着色・表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 11:26 UTC 版)
多くの番組は字幕のバックは灰色(番組や場面によっては黒)で画面に透かす形で文字情報を入れているが、NHKの一部番組(特にドラマやバラエティーなど)やテレビ東京の一部番組、リアルタイム字幕放送ではバックを黒色(画面透かしなし)にするものも増えてきている。NHKのフィギュアスケート中継や水泳選手権中継ではリアルタイム字幕放送でバックを青(画面透かしなし)にしてより明るく見やすいようにしている。なおワンセグ端末では、映像への字幕の乗畳は端末依存となっているため、表示方法は端末によって異なる。 一部の放送局を除き、字幕の文頭には括弧書きで発言者の名前が付与される。基本的に発言者名は初回のみ表示され、以降は画面に発言者が映っている場合に限り省略するパターンが多い(後述の色分けされた発言者を除く)。 一部の出演者や登場人物のセリフには色が付く場合がある(リアルタイム字幕放送及び同様の形式を除く。ただしNHKの番組〈ニュース番組除く〉および一部の民放のスポーツ中継〈一部〉では実施されている)。一例として、司会者や主人公のセリフの色は黄色である事が多い。また主人公に準ずる人物やその他の司会者のセリフの色は、緑色や青色(水色)が使われる事が多い。また赤色(桃色)のものもあるが、使用されるのはごく一部の番組で滅多に使用されない(使用例として、日本テレビでの専用マーク、北海道テレビ放送『おにぎりあたためますか』での女性出演者やフジテレビ系『爆笑レッドカーペット』で超新塾など5人組グループのネタ披露時がある)。 爆発音などの効果音は多くの局では「(爆発音)」などの形で表現されるが、MBS制作のフィクション番組など、在阪局(準キー局)制作番組では「ドカーン!」など、漫画のような擬音表現が字幕として使われることがある。セリフがない場合のBGMは音符「♬〜」で表す場合が多いが、日テレ製作番組などで出演者が直接歌うシーンは、「♪〜」が主に使われている。また、携帯電話・固定電話(電話が鳴るシーンにおいてはマークが点滅で表示する場合もある)・VTR・テレビ・無線・マイク・ラジオなどから出る音声を表示する字幕は専用マークが使われ、基本的には製作放送局が専用で使われているので、当然のように放送局毎に異なっている。さらにナレーションの台詞の字幕には〈〉で囲んであったり、人物の心の声や回想シーンの中での声は《》で囲むことがある。またTBS制作の番組の場合、人が騒がしい時は「(人が騒いでいる)」や風が強い場合は「(風が強く吹いている)」など、効果音を詳細に解説する役割もある。 ただし、地上波で放送した番組を有料BSやCS(アニマックスなど)で放送する際には、チャンネルによっては地上波とは別の字幕素材を使用しており、字幕の表現も変更されている場合がある。また、CSチャンネルによっては効果音の表示がない場合もある。 前述の通り、字幕の文字には台詞の主によって黄色・青色・緑色・赤色の色分けが施される場合が殆どだが、必ずしも全ての番組でそれが適用されているとは限らず、色分け自体が行われない番組も存在する。基本的に黄・青・緑はその番組のレギュラー出演者(登場人物)に使われるが、一部の番組ではその回のゲスト出演者に字幕の着色をなされたりする(日本テレビ系『アナザースカイII』など)。一つの番組において色が付けられるレギュラー出演者は基本的に固定されているが『探偵!ナイトスクープ』(一部のネット局では字幕無しで放送)など、レギュラー出演者の中でコーナー進行役が入れ替わる番組には進行担当に応じて台詞に色を付けるといったものも存在する。この他、ナレーションに色が付けられる番組もある(フジテレビ系『ちびまる子ちゃん』)。特殊な例では『トリビアの泉』など、特定の効果音に対して色が付けられる番組もある。 NHK Eテレ「Eテレキッズ」内の各番組や日本テレビ系『それいけ!アンパンマン』など幼児を主な対象とした番組では、字幕に漢字が用いられず平仮名・片仮名を中心に表現される。ただし「Eテレキッズ」の一部番組では、人物名・コーナー名などの固有名詞や歌詞に漢字が使われる場合、例外的にそれに則した漢字表記をルビ付きで行う場合がある。Eテレ『わしも』、『おじゃる丸』、『忍たま乱太郎』、『かいけつゾロリ』(いずれも一部漢字にはルビ付きの場合あり)、ディズニージュニア放送番組では、小学校低学年で学習する漢字に使用を留めている。 