勢至菩薩とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 宗教 > > 菩薩 > 勢至菩薩の意味・解説 

せいし‐ぼさつ【勢至菩薩】

読み方:せいしぼさつ

《(梵)Mahā-sthāma-prāptaの訳「大勢至菩薩(だいせいしぼさつ)」の略》智慧の光をもってあまねくいっさい照らし無上力を得させるという菩薩阿弥陀三尊の一で、阿弥陀仏の右の脇侍宝冠中に宝瓶(ほうびょう)をのせ、手に蓮華(れんげ)を持つ姿に表す。


勢至菩薩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 04:50 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
この項目に含まれる文字は、オペレーティングシステムブラウザなどの環境により表示が異なります。
勢至菩薩
勢至菩薩像
(ケルン市東洋美術館蔵)
勢至菩薩
梵名 マハースターマプラープタ
別名 大勢至菩薩
大精進菩薩
得大勢菩薩
経典仏説観無量寿経
関連項目 阿弥陀如来観音菩薩
テンプレートを表示

勢至菩薩(せいしぼさつ)、梵名マハースターマプラープタ (महास्थामप्राप्त [mahāsthāmaprāpta])は、仏教における菩薩の一尊。「大勢至菩薩」、「大精進菩薩」、「得大勢菩薩」の別名がある。現在日本では年の守り本尊、十三仏一周忌本尊として知られている。三昧耶形は未敷蓮華(ハスの蕾)。種子(種子字)はサク(सः saḥ)。

概要

阿弥陀三尊の右脇侍。 『観無量寿経』の中には「知恵を持って遍く一切を照らし、三途を離れしめて、無上の力を得せしむ故、大勢至と名づく」とあり、火途・血途・刀途の三途、迷いと戦いの世界の苦しみから知恵を持って救い、その亡者を仏道に引き入れ、正しい行いをさせる菩薩とされる[1]

薬師如来本願功徳経では、八大菩薩[2]の一尊である。

四国八十八箇所霊場十三仏では第53番札所の須賀山圓明寺朱印がもらえる。京都十三仏霊場では第9番札所の大内山仁和寺

像容

日本では、勢至菩薩が単独で信仰の対象となることはきわめてまれで、多くは阿弥陀三尊の脇侍として造像された。観音菩薩が宝冠の前面に化仏を表すのと対照的に、勢至菩薩の場合は水瓶を付けることが多い。来迎形式の阿弥陀三尊では、観音菩薩が蓮台を捧げ持つのに対して、勢至菩薩は合掌する姿で表される。

中世では、長野善光寺如来(善光寺式阿弥陀三尊)の摸刻像が盛んに造られるようになるが、この時は、観音と勢至の二菩薩は、胸前で両手を合せる姿で造形される。

真言

  • おんさんざんざんさくそわか
  • おんさんぜんぜんさくそわか[3]

浄土宗における法然信仰

法然を勢至菩薩の化身とする説が中世からあった[4]法然は幼名を勢至丸といい、「智慧第一の法然坊」といわれ、生前から智慧の化身として考えられていた。法然没後、弟子の親鸞は「大勢至菩薩和讃」を詠み、末尾に「大勢至菩薩は源空上人(法然)の御本地である」と述べている。また親鸞の妻恵信尼が霊夢を見、「光ばかりの御仏」を見たところ、「あれは勢至菩薩で法然のことだ」という声が聞こえたという話が「恵信尼消息」に出ている。京都知恩院には勢至堂が建てられ、本尊として勢至菩薩像が安置されている。これは法然の本地であるという。この像は来迎阿弥陀三尊の脇侍としての勢至菩薩と同様、合掌形に表されている。

中国における勢至菩薩

勢至菩薩は中国においても非常に重視され、日本同様に阿弥陀三尊の脇侍として信仰されている。中国の江蘇省南通には勢至菩薩の道場である狼山があることで有名である。また中華民国時代の高僧で浄土宗の第十三代祖師印光大師は勢至菩薩の生まれ変わりであると人々に信じられている。

関連項目

脚注

  1. ^ 高野山真言宗|厄除秘鍵大師 末代山 妙楽寺|見た目も心も本当に優しい 勢至菩薩
  2. ^ 文殊師利菩薩・観世音菩薩・得大勢至菩薩・無盡意菩薩・宝檀華菩薩・薬王菩薩・薬上菩薩・弥勒菩薩
  3. ^ 正木晃『密教の聖なる呪文』ビイング・ネット・プレス、2019年、p244
  4. ^ 正木、p242

「勢至菩薩」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



勢至菩薩と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「勢至菩薩」の関連用語

1
勢至 デジタル大辞泉
100% |||||

2
大勢至 デジタル大辞泉
100% |||||

3
大勢至菩薩 デジタル大辞泉
100% |||||

4
92% |||||

5
92% |||||

6
92% |||||

7
92% |||||

8
92% |||||

9
92% |||||

10
92% |||||

勢至菩薩のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



勢至菩薩のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの勢至菩薩 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS