着色粒と選別機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/10 16:08 UTC 版)
農林水産省は、水稲うるち玄米と水稲もち玄米の品位の等級を定めている。一等米は着色粒が全体の0.1%未満で、かつ、不良部分が全体の15%未満であることが求められる。二等米では着色米0.3%未満かつ不良20%未満、三等米は着色米0.7%未満かつ不良30%未満、それも満たせなければ規格外と分類される。変色部分が0.1mmを超えると着色粒、未満なら被害粒に分類される。 着色粒に対する基準が厳しいのは、見た目の悪さが市場価値を下げるためで、そのまま食べても健康上の問題はない。カメムシ被害は斑点米だけではなく、重度の被害で死米になったり、稲の生育不良を引き起こすこともあるが極稀である。だが現代の農家にとっての被害は、加害されて減収することよりも、わずかな混入で等級が下がることのほうが深刻である。 色彩選別機普及以前の米選機・自動選別計量機は、着色粒を取り除くことができなかった。着色粒はわずかな混入でも白米の中で目立ち、商品価値を低下させた。色彩選別機は、センサーカメラで着色粒を識別し、圧縮空気を使って一粒単位で弾き飛ばすことでこの問題を解決した。当初は高価でもっぱら精米工場に設置されてきたが、しだいに個々の農家にも手が届く価格になってきた。農家が消費者に米を直接販売しようとすると色彩選別機が選択肢に入ってくる。現在流通している米のほとんどは、元の等級にかかわらず、斑点米除去済みのものである。
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