役作り・姿勢とは? わかりやすく解説

役作り・姿勢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 08:40 UTC 版)

高倉健」の記事における「役作り・姿勢」の解説

余計なテクニック廃し最小限言葉で、演じる人物の心に込み上げるその瞬間心情を表す台詞動き表現する芝居真骨頂としており、基本的に本番は1テイクしか撮らせない。これについて「映画その時によぎる本物心情表現するもの。同じ芝居何度も演じる事は僕にはできない」と述べている。また「普段どんな生活をしているか、どんな人と出会ってきたか、何に感動し何に感謝しているか、そうした役者個人生き方芝居に出ると思っている」としており、肝に銘じているという。「俳優にとって大切なのは、造形人生経験本人生き方生き方が出るんでしょうね。テクニックではないですよね」とも言い切る。 「俳優肉体労働」というのが信条筋力トレーニング・ジョギングを欠かさなかったが、2012年時点ではウォーキングストレッチ日課としており、起床するマウスピース噛み、脳へ刺激与えていた。酒を飲まず煙草1日80本も吸うヘビースモーカーであったが、映画『八甲田山』3年がかりの長期ロケとなったため、完成願掛け正月成田山初詣の際、禁煙して以来30年以上絶っている。都内に居る時には毎日血糖値測定や健康チェック行い朝食ではミューズリーグラノーラなどのシリアルプレーンヨーグルトをかけたもの常食とし、毎日しっかり摂ることで体のリズム整える。体型維持するため、大好きな甘い物も我慢し夕食までほとんど食べない生活を続けており、ウオーキング欠かさず行いウエスト体重何十年も維持し続け細心の注意払ってきた。 常に感性磨きをかけ、「感じやすい心」を保っておくために、読書刀剣美術品鑑賞映画音楽など、常に気に入ったものに触れ機会作り海外旅行へも出かけていく。撮影に際して台本カバー裏表紙には有名、無名に関係なく、気に入った「心を震わせるフレーズ詩歌などを貼りつけたり、忍ばせて持ち歩いている。『あなたへ』の撮影では、相田みつをの詩、会津八一短歌山下達郎の「希望という名の光」の歌詞カードなど と一緒に雑誌掲載されていたという東日本大震災の被災地での1コマ撮影した写真一緒に貼りつけ持ち歩いていた。山本周五郎著作フレーズや、主人公生き方について書かれ木村久邇典の『男としての人生 - 山本周五郎ヒーローたち』 もお気に入りの1冊として持ち歩いている。長期間撮影の中では、ベテラン高倉でも感情コントロール出来ない時があり、そうしたときは持っているこうした物にすがっているという。また台本だけでなく、自宅洗面所などにもこうしたものが貼られており、気持ち盛り上げている。この事について「俳優ってそれほど頼りないものなんですよ」と語っている。 映画網走番外地』ではヒロインラブロマンス無く刑務所脱獄主題映画となって売り上げ見込めないと予算カットされた。添え物映画モノクロ作品にすると社長大川博言われ意見すると「嫌なら主演梅宮辰夫変える」とまで言われてしまう。仕方なくロケ地北海道撮影入ったが、監督石井輝男がなかなかやって来ない。スタッフ様子を見に旅館へ行くと、石井が窓の隙間から入り込んだ粗末な部屋丸くなって寝ていた。高倉は「この映画ヒットさせるためなら…。監督笑顔にするためなら、俺はどんなことでもするぞ」とスタッフ漏らし、『網走番外地シリーズは計18作の大ヒットシリーズとなった。 初の松竹出演となった幸福の黄色いハンカチ』の冒頭で、刑務所から刑期終え出所した直後食堂で、女性店員についでもらったグラス入ったビール深く味わうように飲み干した後、ラーメンカツ丼食べシーンがある。その収録で「いかにもおいしそう飲食するリアリティの高い演技見せ、1テイク山田洋次監督からOK出たあまりにも見事だったので、山田問い尋ねると「この撮影為に2日間何も食べませんでした」と言葉少な語り唖然とさせた。 1983年に『居酒屋兆治』の準備をしていた矢先映画監督黒澤明から「修理くろがねしゅり)」役で『乱』への出演打診されている。「でも僕が『乱』に出ちゃうと、『居酒屋兆治』がいつ撮影できるかわからなくなる。僕がとても悪くて計算高い奴になると追い込まれて、僕は黒澤さんのところへ謝り行きました」と述懐している。黒澤当初から高倉想定してこの役をつくり、自ら高倉宅へ足繁く4回通った。「困ったよ、高倉君。僕の中でくろがね)の役がこんなに膨らんでいるんですよ。僕が降旗康男君(『居酒屋兆治』の監督)のところへ謝り行きます」と口説いたが、高倉は「いや、それをされたら降旗監督が困ると思いますから。二つ天秤にかけたら誰が考えたって、世界黒澤作品を選ぶでしょうが、僕には出来ない本当に申し訳ない。」と丁重に断った黒澤から「あなたは難しい」と言われたが、その後に偶然『乱』のロケ地を通る機会があり、「畜生、やっていればな……」と後悔の念があったと語っている。結局、この役は井川比佐志演じている。 東映離れフリーに転じてから、1つ作品終えるたびにスクリーンから離れマスコミ公の場から距離を置く事を決まり事としている。それは、1つ作品終えるたびに高倉を襲うという、“深い喪失感”に関係しているという。特に『あなたへ』に主演する前には、自身最長となる6年間の空白期間生じた前回主演した日中合作映画単騎、千里を走る。』の後、中国人共演者スタッフたちと別れるときに感じた気持ちと『あなたへ』の出演決めたことについて、「分かんないね……。多分ね、この別れるのに涙が出るとかっていうのは、お芝居ではないところで、泣いているのだと思うんですよね。ああ楽しかったとか、別れたくないとか、もう二度と会えないかもしれないとか。特に中国スタッフは。だから、そういうものを自分お金取っ替えてるっていう職業ってのは、悲しいなあってどっかで思ったのかもしれないね。それを売り物にするものでは、ないんじゃないかなっていう。でもしょうないですよね、同じ人とずっとはやれないんだから。そういう切ない仕事なんですよ。だから、それはそんなに気を入れなければいいんだっていう、そのことわかってるんだけどもやっぱり出会って仕事だ、出会って仕事だって言う。分かってるんだけど、強烈なのを受けると、しばらく。なんとなく、恋愛みたいなものなんじゃないの。多分、恋愛だよね。じゃなきゃ泣きませんよ。お金もらうところじゃないんだもん、映ってないところで泣くんだから。泣くですよ。大の大人(笑)。それが中国強烈だったってことでしょうね。いや、今でも分かりませんよ。じゃあ、なんで今度(『あなたへ』)はやったのって言ったら、こんなに断ってかりいると、またこれ断ったら(降旗監督と、もうできなくなる年齢来てるんじゃないかなと、2人とも。それはもう1本撮っておきたいよなっていうのが、今回の。本音言えばそうかもしれないよ。」と、その心情初め漏らしている。 高岩淡は「(高倉は)東映俳優の中で、自分芝居が下手と信じていた、岡田茂に『高倉一本気だけど、それしかない』と指摘され、それが悔しく芝居なんかどうでもいい必死になってやれば、意志通じるんだ』という信念は、人の何倍も強かった」と証言している。

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役作り・姿勢

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草彅剛」の記事における「役作り・姿勢」の解説

以下の分類それぞれ相互関係にあり、その分類の超えた評価内容記されている。#評価、#身体能力・アクション合わせて参照

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