機動武闘伝Gガンダム 反響と商業的状況

機動武闘伝Gガンダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/19 04:09 UTC 版)

反響と商業的状況

川口克己によると放送直後の評判は散々で、「ガンダムへの侮辱」と憤ったファンもいたという[4]。また「放映スタートから、三カ月間は商売になりませんでした」というほど、放送当初は不振に陥っていた。しかし夏頃から視聴率が好転、主人公ドモン・カッシュの師匠である東方不敗を始めとするサブキャラクターが従来のファンに受け、また一方で課題となっていた小学生を中心とした低年齢層の支持獲得にも成功した[3]。主な支持層は小学生層と20代後半層であった[10]。前半の不振が響き、年間トータル売上では前作と同等程度だったものの[11] SDガンダム市場を活性化させるという相乗効果を生み出し、ガンダム関連商品全体の売上では良好な結果となった。本作の成功により[12]スーパー戦隊シリーズを意識した5大主役ガンダムという基本フォーマットが形成され、本作以降のテレビシリーズの多くにこの手法が使われるようになる。

評価

本作を含むガンダムシリーズのメカニックデザインを担当している大河原邦男や、『機動戦士ガンダム』などのキャラクターデザインを担当した安彦良和は「今川泰宏さんがGガンダムをやってくれたおかげで、富野さんじゃなくてもオリジナルでガンダムができるようになった。新しい監督が来ても新しい視点でファンの方に発信できる存在になった」「あるポイントを超えるとエンドレスになるのかもしれない。そこを超えられない可能性だってあったんだよね。幸運にもGガンダムで乗り越えられた」と、本作のガンダムシリーズにおける存在意義を高く評価している[13]

川口克己は本作が与えたガンプラへの影響として、マスターグレード(MG)の誕生を上げている。本作に子供などの次世代のファンを開拓する役目を与えたことで、長年のガンプラ愛好者向けにMGを生み出すことができたと述べている。また、監督の今川については、彼の物語を作る力のおかげで序盤の不振を挽回し、本作を成功に導けたと評している。さらにガンダムのマンネリ化を防ぐカンフル剤になった本作は、ガンダムの歴史を語る上で欠かせないとも述べている[4]

ガンダムシリーズのファンを公言する歌手の田口淳之介は、2018年にオンラインゲーム『ガンダムヒーローズ』の発表会に登壇した際、小学生当時に初めて見た作品が本作であり、「戦隊ものっぽい決めせりふがバチッとあって、格闘技の要素が新鮮でした」と評したうえ、思い入れのあるキャラクターとしてドモンを挙げている[14]

設定・用語

ガンダムファイト
地球をリングに各コロニー国家がコロニー国家連合の主導権を賭けて「ガンダム」と名付けられた機動兵器(巨大ロボット)で競い合う、ロボット競技による武闘大会。ガンダムファイトを行う各国の選手はガンダムファイターと呼ばれる。世界の覇権をめぐってコロニー国家間の全面戦争が行われるのを防ぐ手段として用いられ、4年ごとに開催される。開催期間は1年間に渡り、11ヶ月の予選期間を戦い抜いたガンダムのみが決勝ラウンドへ参加することができる。優勝国は次回のガンダムファイト開催までの4年間、コロニー国家の主導権を手にすることができる。
未来世紀
作中の記年法で、制定から60年が経過した未来世紀60年が本作の時代設定である。英語表記ではFutureCentury、F.C.といった表記が用いられ、これまでのシリーズで用いられていた宇宙世紀に代わり使用されている。宇宙世紀を舞台としたこれまでの作品とは世界観が大きく異なり、「コロニー<地球」という力関係であったのに対し、本作品では逆に「地球<コロニー」となっている。地球は環境汚染に加え、ガンダムファイトによって生じる周囲の建物の破壊などにより、荒廃した場所が世界中のあちこちに見られる。
未来世紀が制定された60年前に地球を脱出した支配階級により各国がスペースコロニーを建造、国家の中枢もコロニーへ移転しており、第1話に登場したネオイタリアのベルチーノが少年時代を回想するシーンでコロニー打ち上げの様子が描かれている。各国のコロニーは浮遊大陸のような形で宇宙に存在し、それぞれの国の一般的なイメージを誇張したものとして描かれているため、主人公ドモン・カッシュの祖国ネオジャパンは日本列島の形をしているといった具合に、一目でどこの国のコロニーか判別しやすいものとなっている。
モビルファイター
本作品におけるガンダム兵器の総称。搭乗者である各国のガンダムファイターの動作を再現(=トレース)するモビルトレースシステムを搭載しており、ガンダムファイターが「ファイティングスーツ」という特殊なスーツを着用することで機能する。



注釈

  1. ^ 水曜17:00 - 17:30に放送していた。
  2. ^ 金曜16:25 - 17:00に放送していた。
  3. ^ 木曜17:00 - 17:30に放送していた。
  4. ^ テレビ朝日系列で土曜17時から放送されていた勇者シリーズを金曜17時から先行放送していた関係で、当枠は金曜16:25からの先行放送だった。
  5. ^ このうち瀬戸内海放送では、前作終了時に本作の予告がされたにもかかわらず放送されなかった(代替として特撮ドラマ特捜ロボ ジャンパーソン』を再放送)。
  6. ^ 放送当時サービス放送期間中だった愛媛朝日テレビでは、最終回のみが同時ネットで放送された。

出典

  1. ^ CD『機動武闘伝Gガンダム GUNDAM FIGHT-ROUND 3 新香港的武闘戯曲』収録「戦闘男児~鍛えよ 勝つために」「香港観光歌~アジアの楽園」。
  2. ^ http://www.icv2.com/articles/news/1857.html
  3. ^ a b 猪俣謙次『ガンダム神話Z』、 ダイヤモンド社
  4. ^ a b c 川口克己『ガンダム 無限のリアル ◇進化重ねてプラモデル発売30年◇』、日本経済新聞2010年9月15日付。
  5. ^ 猪俣謙次『ガンダム神話Z』、ダイヤモンド社、P.96。
  6. ^ 『河森正治 ビジョンクリエイターの視点』、キネマ旬報社、2013年、145頁。
  7. ^ 『機動戦士ガンダム大全集〈Part2〉―テレビマガジン特別編集』 (講談社刊)
  8. ^ a b 小黒祐一郎「この人に話を聞きたい 第一回 南雅彦」、アニメージュ1998年11月号、徳間書店、85頁。
  9. ^ 『ロマンアルバム 天空のエスカフローネ メモリアルコレクション』、徳間書店、1996年、18頁。
  10. ^ (株)ホビージャパン刊『G GUNDAM GUNDAM FIGHT THE 3D』P176
  11. ^ ダイヤモンド社『ガンダム神話』 猪俣謙次著
  12. ^ 「一般層とヘビーユーザーの相乗効果を生むという、理想的な状態になり、作品でもマーチャンダイジングでも、久々の大成功を収めた」『ガンダム神話Z』(猪俣謙次著 ダイヤモンド社刊)P56より抜粋。他P106-110、P134-135
  13. ^ 『月刊ガンダムエース』2010年8月号ならびに『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』第22巻 p198
  14. ^ 田口淳之介:「ガンダム大好き」 思い入れあるのは「Gガンダムのドモン」 - 毎日新聞
  15. ^ 『UX新潟テレビ21 30年史』(2014年3月、新潟テレビ21発行)p103





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