身体能力・アクション
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戦国時代の猛将・又兵衛役を主演した映画『BALLAD 名もなき恋のうた』では氷点下8 ℃を記録するなどの極寒の山の中、素足にわらじで10 kg程の甲冑をずっと身にまといながらアクションシーンの撮影に臨む日々であった。共演者の矢柴俊博は合戦シーンにロケ最大人数のエキストラが集まった日のことを、草彅がその心遣いで極寒でこごえているエキストラの方々の士気にも配慮して、たびたび声掛けを行い、エキストラの方々とも何度も呼応していたという事柄に触れ「座長[草彅]のあったかい振る舞いがあの傑作シーンを作った」と述べている。又兵衛役は槍の殺陣が主。その決闘シーンの殺陣について「修羅場をくぐった武人の槍さばき」と形容された。監督山崎貴によると、草彅は乗馬や殺陣のシーンを撮り始めるだいぶ前から、忙しいスケジュールの中でも熱心にトレーニングに通っていた。山崎は槍の殺陣について剣よりも難しい、しかも重いと述べており、この殺陣においてリハーサルで草彅が自ら取っていた動きとその作用を語り、細部まで作り出す俳優であることに言及している。また、山崎は「現場で又兵衛さんそのものだった」「あれぞ憑依してたって感じ」と振り返っており、草彅のアクションシーンについて身体能力の高さにも触れ「ただただ驚きましたね」と語っている。 彦一役を主演した映画『任侠ヘルパー』で草彅も監督西谷弘もリアリティを追求したファイトスタイルにすごくこだわっていて、草彅はアクションシーンをすべてガチで行っているゆえ、逃げるヤクザを追う一連で階段を使わずに階下へ飛び降りるシーン(模型が展示されている台に突っ込んだ)など、スタントの域のアクションシーンもすべて、スタントマン無しで草彅本人が取り組んだものである。西谷は草彅について身体能力のすごさにも言及しており、アクションも高く評価している。 映像作品のビンタされるシーンで草彅に遠慮して強く叩くことができない女優から本気のビンタを引き出していたり、また、男性から腹部を殴られるシーンでも本当に当てて強く殴ってくるように草彅自ら導いていたりなどを相手役にも配慮して行っていることがスタッフに明かされ高く評価されており、映画『任侠ヘルパー』でも草彅のボディへの拳や蹴りはすべて本当に入っていて、それにより草彅の身体のあちこちが痣だらけになっていたことを密着した記者が書き記している。 本作でのヤクザ集団との最後のファイトシーンは二日連続で夜から朝終わりの撮影で撮られたもので、真冬の寒空のした、アスファルトの地面の上という厳しい環境で夜通し一方的に蹴られ、殴られ続けていた。そのあと、この撮影で他の出演者たちのシーンが撮られていた中、草彅は一切寝もせず、そばで役そのものに徹して長い間ずっと地面に倒れ続けていた。それを目の当たりにした宇崎竜童は草彅について、すごいなと思った胸のうちを語り、この撮影が終わったあとの草彅の様子をメイクの人から「草彅さんは一切愚痴りません」と聞いたことも明かして裏でもまったく愚痴らない姿にも言及し、「ホンモノ」と口にしている。また、草彅への尊敬の念を述べて、「男の中の男」と形容した。 宮藤官九郎は草彅主演映画で自身が監督・脚本の作品について、草彅のおかげで、やりたかったアクション(宮藤自身では出来ないし説明も出来ないゆえにやれなかった、そんなハードな殺陣)が出来ていったことを語っている。また、「草彅さんって身体能力が高いのはもちろんなんですけど、自分の身体をどう動かすかということに、すごくこだわりがあるというか、めちゃくちゃ器用なんです」と述べており、草彅について、運動神経が素晴らしく良いのはアクションシーンではもちろん、ちょっとした仕草や動きにも現れていて、例えば、精神的ショックで上手く動けなくなっている状態など、宮藤自身が俳優でもあり、そのような動作の難しさを知っているせいか、そういう動きをすんなり体現できてしまう草彅が羨ましくて、「何でもできちゃうんだな〜と現場でため息ばかりついていました」と発言している。
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