ブリューニング内閣とは? わかりやすく解説

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ブリューニング内閣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 07:37 UTC 版)

大統領内閣」の記事における「ブリューニング内閣」の解説

パウル・フォン・ヒンデンブルク貴族出身軍人議会制民主主義にはもとより懐疑的であり、大連立国会ではなく大統領自身意に適う保守的な政府置き換えることを長らく追求していた。これは権威主義政権志向するシュライヒャーなどの側近と、行き詰まる一方国会運営影響であったミュラー内閣総辞職すると、ヒンデンブルク中央党ハインリヒ・ブリューニング首相に指名した大統領府長官であったオットー・マイスナーによれば、ブリューニングは第一次世界大戦従軍経験があり、ナショナリストとしてドイツ革命反対の立場をたびたび口にしていたことから極右にも受け入れられやすいと言う点でうってつけの人であった。その一方で社会問題対するブリューニングの姿勢は、ヒンデンブルク敵視するSPDにとって都合のよいものであった。 ブリューニング内閣は、国会第一党であったSPDを除く右派から中道の各党から閣僚受け入れて成立した。ブリューニングは国会各種法案上程したが、一方でヒンデンブルクヴァイマル憲法第48条を盾にしてブリューニングを援護する姿勢打ち出していた。 1930年4月3日SPD主導して内閣不信任決議動議提出されたが、ドイツ国家人民党(DNVP)が反対票を投じたことからブリューニング内閣はかろうじて命脈繋いだ。ブリューニングは、1930年7月世界恐慌直撃受けた財政建て直しのため国会人頭税新設を含む財政改革案を提出したが、DNVPの切り崩し失敗して却下されてしまう。これを受けてヒンデンブルクヴァイマル憲法第48条発動して通過させた。歴史家ハインリヒ・アウグスト・ヴィンクラーは、このときをもって議院内閣制から大統領制移行したみなしている。 大統領緊急令をもって通過させた財政改革であったが、SPD共産党ナチ党連携して議会多数勢力反対をもってこれを差し止めてしまった。これを受けてヒンデンブルク国会解散させて選挙打って出たが、これが完全に裏目に出てどうやって多数派となる連立組めない状況陥ったナチ党共産党左右両極大躍進し、ナチ党至って国会第二党となったが、ナチ党共産党ともに他政党との協力拒否したからである。ブリューニングはナチ党指導部政府協力するよう説得試みたが、拒絶された。結局、ブリューニングはSPD支援によってナチ党共産党妨害乗り切ることになったSPD極右躍進大い警戒し、ブリューニング内閣に対する「寛容方針(Tolerierungspolitik)」を打ち出して内閣不信任決議反対する姿勢示したが、その結果ブリューニングがヴァイマル憲法第48条に基づく大統領緊急令を乱発させて政策実現できるようになったこのため国会立法府としての立場大い失墜し1930年には94回の本会議があったものが、1932年には13回し召集されなくなった。 ブリューニングはSPD寛容方針により退陣させられる危険性遠ざかったことを受けて緊縮財政政策推し進めたが、実業界極右政治同盟ハルツブルク戦線からの猛烈な反対に晒された。1932年大統領選挙ではヒンデンブルク再選されたものの、ヒトラー得票率36.8%を叩き出してナチ党大衆広範な支持獲得していることも明らかになった。この傾向続いて行われた各州選挙でもさらに強まった。ブリューニング内閣は、ナチ党準軍事組織である突撃隊親衛隊活動禁止とすることで対抗しようとしたが、ヒンデンブルク顧問最側近クルト・フォン・シュライヒャーナチ党支援得てより権威主義的な政権樹立しよう画策していた。シュライヒャー構想では、ヴァイマル共和国軍ヒトラーナチ党を下に置く支配勢力となるはずであった。ブリューニングによる突撃隊親衛隊禁止は、シュライヒャー計画真っ向から反対するものであったため、シュライヒャーはブリューニングの解任動いた1932年5月29日ヒンデンブルクはブリューニングに辞職要求突き付けたが、その直接的な理由エルベ川より東の領土において、ユンカー管理しきれない土地失業者分配するという政策に関する意見不一致であった

※この「ブリューニング内閣」の解説は、「大統領内閣」の解説の一部です。
「ブリューニング内閣」を含む「大統領内閣」の記事については、「大統領内閣」の概要を参照ください。

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