2002年11月 - 2003年2月 (登場人物の年齢は全てその当時のもの)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 23:40 UTC 版)
「女王の教室」の記事における「2002年11月 - 2003年2月 (登場人物の年齢は全てその当時のもの)」の解説
阿久津 真矢〈33 - 34〉(2002年 - 2003年当時) 演 - 天海祐希 中泉小学校6年2組の担任。神原小学校での挫折から愛の言葉を受けて教壇に戻り、以前のような笑顔は見せず児童には厳しく接しようと自分の教育方針を改める。2002年11月に真矢の話を聞いた中泉小学校の天童喜一校長との面接の結果、教諭としての採用が決定した。 本編での真矢に比べて意志が揺らぎやすく、信念と覚悟がまだ中途半端な一面があり、英二に隙を突かれる一因となってしまう。また、時折感情的になりやすい傾向もあり、翼が不登校に陥った際は助けようとするあまりに焦って怒鳴りつけてしまったり、翼が入水自殺を図った際は翔の死と重なったためか激しく取り乱したりするなどの様子を見せている。 英二が翼のいじめをクラスメイトに煽っていることに気づいて解決すべく尽力するものの、先述の覚悟の甘さから失敗が重なり、結局翼の自殺未遂を招いてしまう。必死の応急措置の末、どうにか一命は取り止めさせることには成功した。これを機に英二とは本格的に対峙するものの、悪びれる素振りを見せず「どうして人を殺しちゃいけないんですか?」と明け透けに切り返されたことから、体罰を加え激しく殴り合う。翔を思い出しながら、彼に今まで人に課してきた「痛み」を教えるため首を締め上げつつ殺人を犯してはならない理由を諭したが、このことが原因で英二の両親から圧力をかけられる形で職を追われることになってしまう。しかし、英二との殴り合いで負ったけがの治療中に、見舞いにきた天童から謝罪と激励の言葉を受けて教師を続ける意志が芽生え、再教育センターでの研修を決意する。 その後、2003年2月、研修期間中に一時は教師の道を断念し、学習塾の講師を希望しようとしていた。たまたま近くを通りかかった際にあった塾に立ち寄ろうとしたとき、翼と再会し、英二がクラスでの立場をなくしたことに失望して転校しようとしていることを聞かされ、説得の末に思い留まらせたこと で、英二から正式に謝罪され愛用のボールペンを(罰として没収する名目で)譲り受ける。 2005年2月に教職員再教育センターの研修を終えた真矢の噂を聞いた半崎小学校の近藤校長(泉谷しげる)がアパートを訪れ、彼女の過去を知りながらの採用の打診を受け、条件つきで引き受ける。このとき、近藤校長が「今度もし、教師として採用されるとしたら次はどうされるおつもりですか?」と聞いたところ、彼に向かって「鬼になります。そして子どもたちに何と思われようが、私自身が大きな壁となり徹底的に厳しく接します。それをすれば、当然親たちが批判するでしょうが、すべて受けて立つつもりです。その代わり子供たちの家庭環境や友人関係、本人が今何を考えているかまで全て調べます。何か問題を起こしそうな子がいたら寝ないで監視するつもりです」と言い、鬼教師としての道を選んだ。そして、2005年4月、受け持つクラスの生徒の個人情報をすべて集めるなど、着々と教師復帰への準備を進め、ドラマ本編へと繋がる。 服装はグレーのパンツスーツもしくはジャージ、ヘアスタイルはポニーテールだったが、自身の教育方針を理解した天童からの激励や英二の改心の成功などが重なり、徐々に信念を強めていき、それに合わせ服装の色もグレーから徐々に黒へと変わっていった。半崎小学校への赴任が決まった際は髪型をシニヨンに変えて服装も完全に黒で統一し、完全に鬼教師としての道を歩み始めていくことになる。担当するクラスも、「白マヤで1組、灰マヤで2組、黒マヤで3組」とクラスの組も変わっている。 なお真矢が鬼教師に変貌するという設定は、映画「スター・ウォーズ・シリーズ」でアナキン・スカイウォーカーがダース・ベイダーとして生まれ変わることがモチーフとされている。アナキンの息子であるルーク・スカイウォーカーの衣装も、シリーズが進むごとに、白(エピソード4)→灰色(エピソード5)→黒(エピソード6)と変わっていく。 天童 喜一〈51〉 演 - 平泉成 中泉小学校の校長を務める男性教員。本シリーズの登場人物である天童しおりの実父で、真矢の教育方針を理解する数少ない人物である。担任が今までに2人辞めたあとの6年2組の担任として真矢を迎える。彼女を迎えた背景として、この学校はある問題を抱えており、その強い気持ちを持つ彼女に賭けてみようと思い立った。この学校の教師が今年になって2人も辞めており、ひょっとしたら何か大きな問題が起こるのではないかと懸念していた。 