控訴審関係者
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村山(むらやま) 演 - 大森義夫(78年版)、中村方隆(03年版) 職業 - 洛北大学医学部第二外科教授(肺がん専門、2003年版では近江大学教授) 控訴審に先立ち、関口弁護士が医学的論拠の調査を行った際に訪ねた相手の一人。 同窓の先輩でもある法学部の滝野教授の紹介という事で、当初は好意的に迎える。しかし、要件の核心に触れたところで態度を一変させ、医療責任の過酷追及は萎縮医療を招きかねないとの理由で、また唐木名誉教授以上の意見はないという事もあり、それまでに関口が訪問した相手と同様に応答を拒否した。 学術会議選に際しては対立候補側の参謀になり、財前側の出方次第では裁判でも前言を翻して控訴人側に立つ事を仄めかすが、こちらの描写は映像版では再現されていない。 国平(くにひら) 演 - 小林昭二(78年版)、及川光博(03年版)、山崎育三郎(19年版) 職業 -浪速医師会顧問弁護士、財前五郎の弁護士 2003年版では国平学文(くにひらまなぶ)、2019年版では国平幸一郎(くにひらこういちろう)の名称で登場。 大阪府医師会顧問弁護士。 胃癌の肺転移による癌性肋膜炎により死亡した佐々木商店代表取締役・佐々木庸平の遺族が、財前を訴えた裁判の控訴審で、被告側代理人であった河野正徳が汚職事件を引き受けた関係で、共に代理人を務める。新進気鋭の少壮弁護士で、色々と策を講じるが、財前とはなぜか手が合わない。 前病棟婦長の亀山君子の出廷を妨害すべく、夫の塚口雄吉が勤務する三光精機の工場に圧力をかけるが、これが失敗して逆に原告側の証人として出廷させてしまい、財前の不信と顰蹙を買う。控訴審は最終的に敗訴した。2003年版 控訴審からではなく、第一審から一貫して被告側代理人として裁判を担当。 肺がんの手術を終えた財前の病室へ行き、今後の打ち合わせをするが、財前の死期が近い事を見抜き二度と訪れる事は無かった。 ちなみに同ドラマでは魚がデザインされたネクタイを常に着用している。 2019年版 03年版同様、控訴審ではなく第一審から財前側の弁護士として登場。河野法律事務所の所属に変更されている。関口とはかつて同じ法律事務所にいた間柄であるが、関口からは良く思われていない。 亀山 君子(かめやま きみこ) 演 - 松本典子(78年版)、小鹿みき(90年版)、西田尚美(03年版)、美村里江(19年版) 職業 - 浪速大学医学部第一外科病棟婦長→主婦 浪速大学付属病院第一外科病棟婦長。第一外科・東教授の信任が厚かった。東が退官し、財前五郎が教授に昇格した後、佐々木庸平の件を経て退職する。一般の患者と特診患者をあからさまに区別する財前の姿勢を好ましく思っていなかった。1978年版 在職中に塚口雄吉と結婚。 退職の時期は財前の外遊帰国直後。懐妊して近畿労災病院を受診した際に東佐枝子と再会し、佐々木庸平の裁判の話になり、ふと「総回診の際に受持医の柳原弘が財前から叱責された」と語る。この事で、佐枝子や原告側代理人・関口弁護士の度重なる訪問を受けるも、妊娠中の身であるために医師の不興を買うのを恐れ、かつ雄吉の賛意も得られずに辞退。しかし、被告側代理人の国平弁護士による雄吉への圧力を機に出廷に同意。あえて在廷証人というかたちで出廷し、教授総回診の際の顛末の一切を証言した。 2003年版 原作とは全く異なる人物と社会的地位の設定が行われている。独身で柳原と相思相愛の仲である事がうかがわせる。 今作では退職後、近畿労共病院に看護師として再就職している。 独身のため、国平が圧力をかける人物が彼女に置き換えられている。証人になるつもりはなかったが、裁判の様子を見に行き、財前が柳原への責任転嫁を彼が目の前で否定した事に心を動かされ原告側に協力する事を決心する。そして「カンファレンスの際に癌がある事を財前がわかっていたかどうか」の決定的証拠として佐々木庸平の手術当時の看護師記録を法廷に提出し、裁判の勝敗を決定づけた。 塚口 雄吉(つかぐち ゆうきち) 演 - 山田吾一(78年版)、西川のりお(90年版)、松尾諭(19年版) 職業 - 三光電器勤務、亀山君子の夫 1978年版では亀山雄吉(かめやまゆうきち)の名称で、2019年版では亀山富治(かめやまとみじ)の名称で登場。 亀山君子(旧姓)の夫。三光精機工場に勤務する腕利きの旋盤工で、職人気質。 はじめ、妻・君子に対する東佐枝子や国平の証人出廷依頼を拒絶し、どちらも追い返す。