着色版とは? わかりやすく解説

着色版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 07:12 UTC 版)

月世界旅行 (映画)」の記事における「着色版」の解説

本作の着色版のプリントは、1993年匿名寄贈者がカタルーニャ映画祭英語版)に200本のサイレント映画コレクション寄贈した際にその中から再発見されるまで、もはや現存しない(失われた映画)と長らくなされていた。この複写ネガから発見された手彩色プリントが、エリザベス・テュイリエの現像所着色されたものかどうか不明だが、使用されているパーフォレーションから1906年以前製作されたものと考えられている。また、宇宙船発射シーン使用されている国旗スペイン国旗模したものになっていることから、おそらくこの着色版はスペインでの公開用に作られたものと推測されている。 1999年カタルーニャ映画祭のアントン・ヒメネスは、フランスの映画会社ロブスター・フィルムズ(フランス語版)のセルジュ・ブロンベルグ(フランス語版)とエリック・ランジュに本作の着色版プリント現存することを伝えた。しかし、それは損傷激しくフィルムが完全に溶解してしまっていると想定された。それでもブロンベルグランジュ再発見されたばかりのセグンド・デ・チョーモン(英語版)のフィルム交換することを申し出てヒメネス提案受け入れたブロンベルグランジュは、修復のために様々な専門機関相談をしたが、フィルムリール部分溶解して硬いになっていたために、どの機関修復不可能と返答した。しかし、2人フィルムフレーム分離する作業行ったところ、溶解して固まっているのはフィルム端部分だけであり、多く部分がまだ損傷していない状態であることを発見した2002年から2005年にかけて様々なデジタル化作業が行われ、1万3375プリント断片保存することができた。2010年にはロブスター・フィルムズ、Groupama Gan Foundation for Cinema、およびTechnicolor Foundation for Cinema Heritageにより、着色版プリントの完全修作業開始された。デジタル化された着色版プリント断片用いたフィルム再現には、メリエス家が所有するモノクロ版プリント利用して欠落したフレーム再作成及び復元試みられ映写速度サイレント映画本来の速度である毎秒14フレーム行われた復元作業ロサンゼルステクニカラー研究所行われ2011年完了した修復費用100万ドルだった。 この修復版は、再発見から18年後、初公開から109年後の2011年5月11日に、第64回カンヌ国際映画祭フランスのバンド・エールによる新しサウンドトラック付きプレミア上映された。翌2012年にはアメリカFlicker Alley社から、Blu-rayDVD2枚組発売され特典としてブロンベルグランジュによる長編ドキュメンタリーメリエスの素晴らしき映画魔術』が収録された。ニューヨーク・タイムズ紙映画批評家A・O・スコットは、「今年、いや、今世紀の映画界ハイライトであることは間違いない」と評した修復版は日本でも2012年8月に『メリエスの素晴らしき映画魔術』と同時に公開され同年11月紀伊國屋書店からBlu-ray発売された。

※この「着色版」の解説は、「月世界旅行 (映画)」の解説の一部です。
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