ドルアーガの塔
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反響
社会的影響
本作は、日本におけるスライムのキャラクター性を大きく認知させた一方、『D&D』などにおける「剣で攻撃できない強敵」というイメージを払拭した。日本国内で「スライムは弱い」という印象を与えた一因を担っていることにより、遠藤は「日本版スライムA級戦犯」を自称している[37]。
雑誌媒体による評価
評価 | ||||||||||||||||||||||||
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項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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GB版 | 3.14 | 3.18 | 3.25 | 3.11 | 3.22 | 3.00 | 18.90 |
PCE版 | 3.68 | 3.30 | 3.65 | 3.60 | 3.37 | 3.02 | 20.62 |
- アーケード版
-
- ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』(1991年)において、『ゲーメスト』読者による全アーケードゲームを対象とした人気投票で第13位を獲得[6]、同誌において編集者の山河悠里は、本作がアーケードゲームにて初めてRPGの要素を取り入れたゲームである事や根強い人気を誇っている事を指摘、面のレイアウトに関しては「その面の難しさに合わせつつうまく敵を配置している」と称賛した[48]。グラフィック面に関しては「エンディングのカイのグラフィックにはがっかりさせられた人も多かった」と指摘しているが、音楽面に関しては当時としてはかなりの高水準であったと指摘し、「60階を踏破したときのエンディングテーマには感動させられた」と絶賛した[48]。
- ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』(1998年)では『名作・秀作・天才的タイトル』と認定された「ザ・ベストゲーム」に選定され、同誌においてライターの石井ぜんじは本作がメジャーな作品であると同時に異色作である事を指摘し、隠しアイテムである宝箱の存在がマニアの挑戦意欲を高め、多くのプレイヤーを虜にした事に触れた上で「悪魔のような魅力を持った作品」と表現した[49]。またファンタジックな世界観やRPGの雰囲気を持つ世界観設定は『ドラゴンクエスト』(1986年)の登場以前にはゲーム界にはほとんど存在していなかった事に触れ、「当時として非常に独創的であった」と革新性に関して肯定的に評価した[49]。その他、本作の最大の魅力は宝箱にまつわる謎解きにあるとした上で、「マニアは情報交換のために各地を飛び回り、交流した」、「情報は口コミで沖縄から北海道まで広がった」と当時の影響力の大きさを示唆した[49]。
- ファミリーコンピュータ版
- ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、主人公のギルが徐々にパワーアップしていく様やゲームの世界観設定から本作が同機種において初のRPGであると指摘しているが、後のRPGとは異なるゲームシステムのため、「どちらかといえば面クリアタイプのアクションゲームと思った方が良いだろう」と本作のジャンルを定義している[14]。ゲーム誌『ユーゲー 2003 No.07』においてゲームライターの上志野雄一郎は、アーケード版が宝箱の出現方法の難易度の高さにより多額のプレイ料金が必要であったことや順番待ちに悩まされたことに触れた上で同機種への移植が朗報であったと述べ、アーケード版とは迷路の構造が異なる点などがあったものの当時のプレイヤーからは絶賛されたと指摘、さらに隠しコマンドによる裏ドルアーガの存在もアーケード版を極めたユーザーに支持され、攻略本の売れ行きも好調となり売り切れ店が続出したと述べ、また音楽に関しても「勇ましくてノリの良いBGM」と肯定的に評価した[47]。
- ゲームボーイ版
- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計21点(満40点)[45]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は別記の通り18.90点(満30点)となっている[15]。また、同雑誌1991年5月24日号特別付録の「ゲームボーイ オールカタログ」では、ファミリーコンピュータ版と比較した上で「システムがかなり変更されている」と紹介されている[15]。
- PCエンジン版
- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では6・4・7・5の合計22点(満40点)[46]、『月刊PCエンジン』では85・90・90・80・80の平均85点(満100点)、『マル勝PCエンジン』では8・8・6・5の合計27点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は別記の通り20.62点(満30点)となっている[16]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で292位(485本中、1993年時点)となっている[16]。同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では本作が他機種において話題となった作品のリメイクである事を指摘した上で、宝箱の出現条件に関して「この条件が何であるかを解き明かすことがゲーム最大の面白みだ」と肯定的に評価した[16]。
注釈
- ^ PlayStation版のVol. 3、PlayStation Portable版のVol. 2、ニンテンドーDS版、Xbox 360版、Nintendo Switch版。
- ^ 全5種のNo.2、生産終了。
- ^ こちらは同シリーズの主人公であるリンクが左利きのため、剣を出した状態では盾が右側を向いている。
- ^ フロア開始時から出現している。
- ^ 金は1フロア255回まで使用可能で事実上無制限。
- ^ 最上位のブックのみを取得した場合でも、下位のブックの全効果が有効になる。
- ^ アイテムにより一時的に体力が高くなっている場合も、本来の上限まで戻される
- ^ 各種攻略書籍による値。プログラムでは10 - 17階の範囲となっている。
- ^ ただし、52階の青い鎧を入手すると、1回だけ耐えられるが体力は最低値になる。
- ^ ただし、前者は27階、後者は46階のネックレスを入手すると、触れてもミスにならなくなる
- ^ ただし、21・39・54階の指環を入手すると、対応するウィスプに触れてもミスにならなくなる。
- ^ フロア開始時は白字で20000から始まり、一旦ゼロになると赤字で60から始まる。
- ^ 59階のZAP条件ではミス扱いにならない。
- ^ 『カイの冒険』のエンディングでは、「ブルークリスタルロッドの力で封印されたスーマール帝国の騎士達が蘇ったもの」とされている。
- ^ 壁を抜けて侵入した瞬間だけは吐かれる場合がある。
- ^ 例外的に『イシターの復活』のROOM77に登場し、Sleepの呪文を使わない限り触れるとミスになる。
- ^ 扉がごく近くにあればミスになる前に次の階へ進めるが、クリアに必須なアイテムを取得できなくなる。
- ^ ただし、ダークグリーンスライムやドルイドゴーストなど、削除されたものもいる。
- ^ ナイト系の敵を倒してエクステンドした際の画面表示など。
- ^ 『ナムコヒストリー VOL.2』収録の本作では、オプションで「OLD」と「NEW」よりバージョンを選択できる。
出典
- ^ a b c d e “ナムコ創立50周年記念企画「アナタとワタシのナムコ伝」” (PDF). バンダイナムコエンターテインメント. 2017年11月5日閲覧。
- ^ バンダイナムコゲームス ナムコミュージアム vol2(PSP版)紹介ページ
- ^ バンダイナムコゲームス ナムコミュージアムDS 紹介ページ
- ^ バンダイナムコゲームス Wii バーチャルコンソール アーケード 紹介ページ
- ^ ナムコプロモーションビデオ ドルアーガの塔より。
- ^ a b c ザ・ベストゲーム 1991, p. 26- 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」より
- ^ MMOドルアーガ お知らせ
- ^ マイウェイ出版『死ぬ前にクリアしたい200の無理ゲー ファミコン&スーファミ』 (ISBN 9784865119855、2018年10月10日発行)、5ページ
- ^ マイコンBASICマガジン編集部、1984年、「CHALLENGE HIGH SCORE!」、『マイコンBASICマガジン』3巻10号(1984年10月号別冊付録「スーパーソフトマガジン」)、電波新聞社 p. 19
- ^ a b c M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、57ページ
- ^ スーパーファミコンソフト『ザ・ブルークリスタルロッド』デモ画面より。
- ^ “遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」”. 2024年3月24日閲覧。
- ^ “■邪神の啓示――設定・そのほか編”. 2024年3月24日閲覧。研究サイト内の2ちゃんねるスレッドまとめ。
- ^ a b 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、120 - 121頁。