教育者として自分の考えや理想・情熱も持っているが、英二のクラスに関しては「特に表立って問題はないが」と評しており英二によるいじめが横行するクラス内の現状を見抜けてはいなかった。 真矢の教師としての信念については当初は困惑した表情をみせつつも、真矢の強い信念を受けて徐々に認めるようになる。結局は英二の両親の圧力に負ける形で彼女の再教育センター送りを阻止できず、真矢が入院先の病院でリハビリを受けていた最中に見舞いに来た際に、「今度ばかりはどうにもできませんでした。宮内君のご両親はもう話も聞いてくれないし、他の保護者や教師たちも全て阿久津先生が悪いと決めつけてしまって。私の力不足です」と真矢の退職を阻止できなかったことを謝罪した上で、「こんなことを言える資格がないのは重々承知なのですが、本校を辞めたとしても教師自体は辞めないでいただきたい。再教育センターに行っても何とか頑張って、現場に戻ってほしい。あなたのような先生が今の子どもたちには必要なんです」と言葉をかけ、彼女が一層教師としての信念を強めるきっかけとなった。その後半崎小学校で娘・しおりの同僚教師として働く真矢と再会している(本編第9話より)。 平野教頭〈50〉 演 - 清水章吾 中泉小学校の教頭で典型的な事なかれ主義の男性教員。非常に弱腰で臆病な性格。面倒なことを極端に嫌っており、自分に対して不利なことになるとすぐに相手に媚びへつらっては事態を丸く収めようとする。このため英二の両親から圧力をかけられた際にはすぐさま卑屈な態度をとってはイエスマン的に動いており、英二との乱闘騒ぎの際には真っ先に真矢を辞めさせようとする。 宮内 典子(みやうち のりこ)〈35〉 演 - 西田尚美 英二の母親。普段は異常なまでに英二をかわいがるが、非常に高慢でヒステリックな性格。息子にとって有利な環境を作るためなら、夫の雅臣とともに学校へ圧力をかけることも厭わないモンスターペアレント。しかしながら、英二に対する異常なまでのかわいがりぶりは成績優秀だった長男の死の反動によるものであり、結果的には英二本人に劣等感を植えつけて学校での一連の問題行為に至らしめている。 しかし、学校での英二の問題行為にまったく気づいておらず、逆に彼が真矢に叱責された際には平手打ちを浴びせた挙句に「もう二度とうちの息子(英二)に近づかないで!」「この子は私の全てなんです。うちの息子に何かあったら殺してやるから」と罵倒した。翼の自殺未遂騒動に至っても息子の問題行為の事実を認めようとしなかったため、英二の転校騒動の際にも、同じ子供を亡くした立場から翔との思い出を踏まえた真矢に諭されるも「人の息子殺そうとしたくせに勝手なこと言わないで」「これ以上邪魔するなら主人に言って二度と教師に戻れないようにしてもらうからね!」などと言い頑なに耳を貸さず、最後まで改心することはなかった。改心した英二に対しても「何してるの!お父様に言いつけるわよ!」と恫喝したが、「勝手にすれば?誰が何と言おうと僕はこの学校を卒業するから」と愛想を尽かされる形で一蹴されて切り離される羽目になった。 宮内 雅臣(みやうち まさおみ)〈40〉 演 - 矢島健一 英二の父親。東大法学部卒のキャリアで都庁に勤めている公務員。エリートゆえか極端な選民思想を抱いており、英二に対しては「お前が一番だ。世の中強い者がすべてだ」と常に言い聞かせている。息子へのえこひいきを押し通すためなら、キャリアとしての立場や権力を笠に着て典子とともに学校へ圧力をかけることも厭わず、問題行為を繰り返す英二を叱責する真矢を疎んじ、自分の権力を行使して黙らせようとし「本来なら即刻辞めていただくつもりだが、校長先生にはいろいろお世話になっているし、私たちとしてもかなり譲歩してきたつもりだ。その代わり、もう二度とうちの息子には近づかないでください。それから、覚えておいてくださいね。あなたが二度と教職に戻れないようにすることなど簡単だってことを」などと豪語している。 その一方で、英二が心臓病で入院した際には心配する素振りを見せなかったどころか「ダメな奴」呼ばわりするなど一方的に蔑むような態度を取っており、このことがのちに英二が学校で問題行為を繰り返す遠因となっている。英二が真矢との取っ組み合いの末にけがをした騒動を受け、教師への情熱を完全になくすべく真矢を退任へ追いやり、教職員再教育センターに送り込むよう教育委員会に圧力をかける。しかし、結果的に真矢をより強靭な信念を持つ鬼教師へと変貌させるきっかけとなり、この目論みは大きく外れることになる。
※この「2002年11月 - 2003年2月 (登場人物の年齢は全てその当時のもの)」の解説は、「女王の教室」の解説の一部です。
「2002年11月 - 2003年2月 (登場人物の年齢は全てその当時のもの)」を含む「女王の教室」の記事については、「女王の教室」の概要を参照ください。
- 2002年11月 - 2003年2月のページへのリンク