主にドラマやアニメなどにおいて、発言者名の表示や色分け自体が作品の核心に抵触したネタバレにつながる可能性のある場合は、本編で内容が判明するまでは色分けを行わないか発言者名を人物・キャラクター名を用いない不特定の名称に差し替える配慮がなされる場合が多い。 番組のナレーションは各局によって表現がことなる。括弧で囲む種類は日本テレビなどは「<>」、TBSやABCなどは「<>」、フジテレビでは「[]」と表現する。テレビ朝日やNHKなどの局では、番組によって括弧で囲んだり、色つきで表現される事がある。MBSやカンテレでは「(ナレーション)」の表示がされる事がある。 字幕の文字には、縁取り文字と、そうでない文字がある。かならず縁取り文字を使う局(フジテレビ、TBSテレビなど)もあれば、縁取り文字を使わない局(日本テレビなど)、またはリアルタイム字幕放送でのみ縁取り文字を使う局(NHKやテレビ朝日やテレビ東京など)もある。 局によっては、縮小版での提供クレジットが表示中のときには字幕が表示されないため、その間の台詞がわからないことがある。 字幕の表示位置は画面下部中央が基本だが、人物・キャラクターの顔(特に発言者)やメインの被写体(バラエティーなどの番組ではテロップも)が字幕スペースと極力被らないよう状況に応じて位置が変動する。テロップの場合は表示される前の字幕とテロップでの出演者の会話が一緒に表示され、その場合、末尾は「…」となるが、テレビ朝日系列・TBS系列・テレビ東京系列では末尾に下部または上部へ屈折する矢印マークが表示され、テロップの位置に合わせて表示することも可能。また、MBSやカンテレでは表示されるテロップの話者を示す目的で話者名が括弧書きで字幕表示されるときがある。 字幕の文字が長方形で囲われることもある。NHKが多用している(「心の声」、「回想」など)。民放ではめったに見られないが、ごくまれに日本テレビで効果音の表現や状況の解説等に使われることがある。 字幕の文字数は基本的に1行15.5文字であるが、NHKの番組では2018年10月以降制作の番組において1行18.5文字に拡大した。 字幕を表示する行数は、キー局では2行が基本となっている(日本テレビでは3行にまたがることもある)。ローカル局では、3行(場合によっては4行)にまたがることが多い。 テレビ朝日やTBSの長時間にわたる番組では、前半を通常の字幕放送を行い、後半CM明け後リアルタイム字幕放送(またはその逆もあり)を行うケースもある。 字幕に半角文字が使われることもしばしばある。事情は文字種や局によって異なる。数字 - 2桁以上の場合に半角が用いられることが多いが、日本テレビ等、普段は全角文字を使い、スペースに応じて半角を使う局もある。 カタカナ - スペースに応じて半角を使う局が多いが、カタカナ単語の文字数によって半角を使う局もある。例えばNHKの番組では、2017年度制作分までは一部子供向け番組やリアルタイム字幕放送時以外を除き3文字以上のカタカナ単語は半角になっていた。2018年度制作分からは3文字以上のカタカナ単語も全角で表現するようになり、半角カタカナは基本的に字数を詰める場合のみの使用となった。テレビ東京では、リアルタイム字幕放送時を除き2文字以上のカタカナ単語は半角になる。 英字 - スペースに応じて半角を使う局が多いが、テレビ東京では、2文字以上の英単語や文は半角になる(子供向け番組で、英字に振り仮名が振られる場合を除く)。フジテレビでは、4文字以上の英単語や文は半角になる。 字幕の句点(。)については使用する局と省略する局がある。ただし語り・歌詞など、句点と閉じ括弧が連続する場合はどの局も基本的に句点を省略する。読点(、)はリアルタイム字幕放送実施時以外は原則省略とし、台詞・ナレーションが複数ページにまたがる場合は「➡」「→」(右矢印マーク)を付与する場合がある。使用する局NHK 日本テレビ 読売テレビ 中京テレビ 福岡放送 青森放送 テレビ朝日 青森朝日放送 北海道放送 青森テレビ 毎日放送 中国放送 テレビ東京 テレビ北海道 テレビ愛知 テレビせとうち TVQ九州放送 フジテレビ 東海テレビ 関西テレビ テレビ西日本 北海道テレビ放送 札幌テレビ放送 テレビ埼玉 省略する局朝日放送テレビ メ〜テレ TBSテレビ 静岡放送 CBCテレビ RSK山陽放送 テレビ大阪 北海道文化放送
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