党勢の拡大とは? わかりやすく解説

党勢の拡大

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 13:00 UTC 版)

国民社会主義ドイツ労働者党」の記事における「党勢の拡大」の解説

1924年12月20日ヒトラー監獄から釈放され投獄免れた幹部恩赦を受け帰国していた。1925年1月4日にはバイエルン州首相ハインリヒ・ヘルトヒトラー会見が行われ、2月16日には再結成許可された。ヘルトヒトラー恭順姿勢に「この野獣飼いならされた。もう鎖を解いてやっても心配ないだろう」と感じた1925年2月27日に「ビュルガーブロイケラー」においてナチ党結党大会行った大会公開行われ、党関係者の他、一般聴衆加わって参加者はおよそ3000人に及んだという。フロントバンの大半ナチ党合流し再結成後ナチ党合法活動による政権獲得主軸として行うこととなる。しかし2月27日行われた再結成集会には四千人が集まるなど影響力は強いことが明らかとなり、州政府から一年間演説禁止措置受けた1925年3月29日大統領選挙第一次選挙にはルーデンドルフ出馬しナチ党も彼を支持したが、得票率1パーセント泡沫候補終わりルーデンドルフ政治生命失った4月中旬レームヒトラー会談し再建される突撃隊ナチ党から自立した国防団体国軍補助兵力)にすることを要求したが、ヒトラーはこれを拒否した。この決裂レーム突撃隊司令官もフロントバン司令官辞し政界引退表明したその後軍事顧問として南アフリカ渡っていった。 7月18日にはヒトラーの初の著書我が闘争」が発売された。高い値段設定にもかかわらず1万部を売るなど順調な売り上げであった。すでにヒトラーナチ党ドイツ全体知られ存在であり、バイエルン州以外でも支持広がりつつあった。しかしレンテンマルク導入によるインフレ沈静化と、ドーズ案受け入れによる好景気極右勢力全体への支持減少させていった一方で北部管轄していたシュトラッサー労働者に対して呼びかけることで党員増やし勢力拡大していった。8月21日にはシュトラッサーらが「国民社会主義通信」という独自の新聞発刊行い独自活動始めていた。9月21日再結成された突撃隊下部組織として「親衛隊」が設立された。当初ヒトラーボディーガードであったが、次第党内警察としての立場固めていくことになる。 1926年シュトラッサー当時問題となっていた旧ドイツ帝国諸邦王室財産没収支持し企業国営化進める、領土回復のためのソ連との連携など左派色の強い綱領改定案を呈示した。しかし、富裕層からの政治献金無視できないとなっており、またソ連と組む案はヒトラーにとって受け入れられる案ではなかった。ヒトラー2月14日バンベルク招集されバンベルク会議において、25ヶ条綱領不変綱領とし、「指導者原理」による指導者へ絶対服従認めさせた。シュトラッサー屈服したが、全国組織指導者任じられ、独自の出版社運営認め懐柔行われた。しかしシュトラッサー右腕であったゲッベルスヒトラー懐柔されシュトラッサー勢力縮小した7月3日にはヴァイマール党大会開かれた。この大会でヒトラー・ユーゲントなど各種団体成立、そして突撃隊再結成が行われた。この年暮れには党員5万名に達していたとされるが、フランツ・クサーヴァー・シュヴァルツ党員番号通し番号にして脱退者数をわからなくしたために、実際党員がどの程度であったかはわかっていない。 1927年好景気影響ナチ党活動停滞し資金難党大会集会中止される事もあった。1928年5月20日ナチス党として初めての国政選挙挑んだが、12人の当選に留まった。しかしその後ドイツ経済悪化と、ヴェルサイユ条約賠償金支払い方法としてヤング案合意されるドイツ国民の反発呼び極右極左、特にナチス党支持集めていく事になる。1930年ナチス党伸長恐れたブリューニング内閣政治団体構成員公の場制服着用することを禁じた。これは事実上突撃隊禁止命令であったが、同年9月選挙では107議席獲得し第二党躍進した。政府側からナチ党取り込みを図る動きもあったが、ヒトラー首相就任求めナチ党協力しなかった。この後ナチ党中央党ドイツ国家人民党とともにハルツブルク戦線という連合組みブリューニング内閣への攻撃強めた。 