『野球狂の詩』
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旧制中学時代の学生野球で活躍、人気・実力ともに大変なもので、試合で登板すれば準完全試合は当たり前、ヒットを一本打たれたらそれがニュースになるほどの名投手だった。太平洋戦争への従軍後、「東京倶楽部」(のちの東京メッツ)に入団。年間最高勝利数は15勝。長くエースとしてメッツに貢献し、親会社のメッツ食品から重役の地位を約束されても現役にこだわり続け、学生野球時代のライバルであり、プロでバッテリーも組んだ五利監督の初優勝に現役のまま立ち会った。 選手兼助監督かヘッドコーチのような役割で、ドラフトで五利と同席してくじをひいたりしている。TO砲や水原勇気の指名も岩田の判断によるところが大きい。国立玉一郎や立花薫、日下部了の入団に際しては、岩田が親族または本人と時に直接、あるいは電話で話し合っている。日下部了が入団したときなど、練習でメッツのメンバーがランニングやウサギ跳びをしているが、鉄五郎は現役選手のはずが監督やコーチ用の上着を来て指導をしていた。53歳の時のエピソード「ズタズタ18番」では引退を飾るべく控えピッチャー全員をベンチから外し9回完投するが53失点、投球数688という記録を樹立(試合後、引退を撤回)。 その後もコーチや監督も兼任しながら現役を続け、別の水島作品『ストッパー』では主人公・三原心平の最大の強敵(?)として描かれた。一時は完全に野球界を離れていたが、72歳にして選手兼任監督として現役復帰。「球聖」の異名を持つ。『モーニング』の『野球狂の詩VSドカベン』(『週刊少年チャンピオン』では『ドカベンVS野球狂の詩』として同時連載)でも、80歳ながら監督兼投手として登場する。ちなみに、彼が監督に就任する度に、五利はヘッドコーチに降格させられる(監督失格という意味ではなく、鉄五郎を補佐できるのは五利しかいないということ)。 通算成績は『野球狂の詩』「よれよれ18番」開始時点(50歳)で149勝。その後に何勝したかは不明だが、豊福きこうによる『岩田鉄五郎204勝404敗8S 『野球狂の詩』超記録大全』という本が存在している。若い頃は球界一の剛速球を投げていたが、現在はほとんど130km/h前後。また、超遅球と呼ばれるスローボール「ハエ止まり」が得意変化球。フォークボールを投げたのも岩田が日本で最初とされ、杉下茂がフォークの神様と呼ばれているのが気に入らないらしい。 打たれてばかりいるが、野球選手としてはやはり非凡なものを持っており、彼をマッサージするコーチは「しかしやわらかく長持ちする筋肉だ、まだ35歳ぐらいの体で、まさに100万人にひとり(しかいないだろう)」と感心している。連載が進むにつれて、監督としての働きが増えた事もあり、登板機会は減少したものの「球威の緩急による目の錯覚を利用して三振を奪う」、「野手の守備位置を計算した上で打ち損じを狙う」、「わざと大量失点し、相手チームの野手を疲弊させた上で翌日自チームを勝利に導く」等、ただ打たれてばかりとは言えない、未だに高度な投球技術と戦術を持ち合わせる投手として描かれる事も増えた。 『ストッパー』での記述に従うと、「大昔」(1980年代から見ての大昔)に完全試合を達成しているらしいが、プロ野球での記録なのか、公式戦においてなのかどうか、詳細は不明。バッテリーを組んだ五利監督によれば、この時ばかりは別人のように緊張していたという。 子に塁子という娘がおり、その婿がメッツのエース岩田清志。清志と塁子の子が岩田武司で、孫の前では子煩悩なおじいちゃんの姿そのものである。後に武司がガメッツに入団し、のちにメッツで一緒にプレーしている。 なお、実は昔、身分違いながら駆け落ちまで決心した富豪令嬢の恋人がいたが、お互いの心のちょっとしたすれ違いからその愛は実らなかった。後に再会を果たし、その人の死後に真実(生涯鉄五郎だけを思い続け独身を貫いたまま逝った)を知った彼は、気持ちを分かってあげられなかったことを大いに悔やんだ。 アニメ版の声優は西村晃→北山年夫→納谷悟朗。
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『野球狂の詩』
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「激闘プロ野球 水島新司オールスターズVSプロ野球」の記事における「『野球狂の詩』」の解説
「野球狂の詩」を参照 岩田 鉄五郎(いわた てつごろう):18 声 - 納谷悟朗 札幌華生堂メッツの監督兼投手。70歳を過ぎても現役の「球聖」。 水原 勇気(みずはら ゆうき):91 声 - 山崎和佳奈☆ 札幌華生堂メッツコーチ兼投手。プロ野球初の女性選手。左のアンダースローで、「ドリームボール」を駆使する。 火浦 健(ひうら けん):90 王島 大介(おうしま だいすけ):98 声 - 井上真樹夫☆ 阪神タイガース。
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