外部の要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 08:28 UTC 版)
経路上の各通信回線の品質、遅延や輻輳(混雑度合い) 品質が悪い(ロス率が高い)ネットワークでは再送によりスループットが低下する。 遅延が大きいと後述の帯域遅延積により、TCP最大スループットが制限される。 経路上にある各機器(ルーター等)の性能、輻輳 ルーターの遅延が大きかったりパケット損失率が高いとスループットが低下する。 TCPによる帯域遅延積の影響 TCPはスライディングウィンドウによるフロー制御を採用しているため、受信側のウィンドウサイズ(RWIN)、1つのTCPコネクション仮想回線の帯域幅(bps)、2地点間の通信遅延時間(RTT)は次の関係式で表される。帯域幅 ≦ 定数×(RTT÷RWIN) そのため、RTTの大きい仮想回線上では、RWINを十分大きくしないと帯域幅の上限が制限されうる。なおRTTについては、インターネットの場合は経由する全伝送路の物理的距離(光速に比例する)だけでなく、ホップ数(通信経路上で経由するルーター数)によっても大きな影響を受ける。 今日のFTTH等による高速インターネットサービスでは、幾ら回線容量が大きくなっても、1TCPコネクションのスループットは頭打ちになりやすい。それは、多くの端末の実装で、RTTに対する効率的なRWINの調整が難しいためである。 経路の変動 インターネットの場合、通信経路は常に一定と言うわけではなく変動した場合は遅延も変化する。 サーバーや計測側コンピューターの設置場所 特にインターネットの場合は、それぞれの2地点の場所によって、経路や遅延なども自明的に変化する。例えば日本国内からスピードテストのサイトに接続する場合、関東地方にあるサーバーと北米のサーバーとでは後者の方が測定結果は大幅に小さい結果になる(前述の帯域遅延積による)。 サーバーや計測側コンピューター要因での遅延 サーバーの場合はスピードテスト要求が過度に集中した場合、サーバー近傍の通信回線の輻輳やサーバー自体の過負荷によりスループットは低下する。 また測定結果を表示するコンピューター側でも、オペレーティング・システムや、セキュリティソフトを含むさまざまなソフトウェアの負荷、NIC、ネットワーク・デバイスドライバの性能によりスループットが低下する。(次項移行も参照のこと)
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