ口をたたき合いながら分かり合う間柄。サバの入団や、「水原勇気」が女性であることをスクープして名をあげる。極道くんにも登場する。『ストッパー』では三原心平に最初から注目した記者。平成編以降もメッツ番として活躍する。主演作は『熱球白虎隊』。 伊達源三郎(だて げんざぶろう) やくざの親分。中等学校の時、先代親分の娘に惚れ結婚を希望したが「お前の度胸に惚れてるが、岩田鉄五郎を打てねぇおまえに娘はやれねぇ」と言われて発奮。しかし天才投手だった岩田鉄五郎を打てず、最後に訳を話して岩田に打たせてくれと頼み、岩田も「いつかヒットは打たれる。しかしそれが人助けになるなら」と快諾。岩田からヒットを打ち、先代親分の娘と結婚。お礼として、引退をかけたアパッチ戦に挑む鉄五郎を助けるためスタンドで仲間と刀を持ち、打者だった最上大太郎を動揺させ、三重殺を打ち取らせた。その後、鉄五郎にあの時のことを思い出してもらい逮捕。その時の言葉は「ゲームセットや」。「ズタズタ18番」では「あばしり安」こと北海安吉の牢屋の向いになるシーンが見られる。主演作は『任侠三重殺』。 右太ェ門(うたえもん) 苗字不明。父親と一緒に、国分寺球場で観客から100円だけ盗むということをしていたが、ある作戦のためにメッツのボールボーイになった。その後、鉄五郎に野球の素質を見抜かれた。母親は既に他界している。主演作は『スチール100円』。 夕子(ゆうこ) メッツの選手である富樫平八郎の幼なじみ。「ウォッス10番」「ガッツ10番」「スラッガー10番」の10番シリーズのマドンナ役。 富樫を想っており、冨樫の父親を看病するため大学に進学せず看護婦になった。冨樫の兄弟達を見守り、10番シリーズの最終作『スラッガー10番』では腱鞘炎を患って二軍落ちした富樫に「腱鞘炎は投手には致命傷であっても、打者にはハンデにならない」とスラッガー転向を決意させる。富樫に「スラッガーとしてやってみる。それでだめなら魚屋の嫁だ」とプロポーズされ結婚。 なお、彼女の登場する作品は里中満智子との共作であり、夕子の作画も里中満智子が行っている。 当馬可奈子(とうま かなこ) 鉄五郎の初恋の相手。かつては土地の権力者として知らぬものはない当馬代議士の娘であり、かなりの美人にして大富豪の家柄であった。 道の真ん中を歩いていた鉄五郎に対し車から降りてきて「危ないじゃないの、脇によりなさい」と主張、睨みつけて言うことを聞かせてしまうほど気も強い。 その後、鉄五郎が準完全試合を達成した試合後に、スタンドから黄色いバラ(現代でも黄色いバラは通常のバラに比べて高額であり、もっと高価であったろう昭和13年当時でそれを贈れることから、当馬家の財力が相当なものであることを示している)を投げ入れ贈ったことが馴れ初めとなり、二人の交際が始まる。交際が始まってからは鉄五郎のことをさん付けで呼んでベタ惚れとなり、気の強い面はなりを潜めていた。黄色いバラを好んで身につけ、鉄五郎に「黄色いバラの花言葉は、貴方が好き、よ」と説明していることから、ロマンチストな乙女心も多分に持っていたことが伺える。 おおっぴらな男女交際は不良扱いされた時代でも二人の態度は堂々としていた。しかし、当馬の父親は身分違いだとして付き合うのを辞めるように指示、華族の息子とのお見合いをするように厳命する。だが当人の意思は固く、鉄五郎以外の男性の嫁に行くことは頑として拒否していた。 話し合いの末、甲子園に行く汽車に鉄五郎と一緒に乗ってかけおちするつもりだったが、一足遅れで間に合わず、フラれたと勘違いしてしまった。それからは仕事一筋に生き、親が結婚を勧めても断り続けた。その傍ら、プロになってからの鉄五郎の足跡を追い続け、新聞記事のスクラップブックを何よりも大事にして肌身離さず持ち歩いていたという。鉄五郎が結婚したという話を聞いたときは、ショックで泣き続け、一週間も食べ物がのどを通らなかったほどだった。 そしていくつもの大企業の社長・会長となった晩年、久しぶりに鉄五郎と再会したが、とうとう自分の本心も、現在の境遇も告白せず、一生独身のまま他界した。鉄五郎が可奈子の本当の胸の内・事情を知ったのは、亡くなったのちに彼女の妹の娘(姪)が真実を語ってからである。鉄五郎は己の勘違いと、生前の自分の態度(当人のいないところで嫌味を言ったり、姪の「(可奈子おばあさまが危篤で)お会いしたがっているので病室に来てください」という願いを聴かず、適当な理由で断ったりしていた)を大変悔やみ、葬儀の際にトラック一杯の黄色いバラを贈り、餞の花道を作って詫びた。 主演作は『鉄五郎のバラード』。 藤子(ふじこ) 苗字不明。七歳。母親は既に他界している。大の国立ファンで、ホームランの数を数えている。野球場で見に行くのが夢で、七五三の代わりに国分寺球場に行き、国立に握手とサインボールをもらった。主演作は『白球七五三』。 平源造(たいら げんぞう) 詐欺師で、いろんな工夫をしタダ食いなどばかりしていた。ある日、草野球をしていた浦島を見つけ、金目当てでスカウトしテストさせたが、浦島は実力を認められ、メッツに入団した。その後、大甲子園に記者として再登場している。主演作は『ペテンヒット』。 犬神(いぬがみ) プロ野球連盟総裁。『野球狂の詩』世界での野球機構最高権力者。水原入団の最大の壁であったが、阪神とのオープン戦での水原の力投を目にして、野球協約に追加事項を加え入団を認めた。『ドカベン』の犬神了と同じく眼帯。 ライバルという訳ではないが『野球狂の詩』では、『あぶさん』こと景浦安武や『男どアホウ甲子園』の藤村甲子園がゲスト出演している(あぶさんはメッツとのオープン戦で代打3ランを打ったという新聞記事で、甲子園は『どしゃぶり逆転打』の時阪神ベンチにその姿が確認できる)。また岩鬼ら『ドカベン』の登場人物がしばしばスタンドにいるのも確認できる(『ドカベン』作中では岩鬼はメッツと鉄五郎のファンという描写がある)。
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