二風谷とは? わかりやすく解説

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にぶたに【二風谷】

読み方:にぶたに

北海道日高振興局北西部、沙流(さる)郡平取(びらとり)町の地名北海道内アイヌ民族人口数の割合がもっとも高い地域とされる二風谷アイヌ文化博物館がある。


二風谷

読み方:ニブタニ(nibutani)

所在 北海道沙流郡平取町

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

〒055-0101  北海道沙流郡平取町二風谷

二風谷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/21 02:41 UTC 版)

日本 > 北海道 > 沙流郡 > 平取町 > 二風谷
二風谷
二風谷
北緯42度38分10秒 東経142度09分34.7秒 / 北緯42.63611度 東経142.159639度 / 42.63611; 142.159639
日本
都道府県  北海道
沙流郡
市町村 平取町
等時帯 UTC+9 (JST)
郵便番号
055-0101
二風谷集落中心部

二風谷(にぶたに)は、北海道日高振興局管内)沙流郡平取町

2010年10月1日現在の人口は395人である[1]郵便番号055-0101。

地理

平取町役場がある平取市街より国道237号沙流川沿いに4 km ほどさかのぼった地点にあたる。

人口の過半数をアイヌが占め、北海道内でアイヌの比率が最も高い地域とされる[2]

萱野茂二風谷アイヌ資料館や、二風谷アイヌ文化博物館があり、アイヌの伝統的な家屋のチセを訪れることが可能である。また、びらとり温泉二風谷ファミリーランドといった娯楽施設、旧マンロー邸(現:北海道大学文学部二風谷研究室、人類学者でもあるニール・ゴードン・マンローが、1933年より1942年まで、医院を開業し居住していた邸宅)が所在する。

河川

  • 沙流川 - 二風谷を縦断している。
  • 看看川 - 沙流川支流「カンカン川」とも。。

地名の由来

松浦武四郎の『左留日誌』にも「ニブタニ」の名称で登場する地名であるが、語義ははっきりしない[3]

一説には下記の松浦『左留日誌』の記述から「ニㇷ゚タイ(nip-ta-i)」(柄を・作った・ところ)からとされている[3]

其名義、昔し此処に細工の上手の土人有りて、木太刀を作って、其柄に金物を三ツ附て奉りしかと云。其事にて号るとかや。 — 松浦武四郎、『左留日誌』

歴史

遺跡

  • カンカン2遺跡1100年ごろより前の遺跡で、縄文時代・続縄文時代・擦文時代の物が出土している
  • ピパウシ遺跡:1500年ごろの遺跡
  • 二風谷遺跡1667年樽前山噴火が起こったころの遺跡
  • チャシ
    • ポロモイチャシ:伝承などはないため、沿革は不明[4][信頼性要検証]。古銭や太刀が出土している[4][信頼性要検証]
    • ユオイチャシ:二風谷24番地に位置する[5][信頼性要検証]

江戸時代

  • 1808年(文化5年)、同年の成立とされる『左留場所大概書』(『東夷窃々夜話』所収)に集落の名称として「ニヒタニ」が見え、戸数は11軒とある[6]
  • 1826年(文政9年)、この頃の成立と推定されている高橋景保の蝦夷図には「ニプタニ」とある[7]
  • 1858年(安政8年)、松浦武四郎が、二風谷を訪れ、「ニプタニ」「ピパウシ」「カンカン」のコタン名および合計116人の住民数を、「左留日誌」に記録する[8]

明治

大正

  • 1920年大正9年)、第一回の国勢調査にて、二風谷村の人口が311人であった[11][信頼性要検証]
  • 1923年(大正12年)10月1日、「二風谷村」が「平取村」および付近の村と合併し、「平取村」の一部となる。

昭和

  • 1930年昭和5年)、ニール・ゴードン・マンローが、二風谷にて、医院を開業する[12]。なお、医院は、1942年まで営業する。
  • 1954年(昭和29年)11月1日、「平取村」が「平取町」となり、二風谷も「平取町字二風谷」となる。
  • 1972年(昭和47年)、二風谷アイヌ資料館が実現する。
  • 1973年(昭和48年)、二風谷ダムが、着工となる。
  • 1987年(昭和62年)、二風谷ダムの、強制収用の手続きが行われる。

平成

  • 1989年平成元年)8月、アイヌモシリ一万年祭が、平取町で開催される。
  • 1993年(平成5年)5月、二風谷ダムの地主の貝澤正萱野茂が、土地収用委員会相手に行政訴訟を起こす。
  • 1994年(平成6年)8月、二風谷の住人の萱野茂が繰上げ当選で参議院議員就任、アイヌ初の国会議員となる。
  • 1997年(平成9年)10月、二風谷ダムが竣工する。
  • 2008年(平成10年)7月1日 - 4日、「先住民族サミット」アイヌモシリ2008が行われるが、二風谷に会場の一つが実現する[13][14]

