日本のダム事件・訴訟とは? わかりやすく解説

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日本のダム事件・訴訟

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 03:30 UTC 版)

日本のダム」の記事における「日本のダム事件・訴訟」の解説

庄川流木事件岐阜県 - 富山県庄川小牧ダム1918年大正6年 - 1933年昭和8年)〔小牧ダム#庄川流木争議参照されたい〕庄川水力電気小牧ダム建設することで、木材流送上流伐採した木材河川流して輸送する方法木流しとも)が不可能になることに反発した平野増吉率い飛州木材慣行流木根拠として激しく争った事件行政訴訟堰堤実施設計認可取消請求ほか3件)では流木は一応認められたがダム建設係る認可処分取り消し認められなかった。民事訴訟流木確認並びに妨害排除請求事件)でも慣行流木認められたが、流木基礎とした妨害排除請求としてのダム撤去請求認められず、またダム撤去代替する損害賠償800万円損害賠償請求認められず、たださしあたり損害賠償として20万円損害賠償庄川水力電気命じられただけであった。但し、この20万円損害賠償は、飛州木材流木反覆して妨げられるたびに請求可能とされ、電力会社側にとっては実質的に飛州木材との間に早急に事態解決協議を迫るものであった電力会社直ち控訴した大阪控訴院への控訴直後飛州木材実質的な大株主であった三代目乾新兵衛急逝したため、その長男四代目乾新兵衛・乾新治)に対し大同電力副社長増田次郎通じて飛州木材株式買い取り打診電力会社側は株式買い取り成功し平野増吉飛州木材取締役から解任した。飛州木材には電力会社側の意を汲んだ者たちが送り込まれ、彼らと庄川水力電気昭和電力神岡水電 との間で和解成立した。既に大阪控訴院係属していた控訴取下げられ、失業補償岐阜県管内における代替道路当時は「百万道路」と呼ばれた戦後になってから全通工事実施され国道156号となる)が建設された。実質的な被告ある日電力大同電力徹底抗戦姿勢訴訟8年間(大正15年5月行政訴訟提起から昭和8年8月民事訴訟控訴取下げまで)も長期化させた。日本におけるダム訴訟はしりであり、行政事件訴訟法事情判決制度31条)の創設きっかけとなった訴訟事件でもある。 宮田用水事件岐阜県愛知県木曽川大井ダム1924年大正13年 - 1939年昭和14年福澤桃介率い大同電力大井ダム建設することで、濃尾平野の約17,000ヘクタールに及ぶ農地用水供給する宮田用水木津用水取水困難になることに反発した農民が、江戸時代から続く慣行水利権主張して争った事件大同電力側も河川法許可され発電用水利権を盾に15年抵抗したが、1939年電力側が今渡ダム建設して用水取水量確保することで和解成立した田子倉ダム補償事件福島県只見川田子倉ダム1953年昭和28年電源開発建設する田子倉ダムによって水没する田子倉地区住民が、福島県知事通じ電源開発高額補償要求電源開発がこれに応じたことが報道明るみ出た事件建設省通商産業省反発撤回されたが、これ以降全国各地ダム水没補償交渉多大な影響与えた蜂の巣城紛争大分県 - 熊本県筑後川津江川松原ダム - 下筌ダム1958年昭和33年 - 1972年昭和47年建設省高圧的な態度反発した室原知幸住民が、下筌ダム左岸に砦(蜂の巣城)を構えてダム建設激しく抵抗した日本のダムの歴史最大反対闘争基本的人権財産権を盾に法廷闘争繰り広げ流血事件にまで発展した公共事業基本的人権保護整合性世に問い水源地域対策特別措置法をはじめ以後ダム事業公共事業多大な影響及ぼした二風谷ダム建設差し止め訴訟北海道沙流川二風谷ダム1993年平成5年 - 1997年平成9年アイヌ民族聖地沙流郡平取町二風谷水没することに反発した萱野茂住民が、ダム建設差し止め訴えた訴訟差し止め却下されたがアイヌ民族先住性がこの時認められた。これにより差別的法律といわれた北海道旧土人保護法廃止されアイヌ民族長年にわたる悲願達成された。 徳山ダム建設差し止め訴訟岐阜県揖斐川徳山ダム1998年平成10年 - 2007年平成19年日本最大級多目的ダム徳山ダム巡り水没地の徳山村住民ではなく下流である大垣市市民団体が、ダムの建設中止求めて事業者水資源機構争った訴訟一審控訴審原告敗れ最高裁に上告してダム建設憲法違反訴えたが、上告棄却され敗訴確定した市民団体ダム完成して撤去求め、争う構え崩していない。 黒部川ダム排砂被害訴訟富山県黒部川出し平ダム - 宇奈月ダム2002年平成16年 - )堆砂根本的改善策として1991年平成3年)から開始され出し平ダム排砂により富山湾漁獲高減少2001年平成15年)には宇奈月ダムとの連携排砂開始された。富山湾漁民一部はこれに反発民事調停公害紛争調停行われた不調に終わり2002年事業者関西電力相手訴訟起こす関西電力及びダム管理する国土交通省北陸地方整備局洪水時に限定した排砂行い影響抑制図っているが、現在係争中発電用ダムデータ改ざん事件全国各地2006年平成18年 - 2007年平成19年中国電力土用ダム発覚したダムデータの改ざんは、国土交通省経済産業省その後の調査全国各地水力発電所においても行われていたことが判明東京電力では八汐ダムの不正取水明るみ出て2007年河川法違反塩原発電所運用停止という前代未聞厳し処分下った。この問題はさらに原子力発電所トラブル隠しにまで発展し電力会社信頼失墜させる事態陥った

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