しかし、出廷工作のため工場長を通して圧力をかけようとした国平に激昂し、また国平が自宅に持参した札束を叩き返した。その後、君子の原告側証人を許可した。その後、君子と共に関口の法律事務所を訪れ、佐枝子に失礼な態度を取ってしまった事を深く謝罪する。2019年版 まず自宅に佐枝子と関口弁護士が来て、妻・君子に対する証人としての出廷依頼をするも、身重の妻を心配して2人を追い返す。その後、勤め先の工場に圧力をかけるため訪れた又一と国平の行為に激昂。この出来事は、君子が控訴審で原告側の証人として出廷する決心を与える。 正木 徹(まさき とおる) 演 - 高橋昌也(78年版)、潮哲也(03年版) 職業 - 私立東京K大学医学部胸部外科助教授、佐々木よし江・信平・庸一側鑑定人 私立東京K大学医学部助教授(1978年版では関東医科大学助教授、2003年版では東都大学教授)。胸部外科を専攻、アメリカ留学経験もあり、東貞蔵と親しい。 財前の誤診事件の控訴審において関口弁護士が証人集めに苦労する中、事情を知った東が自身の推薦状で依頼した事により、原告側鑑定人として出廷。本件における胸部検索の重要性について証言すると共に佐々木庸平の胸部エックス線写真を鑑定、わずかな胸水の貯留を発見する。1978年版 原告側鑑定人になる事を知った財前が鵜飼教授に頼み、関東医科大学医学部の教授を通して正木に圧力をかけようとした。その事を正木からの手紙で知った東は激怒し、結局正木は出廷して証言している。なお、関口弁護士を迎えた際には、医療責任追及が萎縮医療につながるとの言説そのものを批判していた。 2003年版 関口弁護士に正木を紹介した東(2003年版では東の後輩という設定)には協力を惜しまないと約束するも、後に一審の鑑定を支持せざるを得ないとして鑑定人を引き受ける事を断る。新設される浪速大学がんセンターに正木の教室の助教授が赴任する事が決まった事を関口から聞かされた東は、財前ががんセンターの人事まで裁判のための取引に使った事に大いに憤った。 竹谷 教造(たけたに きょうぞう) 演 - 下條正巳(78年版) 職業 - 奈良大学医学部胸部外科教授・医学部長、財前五郎側鑑定人 学術会議会員選挙に全国区で立候補。地方区の財前と選挙協力し、その際に関西医科歯科大学が洛北大学と袂を分かち、その系列である舞鶴総合病院が医師不足に陥っているとの情報を鵜飼医学部長に伝え、同大学系列の地方区の1500票と引き換えに内科・外科・産婦人科の医師供出を持ちかけた。だがこの件は浪速大学まで足を運んだ同大学学長と鵜飼との間で既に合意がなされており、それを知るや自身も医師供出を申し出た。全国区で当選を果たした。 また、控訴審では被告側鑑定人として出廷し、このケースでは早期段階で断層撮影をしても胸部陰影を癌の転移巣と診断する事は困難であったと主張。これで法的責任を問われるなら全てのケースで転移を疑ってかからねばならず、そうなると病院の診療機能はたちまちストップし、マヒ状態になってしまうと証言した。 長谷部 一三(はせべ かずみ) 職業 - 北海道大学医学部第二外科教授、佐々木よし江・信平・庸一側鑑定人 癌治療における化学療法を専門とし、外科的療法と化学療法の併用ともいえる「マイトマイシンの大量ワンショット療法」など様々な治療法を考案して実績を挙げる。 財前の誤診事件の控訴審に原告側鑑定人として出廷し、佐々木庸平の癌が化学療法によく反応するタイプの癌である事、肺炎の症状が起こった時点で化学療法を行うべきであったと主張。慎重な態度に終始したが、術後21日目に死亡する事は避け得たと明言した。また、原告代理人の国平弁護士の反対尋問に対しては「執拗に副作用の危険性を持ち出すが、本件に制癌剤を使用したら21日以内に死亡するというデータでも持っているのか?」と逆に質問、狼狽する国平に「他に方法が無いなら、たとえ多少のリスクがあってもやってみるのが医者のモラルである」と鋭く反論した。 依頼を受けた当初は鑑定を断るつもりだったように、慎重で消極的な態度の持ち主で化学療法についても非常に慎重な姿勢を取っているが、それは化学療法に対する世間の熱い期待を知っているからで、心の内には患者に対するヒューマニティが溢れている人物。 映像化作品には登場していない。1978年版 正木徹がその役割の一部を担う格好となった。
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