しかし躍進はしても末端突撃隊員には恩恵及ばず1931年3月には東部ベルリン突撃隊指導者ヴァルター・シュテンネス大尉公然と党中央批判し突撃隊親衛隊の間で衝突が起こるようになったヒトラー南米からレーム召還し突撃隊鎮撫に当たらせたが、突撃隊の独自傾向は強まるばかりであった1932年4月には大統領選挙が行われ、ヒトラー大統領候補として出馬した。現大統領パウル・フォン・ヒンデンブルク圧倒的な票を集めて勝利したものの、ヒトラー30%以上の票を集めたブリューニング内閣倒れ大統領の側近であったシュライヒャー中将策謀によりパーペン内閣成立した7月選挙ナチ党は全584議席230議席獲得し、ついに第一党座を占めた。パーペンナチス党協力して議会運営行おうとするが、首相の座にこだわるヒトラー拒絶した。しかもヒトラー首相の座に加え全権委任要求した(のちに全権委任法として現実の物となる)。ヒトラー要求ヒンデンブルクパーペンにとって、とうてい呑める要求ではなかった。さらにナチ党提出による内閣不信任案可決され進退窮まったパーペン首相11月再度選挙行った選挙の結果ナチ党34議席失ったが、引き続き第一党座を占め続けたナチス党得票数変化投票年月日得票数得票率当選1928年5月20日 810,000 2.6% 121930年9月14日 6,410,000 18.3% 1071932年7月31日 13,750,000 37.3% 2301932年11月6日 11,740,000 33.1% 1961933年3月5日 17,280,000 43.9% 2881933年11月12日 39,655,288 92.2% 661人 1936年3月29日 44,462,458 98.8% 7411938年4月10日 44,451,092 99.5% 813ドイツ国選挙当選者数(1920 - 1938) 国会政党 1920年6月6日 1924年5月4日 1924年12月7日 1928年5月20日 1930年9月14日 1932年7月31日 1932年11月6日 1933年3月5日 1933年11月12日 1936年3月29日 1938年4月10日 共産党 (KPD) 4 62 45 54 77 89 100 81 (*2) 禁止(*4) - - ドイツ社会民主党 (SPD) 102 100 131 153 143 133 121 120 禁止(*4) - - カトリック中央党 (*1) 65 81 88 78 87 97 90 93 解散(*4) - - ドイツ国家人民党 (DNVP) 71 95 103 73 41 37 52 52(*3) 解散(*4) - - 国民社会主義ドイツ労働者党 (NSDAP) - - - 12 107 230 196 288(*3) 661 741 813 その他の政党 98 92 73 121 122 22 35 23 - (*4) - - (*1) 保守的なカトリック政党であるバイエルン人民党 (BVP) を含む (*2) 共産党議員全員逮捕逃亡などで登院することが出来ず、彼らの議席無効化された。選挙後3月31日正式に禁止され共産党81議席消滅することとされた。 (*3) ナチ党288議席得票率43.9%)で単独過半数に至らなかったが、国家人民党52議席)との連立で計340議席となり半数超えた。更に上記 (*2) の81議席計算から除外することで単独過半数となった。 (*4) 共産党3月31日社会民主党6月22日禁止され地下活動および亡命余儀なくされた。国家人民党6月27日中央党7月3日に「自己解散」している。7月14日政党新設禁止法により、ナチ党以外の政党存在禁止された。 出典Political Parties in the Reichstag(英語) Das Deutsche Reich – Reichstagswahlen 1919–1933(ドイツ語) Wahlen in der Weimarer Republikドイツ語) The German Revolution (1918-1919)(ドイツ語

※この「党勢の拡大」の解説は、「国民社会主義ドイツ労働者党」の解説の一部です。
「党勢の拡大」を含む「国民社会主義ドイツ労働者党」の記事については、「国民社会主義ドイツ労働者党」の概要を参照ください。

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