中二病とは? わかりやすく解説

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中二病

読み方:ちゅうにびょう
別名:厨二病

「中二病」とは、中学2年生頃の思春期特有の自意識過剰状況揶揄する言葉社会反抗的になる流行の逆をする・邪気眼などの特殊能力信じるなどが特徴的な行動のことを意味する表現
揶揄または自虐の意味込めて用いられるスラング

「中二病」という呼称には、この「病状」が中学2年生の頃に典型的に見られるのである、という含意がある。中学2年生第二次性徴ただ中であり、心身ともに子供から大人へと移行しはじめる時期であり、下級生子供)と上級生大人)を見ながら過ごす時期でもある。大人憧れつつ、子供っぽさ抜けず年相応世間知らずである。

あらため言うまでもないが「中二病」は病名ではない。(ある意味病的」ではあるかもしれないが)。中二病の何たるかを説明する当たって「症状」症例」「予後」「治療」といった医療用語がよく用いられるが、もちろんこれは遊んでいるだけ、もしくは病気症状なぞらえて扱っているだけである。まじめに医学的な見地立って語っているわけではない

中二病の根底には自己顕示欲承認欲求、自らを特別な存在思いこむ自己陶酔、といった要素おおむね共通して見て取れる。これに幻想空想夢想妄想加わり、「光と闇」「神聖邪悪」「選ばれし者凡愚凡俗」「天才暗愚」「支配する側と支配される側」といった世界観加わり個人趣味嗜好相まって具体的な言動として発出される。

中二病は往々にして「己は唯一無二存在」という意識を抱くものであるが、その意識含めて、中二病の行動はとかくありがちというか類型化しやすい。中二病にあちがちな言動は「中二病あるある」「中二病発言」などと呼ばれる

中二病という言葉は、1990年代末に世間的に初め使われ始めたとされる明瞭に今般の意味使われるようになったのは2000年代半ばの「中二病総合スレ」というスレッドスレであろう。同スレ立ち上げた者が「この他の中二病・小六病の症例背伸びグッズ・中二病のヤツ聞く音楽など語っていけww」と記し、「症例」と称して体験談周囲の人物見聞連ねた。なお、当時スレ参考にされた中二病の定義ははてなブログの中二病の解説である。

中二病という言葉は、当初は、もっぱら自虐的な意味で使われていた。次第他人の幼稚さを揶揄する言葉として使われる傾向色濃くなっていった2008年にはライトノベル作家の塞神夜が「中二病取扱説明書」を著し、中二病の〈病状〉を整理したこの頃にはネットスラングの域を超えて「中二病」という言葉広く一般に知られるうになる。そして「中二病」は人を形容する言葉とどまらずキザったらしいファッション意匠創作コンテンツ作風形容する表現として用いられるようになっている

マンガアニメにおける「中二病」的な要素の例としては、たとえばキャラクターデザインに関しては「黒装束身に纏う」「銀髪さらさらストレートロングヘアー」「虹彩の色左右非対称オッドアイ)」「超然とした物腰達観した物言いをする」「難解な言葉概念多用する」といった要素挙げられる

中二病は「厨二病」と表記される場合もあるが、この「厨」の字は「中坊」が転じた厨房」の略であり、すなわちインターネットスラングとしての「中」の異表記である。この「厨房」という表記は、1990年代にはすでにネットスラングとして使われている。昨今では中学生か否か問わず大人に対しても、おおむね幼稚なガキ」くらいの意味合い用いられることがある。「厨」の字そのものがすでに侮蔑的なニュアンスを含む語として用いられている。


中二病の同種の言葉あるいは概念として、「高二病」「小二病」「大二病」、および、「中年病」「45歳病」「小六病」なども見いだせる。いずれも、その年頃特有の傾向として発現しやすく、多くの人が共感でき、ちょっと恥ずかしい、黒歴史的な、あるあるネタである。