施設

学校および研究機関

博物館

郵便局

  • 平取二風谷簡易郵便局
    • 二風谷74-6

娯楽施設

宿泊施設

  • びらとり温泉ゆから
  • ゲストハウス二風谷ヤント

温泉

ダム

その他

  • 二風谷ファーム - 競走馬を生産する牧場の他、競走馬の調教施設である二風谷軽種馬育成センターがあり、嘗てはトウカイテイオーやサイレンススズカなどの名馬がここで調教されていた。

交通手段

  • 道南バス『資料館前』『びらとり温泉前』バス停下車。

宿泊

民宿が2軒存在する。[要出典]

また、5月から10月まで、二風谷ファミリーランドで、バンガロー宿泊が可能である。[要出典]

関連人物

出身人物

  • 貝澤正 - 平取町町議会議員をしていたこともある。二風谷ダム建設反対訴訟の共同原告の一人。
  • 萱野茂 - アイヌ人初の国会議員で、1994年8月から1998年7月まで、参議院議員をつとめる。萱野茂二風谷アイヌ資料館を設立する。
  • 山道康子 - 山道アイヌ語教室を運営。「アイヌモシリ一万年祭」実行委の中心人物の一人
  • 貝澤耕一 - 二風谷ダム建設反対訴訟の共同原告の一人。NPO法人チコロナイ理事長。
  • 萱野志朗 - 萱野茂二風谷アイヌ資料館館長を務める。アイヌ民族党の代表。

ゆかりの人物

脚注

  1. ^ 平成22年国勢調査 小地域集計 (総務省統計局)第2表 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等・北海道” (CSV). 政府統計の総合窓口. 2012年6月14日閲覧。
  2. ^ 貝澤耕一. “今こそ先住民の権利保障を”. 一般財団法人アジア太平洋人権情報センター. 2012年6月14日閲覧。
  3. ^ a b 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、364頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  4. ^ a b ポロモイチャシ”. 秋田の中世を歩く. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月22日閲覧。
  5. ^ ユオイチャシ 訪城記”. KUBOの家系城郭研究所. 2022年2月16日閲覧。
  6. ^ 北海道『新北海道史』 第7巻(史料1)、北海道、1969年、542頁。全国書誌番号:73017682 
  7. ^ 高橋景保『蝦夷図』c.1826。NDLJP:1286172 
  8. ^ 萱野志朗「アイヌ語を普及するには」(PDF)『普及啓発セミナー報告集』平成15年度、アイヌ文化振興・研究推進機構、2004年、69-77頁、2012年6月16日閲覧 
  9. ^ 学校施設”. 平取町. 2014年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月16日閲覧。
  10. ^ 市町村変遷:北海道”. イッシーのホームページ. 2009年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月16日閲覧。
  11. ^ 国勢調査北海道 年度別 大正9年”. 大日本銀河会さちかぜ. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月26日閲覧。
  12. ^ マンロー博士と二風谷” (PDF). 平取町立二風谷アイヌ文化博物館. 2015年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月16日閲覧。
  13. ^ 「先住民族サミット」アイヌモシリ2008 二風谷宣言” (PDF). 世界先住民族ネットワークAINU. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月16日閲覧。
  14. ^ 「先住民族サミット」アイヌモシリ2008の開催”. ヒューライツ大阪. 2016年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月16日閲覧。
  15. ^ 旧マンロー邸”. 平取町. 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月16日閲覧。
  16. ^ 全国へき地校リンク・北海道ブロック”. 全国へき地教育研究連盟. 2012年6月14日閲覧。
  17. ^ 平取町立二風谷小学校”. 学校教育情報サイト. 2012年6月14日閲覧。
  18. ^ 萱野茂 ニ風谷アイヌ資料館”. 平取町. 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月16日閲覧。
  19. ^ 二風谷アイヌ文化博物館”. 平取町. 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月16日閲覧。
  20. ^ 沙流川歴史館”. 平取町. 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月16日閲覧。
  21. ^ 平取町アイヌ文化情報センター(二風谷工芸館)”. 平取町. 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月16日閲覧。
  22. ^ 二風谷ファミリーランド”. 平取町. 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月16日閲覧。
  23. ^ a b c 宿泊施設”. 平取町. 2022年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月16日閲覧。

関連項目

外部リンク



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