- ^ a b c d 「5月24日号特別付録 ファミコンディスクカード ゲームボーイ スーパーファミコン オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第10号、徳間書店、1991年5月24日、145頁。
- ^ a b c d e 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、21頁。
- ^ “ドルアーガの塔がWin用低価格シリーズで復活!”. SOFTBANK GAMES NEWS INDEX. ITmedia (2001年8月29日). 2019年11月9日閲覧。
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- ^ “ついに「ドルアーガの塔」がJ-PHONEに建立!”. SOFTBANK GAMES NEWS INDEX. ITmedia (2002年10月31日). 2019年3月17日閲覧。
- ^ 津田啓夢 (2003年2月21日). “ナムコ、名作「ドルアーガの塔」の504i向けiアプリ配信”. ケータイ Watch. インプレス. 2019年3月17日閲覧。
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- ^ “名作アクションRPGの復刻版『アーケードアーカイブス ドルアーガの塔』が6月2日に発売決定。悪魔にさらわれた恋人を救うため巨大な塔を駆けあがれ”. 電ファミニコゲーマー. Mare (2022年6月1日). 2022年6月4日閲覧。
- ^ 集英社の「ファミコン神拳」単行本では「後に出る装備品の呪いを解く」と公式発表とは別の解釈で掲載されている。
- ^ 『裏ワザ大全集 ドルアーガの塔』二見書房、[要ページ番号]頁。
- ^ 最大HPは400
- ^ 『ナムコミュージアムvol.4超研究』メディアファクトリー、110頁。
- ^ a b “遠藤雅伸「ゲーム技術の黎明期に、中二病全開でつくったら『ゼビウス』ができた」”. cakes. ピースオブケイク (2015年8月6日). 2018年10月9日閲覧。
- ^ “立命館大学、「ドルアーガの塔」のセミナーを実施 遠藤氏が企画初期の流れを披露。ゴンゾ橋本氏はアニメの狙いを語る”. GAME Watch (2008年5月12日). 2017年11月5日閲覧。
- ^ a b 乃木章 (2018年10月8日). “スライムはどうして「最弱キャラ」になったのか? イメージを定着させた“戦犯”が告白【「転スラ」特集】”. アニメ!アニメ!. イード. 2018年10月9日閲覧。
- ^ 遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」 2008年7月4日の記事 2016年8月5日閲覧
- ^ TV番組『ゲームセンターCX』2004年2月10日放送分・遠藤雅伸インタビューより。
- ^ 『新明解ナム語辞典』ソフトバンク出版事業部、15頁。
- ^ a b 『ナムコミュージアムvol. 3 Perfect Guide』ソフトバンク出版事業部、100頁。
- ^ 『オールアバウトナムコ』電波新聞社、[要ページ番号]頁。
- ^ “The Tower of Druaga for Arcade (1984)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年1月21日閲覧。
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- ^ a b “ドルアーガの塔(ゲームボーイ)の関連情報”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年6月13日閲覧。
- ^ a b “ドルアーガの塔(PCエンジン)の関連情報”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年11月22日閲覧。
- ^ a b ユーゲー 2003, p. 35- 上志野雄一郎「アクションRPG部門」より
- ^ a b ザ・ベストゲーム 1991, p. 27- 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」より
- ^ a b c ザ・ベストゲーム2 1998, p. 92- 「ザ・ベストゲーム」より
- ^ a b “女性向け恋愛SLG「ドルアーガの塔 Tower of Defender」,本日配信スタート。モンスターとバトルしながらラブミッションでパートナーとの絆を深めよう”. 4gamer.net 女子部(仮) (2017年12月8日). 2018年10月5日閲覧。
- ^ “TAMAARI SUPER QUEST たまアリスーパークエスト Vol.3”. 2020年6月23日閲覧。
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