高二病」や「小二病」は子供背伸びして格好つける姿、「中年病」や「45歳病」は過去武勇伝語ってちょい悪オヤジ」ぶる姿である。

塞神 夜による「中二病取扱説明書」によると、中二病は自己設定前提として、主に「邪気眼系」「DQN系」「サブカル系」に分類される

邪気眼系非現実的な妄想現実当てはめる行動を取るパターンであり、最も中二病らしいことからその人物を末期患者と呼ぶこともある。難解な言い回し好み、「† 漆黒の駄天使 †」みたいなネーミング好み魔術的な儀式模してみたり、自らに秘められた特殊能力あるかのように振る舞う、というのが典型的な邪気眼系である。邪気眼系ネーミングは、2006年2ちゃんねる過去失態告白してみんなで奇声発するスレ邪気眼という設定持っていた人物の体験談があるため、それに関連してつけられたものである

邪気眼系」の典型例。べつにケガしてるわけでもないのに腕に包帯巻き、その腕を押さえて「っぐわ!……くそ!……また暴れだしやがった……」「奴等がまた近づいて来たみたいだな……」とか独りごち、一体なにをしているのかと問われれば「っふ……邪気眼持たぬ物にはわからんだろう……」とうそぶく

DQN系」は不良行為反社会的な行動を好む傾向の中二病である。「DQN」はそもそも軽率そうで不良じみた行動をする人、非常識な行動をするオラついた人を指す侮蔑こもったインターネットスラングである。DQN系の中二病患者は、「授業サボる」「未成年ながら飲酒喫煙をする」「制服着崩す」といった非行少年くさい行動取ったり、猟奇的殺人事件殺人鬼生物血肉興味を持つというような狂気へ近づいたりする。後者宗教的な要素混ざって邪気眼系のような振る舞い似通うこともある。

サブカル系」は特殊な価値観高尚な趣味持ちたがる傾向といえる洋楽聞き出す英字新聞購読する政治的なことに意見する、というように、社会派エリート気取る意識高い系のような行動とりがちになる。興味対象難解であり、往々にして理解追いつかず、また往々にして自らの意見確立できていないため、聞きかじり意見引用する生半可な態度に陥りやすい。

中二病と「反抗期」の違いは、行動心理状態両面に見いだせる。反抗期は、自己主張暴言暴力現れ過激になったものだが、口うるさい親には反抗する学校の友達や優しい祖母には従順温和といった、人によって異な行動をとる。心理的に反抗心から自分悪いこと自覚していても説教に対して素直に謝れないことが多い。これ対して、中二病は、自己肯定感優先するため基本的に誰にでも同じ言動をとり、「弱いものは駆逐されるの当然だ」という倫理観から外れた思想があれば他者迫害するともいとわない思いがある。しかし心理的に思い込み虚栄張っている場合があるため、大人叱られれば萎縮したり恥じたりして素直に謝る場合もある。とはいえ中二病と反抗期同時期に表れる傾向でもあり、混在している場合多く明確に分離して扱うこともなかなか容易ではない

反抗期年齢重ねるに伴って鳴り潜め、やがて消失する。中二病も大抵は一過性の傾向であり、成長するとともに薄れるが、大人になっても維持され続け場合がある。いい年して中二病的な子供じみた言動多くそういう自己顧みない人は、「慢性中二病」「中二病を拗らせている」などと言われ敬遠されやすい。ただし、趣味嗜好子供っぽかったとしても、大人としての品格十分に備えて振る舞うことができている人は、中二病的と揶揄されることはまずない。

中二病は男性少年)に多い傾向と言い得るが、女性少女)も思春期に中二病を患うことはある。大人になっても精神的に未熟な言動をする女は「中二病女」と呼ばれる場合がある。中二病女はいわゆるメンヘラ」に近づくこともある。メンヘラは、昨今では、他者依存的自己主張激しく自殺願望を口にするような(面倒くさい)人を指す語として用いられている。






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