画像データの伝送標準化と回線開放とは? わかりやすく解説

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画像データの伝送標準化と回線開放

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 17:10 UTC 版)

ファクシミリ」の記事における「画像データの伝送標準化と回線開放」の解説

FAX普及急速に進んだのはFAX画像データ伝送全世界標準化電話回線データ通信への開放である。 CCITT(現 ITU-T)において国際的なFAX画像データ伝送方法プロトコル)についての標準化審議された。 最初に1960年昭和35年)に前述コルンベラン小林らが開発した円筒・機械式走査の『写真電送装置標準化が行われた。 円筒直径6670・88mmの3種選定され走査ピッチ円筒軸方向移動幅)は円筒直径協約数(264または352)で除した数値直径66mmで協約264場合走査ピッチは0.25mm)とした。この規定により協約数が同一であれば円筒径が異な送受信機間でも画像乱れの無い通信が可能となる。その他、ドラム回転速度6090120・150rpmの4種)とその誤差同期位相振幅変調周波数変調等について勧告出された。 1970年代までは、ファクシミリ通信というのは高価な装置用い通信手段で、使用するのは報道会社鉄道会社警察組織、軍の組織特定の企業など限られていて、業務用であり、あくまでひとつの組織内部通信のために使われていた(基本的に2つ異な組織の間の通信には使われていなかった)。 G1 平面走査タイプスキャナ新し記録方式開発対応して1968年昭和43年)G1規格電話回線データ圧縮無しA4サイズ原稿6分送信)が勧告された。 G1規格走査線密度は3.85本/mm、電話回線での走査線周波数は180本/分(3本/秒)、振幅変調(AM : Amplitude Modulation)と周波数変調FM : Frequency Modulation)について規定している。スキャナ得られる画像信号アナログで、振幅変調送信する場合は、搬送周波数1,300 - 1,900Hzの範囲内で白を最大振幅、黒を最小振幅定めている。周波数変調送信する場合は、白が搬送周波数-400Hz、黒が搬送周波数+400Hzの範囲内規定され交換回線経由での搬送周波数は1,700Hzと規定されている。 1971年昭和46年)の特定通信回線1972年昭和47年)の公衆通信回線利用した通信の自由化(第1次通信回線開放とともに電話回線データ通信FAX通信広く利用され東方電機(後の松下電送)・NEC東芝東京航空計器日本無線等が競ってFAXのG1適用機を商品化した。 G2 さらに、1976年昭和51年)にA4サイズ原稿を3分で送信するG2規格勧告された。 走査線密度はG1規格と同じ3.85本/mmで、走査線周波数360本/分にし、2倍の速度標準化をしている。 G3 画像信号デジタル化伝送時間短縮するデータ圧縮技術実用化されて、1980年昭和55年)にA4サイズ原稿を1分で送信するG3規格勧告された(数回改訂があり最新版2003年7月)。対象とする用紙はA4・B4・A3・レターサイズ・リーガルサイズで、その短辺幅を考慮して走査幅は215255・303mmの3種規定している。走査送り方向走査線密度(垂直方向)は3.85本/mm(G1・G2踏襲)、オプションとして7.7本/mm・15.4本/mmを規格化している。走査方向平方向)の信号はG1・G2規格ではアナログであるが、G3規格では細かく分割した画素単位8画素/mm)で白と黒の2値にデジタル化される。オプションとしてインチ系の規格もあり、走査送り方向(垂直方向)は100200300400600800・1,200本/1インチ(25.4mm)の7種が、走査方向平方向)は100200300400600・1,200画素/1インチ(25.4mm)の6種が規格化されている。画像データデジタル化にともないデータ圧縮誤り訂正技術FAXメモリー内蔵して種々の機能一斉同報機密保護通信ポーリング受信時刻指定通信、マルチドロップ、メモリー通信等)が開発された。 G3規格ではオプションとして1次元符号化2次元符号化拡張2次元符号化によるデータ圧縮ECMError Correction Mode)などを規定することにより、1分送信実現している。 G3規格登場により、ファクシミリ市場一気活性化その結果日本の電機メーカー通信機メーカー事務機器メーカーなども開発・製造乗り出し、特に、欧米違い漢字といった象形文字文化を持つ日本では図像電送へのさまざまなニーズがあり、ファクシミリ性能上への要求強く、それらの要求にこたえるための技術開発商品開発各社がしのぎを削り、質や機能使い勝手の向上が図られ、そのおかげでファクシミリ同一企業内だけでなく不特定多数との交信にも使われる通信手段情報通信の要(かなめ)として広く普及し日本のメーカーファクシミリ世界市場席巻する情況になったオフィス用途では高スピード高解像度大量送信大量受信対応できるファクシミリ機器採用され家庭用やスモールオフィス用には低価格省スペースファクシミリ機器販売された。このような経緯一般家庭にもFAX機普及進んだ。 G4 1984年昭和59年)にFAXデータ高速デジタル回線送信するための標準化、G4規格勧告された。 G4規格G3規格拡張して回線交換公衆データ網(CSPDN)、パケット交換公衆データ網(PSPDN)、ISDN対応した規格である。 以上の規格制定回線開放と共に量産コストダウン進み官庁新聞社から大企業、さらに中小企業個人へと使用拡大した1981年には日本電信電話公社電電公社)により、通信料金の安いファクシミリ通信網Fネット)が開始された。同時に日本電気日立製作所富士通松下電送東芝分担開発したミニファックスMF-1が電電公社から発売されヒット商品となった1984年にはG3規格摘要改良機MF-2を開発・販売開始した,。 その間現在の主力であるG3ファクス開発され、また1985年電話機始めとする端末設備接続自由化端末自由化)されると、中小企業商店などで急速にファクス普及し始めとともにパーソナルコンピュータなどのFAX内蔵モデム登場する1988年開催されソウルオリンピック目前高解像度のカラーイメージスキャナーが登場し同時に日本主要都市光ファイバー敷設されデジタル通信回線により高解像度電送された写真地方新聞社に送られカラー写真紙面飾った1990年代に入ると、コードレス留守番電話機と結合された形で、一般家庭でも使われるようになったまた、ファクシミリ機能活用しあらかじめ決められコード番号入力することで様々な情報受信することが可能なFAXサービスの提供が主な企業より行われた日本では1990年代半ばまでファクシミリ通信網契約数右肩上がり増えつづけ、たとえば1984年1万8千件ほどだった契約数は、5年後1989年には369千件ほどになり、1994年には678千件ほどに達していた。

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