主なダム事故とは? わかりやすく解説

主なダム事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 17:45 UTC 版)

ダム」の記事における「主なダム事故」の解説

詳細は「ダム事故英語版)」を参照 ダム事故のなかでダムが完全に破壊される決壊事故」(崩壊事故)は多数犠牲者を出す最も重大な事故である。特に大雨によるダム本体からの越流地震による崩壊といった天災に、施工不良管理不良といった人災重なって起こる場合がほとんどを占める。中には戦争による空爆意図的なサボタージュによって事故が起こることもある。 最も危険なのはダム湖試験的に貯水を行う試験湛水たんすい)時であり、この工程中に決壊する例も多い。したがって試験湛水中はダム本体のみならず人造湖接す周囲地盤にも多大な注意を払っている。以下に主な事故挙例する。 日本の事例については日本のダム#日本のダム事故参照のこと サウスフォークダム決壊事故英語版)(フィルダムアメリカ合衆国1889年5月31日。.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯4020分57.45秒 西経7846分32.39秒 / 北緯40.3492917度 西経78.7756639度 / 40.3492917; -78.7756639 (サウスフォークダム決壊事故)) 大雨によりダム堤体貯水越流して決壊下流にあるジョンズタウン壊滅して2,200人が死亡世界ダム史上最悪死亡者数もたらした事故をおこす(ギネスブックにも公式に認定されている)。この水害を「ジョーンズタウン洪水」と呼ぶ。 エーデルダム・メーネダム空爆重力式コンクリートダムドイツ1943年第二次世界大戦時イギリス空軍によるチャスタイズ作戦の折、軍需産業盛んだったルール工業地帯損害与えて工業生産力を低下させ、ナチス・ドイツ致命的な打撃与えるため両ダム空爆し破壊した流域住民1,288人が死亡した戦争によるダム破壊の代表事例終戦後ダム当時西ドイツ政府によって再建され、現在も供用されている。 水豊ダム空爆重力式コンクリートダム北朝鮮1949年朝鮮戦争時アメリカ空軍戦況有利に運ぶために、電力施設への空襲北朝鮮軍および支援する中国軍打撃与えるべく数度渡り空爆を行う。ダムはかつて朝鮮半島統治していた日本建設したものだが、ダム体積大きかったことや強固に建築されていたこともあって破壊させることに失敗するマルパッセダム決壊事故アーチ式コンクリートダムフランス1959年12月本体建設終了後試験湛水開始したがその約16時間後、ダム左岸部の堤体基礎岩盤ごと決壊し500人以上が死亡水圧支えるはずの基礎地盤軟弱であったことから莫大な水圧支えきれずに崩壊したことが判明以後ダム建設において両岸基礎地盤対策重要視された。日本においても黒部ダムのウイングダム化や奈川渡ダム規模縮小など影響与えたバイオントダム地すべり事故アーチ式コンクリートダムイタリア1963年1月本体建設終了後最初試験湛水中に地すべり発生。それを放置し満水にした所豪雨被りダム上流左岸大規模な地すべり発生貯水池に3億立方メートルに及ぶ莫大な土砂流れ込んだ。これにより貯水巨大なとなってダム越え直下流のロンガローネ洪水引き起こし壊滅。2,000人以上が死亡したダム自体決壊しなかったものの放棄され、現在は機能果たしていない管理者であるイタリア電力公社関係者逮捕・起訴され有罪となった。これ以後ダムサイトだけではなく貯水によって水没する周辺山地斜面対策がより重要視された。 板橋・石漫灘ダム決壊事故フィルダム中国1975年8月8日台風3号により河南省一帯記録的な大雨となり、一日降雨量が1,060ミリ世界で最も多い降水量記録した(当時)。豪雨に伴い流域河川増水文化大革命時に建設され板橋ダム総貯水容量:約8億立方メートル)・石漫灘ダム巨大ダム始め大小合わせて62箇所ダム連鎖的決壊した。この事故により流域住民救援活動行っていた中国軍兵士ら1,827人が死亡全体でも推定26,000人が死亡したといわれている。原因はこのダム1957年から1969年まで実施された「大躍進政策」により人海戦術建設され工事全体欠陥だらけであったのに加え洪水吐きなどの放流設備がほとんど設けられていなかったことが挙げられる専門家らが指摘した中国政府黙殺結果的に事故つながった最終的に鄧小平指示によって洪水流下阻害要因となっていた残りダム爆破されることで洪水収束した中国国内ではこの事故を「75.8大洪水」と呼んで自然災害」とし、ダム決壊事実報道が全く禁止され隠蔽された。この事実近年明らかになっている。 ティートンダム決壊事故英語版)(フィルダムアメリカ合衆国1976年6月5日。右写真北緯435436西経1113222秒 / 北緯43.91000度 西経111.53944度 / 43.91000; -111.53944 (ティートンダム)) アメリカ合衆国内務省開拓局が施工していたダム本体建設終了後試験湛水中に漏水発生ブルドーザー補修を行うが漏水拡大してブルドーザーごと陥没し同日午前1157分に決壊した漏水から決壊まで2時間程度であった。約3億1,000トン湖水洪水となって下流襲い住民11人と6,000頭以上の家畜溺死負傷者数千人に上り被災額や補償案件膨大なものとなった原因建設前より指摘されていた基礎地盤透水であり、亀裂の多い溶結凝灰岩でその止水対策が不十分であったためと見られている。これ以降フィルダムにおける基礎地盤掘削以降止水対策強化されるようになった。 このダム決壊事故決壊までの一部始終初め映像収められたほか、メディアによって世界中映像報じられ各国ダム関係者大きな衝撃与えた。この水害は「ティートン洪水」と呼ばれ地元農業団体中心にダム再建求められたが内務省開拓局は再建行わず、現在は左岸堤体のみが残る廃墟となっている。 シャディコルダム決壊事故フィルダムパキスタン2005年2月10日折から大雨貯水池満水位を超え結果ダム本体越流して決壊する。下流住民70人以上が死亡したが、フィルダム施工基本である遮水しゃすい対策不十分だったことが判明し施工不良であることが決壊原因とほぼ断定された。 サヤノシュシェンスカヤダム老朽化事故ロシア2009年8月17日老朽化した送水管破裂し施設水没させ死者74ともされる事故となったオーロビルダム放水路破損フィルダムアメリカ合衆国2017年2月カリフォルニア州にある米国一の高さをもつダム豪雨に伴い放流していたところ放水路陥没、さらに非常用放水路においても浸食認められたため、決壊危機陥ったとして州知事非常事態宣言住民188,000人に避難指示出された。 ナクル近郊私営ダム決壊堤体構造不詳ケニアリフトバレー州2018年5月9日ナクル近郊農地設置されていた私営ダム集中豪雨により決壊死者45人以上。ダムについては灌漑用などに用いられていたが、事故後、最高検構造物としての質について問題があるとして調査乗り出している。

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