就役後の近代化改装
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「ガングート級戦艦」の記事における「就役後の近代化改装」の解説
就役後の1916年から1917年にかけて近接火器の4.7cm機砲4基を撤去し、「ガングート」「ペトロバブロフスク」は「6.5cm(38口径)高角砲」を単装砲架で2基を搭載した。「セバストーポリ」「ポルタワ」は「カネー 7.5cm(50口径)高角砲」を単装砲架で2基、イギリス製の「ヴィッカース 4cm(39口径)ポンポン砲」を単装砲架で1基と異なる武装を搭載したが、これらはロシア革命を経て成立したソビエト連邦時代の1920年代に「1914年型 7.6cm(30口径)高角砲」に更新、単装砲架で1番・4番主砲塔に3基ずつ計6基を搭載した。 このうち「セバストーポリ」のみ1928年10月から1929年5月にかけての改装で艦首形状を波切の良いクリッパー型艦首に改めて全長は184.9mと長くなった。この時に煤煙の逆流を防ぐために艦橋後部の1番煙突を延長し、先端を斜め後部に向けて湾曲させた。1930年に「セバストーポリ」は3番主砲塔上にハインケル式旋回型カタパルトを設置して水上機1機を運用した。 3隻が艦容を一変させるのは1920年代後半から1930年代後半にかけて行われた第二次近代化改装の時であった。まず「マラート(旧ペトロパブロフスク)」が1928年から1931年5月にかけて行われ、続いて「オクチャブルスカヤ・レボルチャ(旧ガングート)」が1931年9月から1934年8月に、最後に「パリジスカヤ・コンムナ(旧セバストーポリ)」が1933年11月から1938年1月に実施された。 改装の外観上の変更点では、「セバストーポリ」での運用実績により、艦首形状は前方に強く傾斜したクリッパー・バウに改めて外洋航行時の凌波性を高めると共に、艦首から1番主砲塔基部まで甲板を一段分かさ上げして軽くシア(傾斜)が付けて凌波性を改善した。この時に錨鎖穴の位置を既存のものを使用したため、奇妙な外見となった。なお、「セバストーポリ」のみ水線下にバルジを追加したために艦幅が5.4m広くなった。 簡素な露天式の艦橋構造は、円柱状のマストを組み込んだ二階建ての半密閉型艦橋に改装された。他国の旧式戦艦の改装でも艦橋構造の大型化はなされたが、本級は甲板上を主砲塔4基に占められていたため、艦橋スペースを増やすには上へ上へと多層化せざるを得ず、日本海軍の超弩級戦艦に用いられたパゴダ・マストの如き形状を呈することになった。頂上部には新開発の測距儀と射撃方位盤が設置された。艦橋の背後の1番煙突は、煤煙の逆流を防ぐために斜め45度後方に延長された。艦橋と湾曲煙突の隙間は無駄にせず見張り所が設けられた。 武装面においては主砲塔が改造されて仰角が40度に引き上げられて遠距離砲戦に対応できるようになり、対空装備として「7.62cm(55口径)高角砲」を防盾を被せた単装砲架で主砲塔天蓋上に3基ずつ計6基配置した。 第1煙突から、後部の2番主砲塔・第2煙突・前向きの3番主砲塔までの武装配置は竣工時と大差ないが、3番主砲塔の後部に設けられた艦載艇置き場を廃止し、その位置に後部マストと後部艦橋を新設した。艦載艇は後部艦橋の左右の舷側甲板上に積まれ、一部は3番主砲塔の上に並べられた。その運用は後部マストを基部とするクレーンが片舷1基ずつ計2基で運用された。この改装で満載排水量は26,000トン台にまで増大した。 艦名基準排水量満載排水量全長全幅吃水ガングートオクチャブルスカヤ・レボルチャ 24234トン 26692トン 184.9m 26.9m 9.5m ペトロパヴロフスクマラート 24,230トン 26,700トン 184.9m 26.9m 9.5m セバストーポリパリジスカヤ・コンムナ 23,016トン ? 184.9m 26.9m 9.5m 第二次世界大戦時の1941年に航空兵装は全て撤去された。独ソ戦初期の1941年9月、ドイツ軍の攻撃により艦首が断裂した「マラート」は10月31日に応急処置が完了した。これにより全長は127mまで短くなり、排水量は約19,500トンとなり、乗員数は350名に減少した。 1944年に「セバストーポリ」はイギリス製の281型レーダーを装備し、その後290型/291型対空レーダーを装備していた。これと前後して「ガングート」も前後のマスト上に281型レーダー、285レーダー、SGレーダーを装備した。
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就役後の近代化改装
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「レナウン級巡洋戦艦」の記事における「就役後の近代化改装」の解説
就役後の1920年代に2番・3番主砲塔上に陸上機を運用するための滑走台が設けられた。魚雷発射管は水中2門であったが53.3cm発射管を片舷4門ずつ計8門に増強して水上配置とした。 第二次世界大戦前にレナウンのみ艦上構造物を新戦艦に準じた近代化改装が行われた。旧態化した容積不足の艦橋は近代的な塔型艦橋へと更新されて容積が増したために測距儀は艦橋上部に、射撃指揮装置は艦橋内に設けられたために三脚式の前部マストは簡略化されて艦橋の後方に移設された。この時に老朽化した機関をアドミラリティ式重油専焼三胴型水管缶8基とパーソンズ式ギヤード・タービン4基4軸推進に更新した際に、追い風時に艦橋に煤煙がかかる不具合が報告されていた2番煙突は後方に移動された。2番煙突の基部には艦載艇や水上機を収められる大型の格納庫が設けられ、その上に片舷1基ずつのトラス構造のクレーン計2基により運用された。中央部に甲板を左右に横切るカタパルトにより水上機は射出された。三脚式の後部マストは撤去され、替わりに後部上部構造物は箱型に拡大され、その上に簡素な単脚式の後部マストが立った。副砲の10.2cm三連装砲は全て撤去され、替わりに新型のMark III 1938年型 11.4cm(45口径)高角砲を連装砲架で艦橋側面から1番煙突側面にかけて片舷3基ずつと後部構造物上に片舷2基ずつの計10基を配置した。近接戦闘用にヴィッカーズ Mark VIII 4cm(39口径)ポンポン砲を8連装砲架で1番・2番煙突の間に片舷1基ずつと後部マストの後方に後向きで1基を配置していたこの改装の結果、吃水が竣工時の9.3を超える9.7mをも超過したため、レナウンの艦長は艦の凌波性が限界に達したと海軍省に報告した。 一方、レパルスは竣工当時と大しては変わらず、1933年~1936年にかけての改装で前部マストの基部にあるフラット部分は拡大されて1番煙突を基部とする巨大な三角形状のものとなり機関区はレナウンと同様に水上機格納庫を組み込んだ構造とした。 第二次世界大戦の開戦時からドイツ通商破壊艦の探索任務のため改装の機会が無く、新たに対空兵装として10.2cm(45口径)高角砲を防盾の付いた連装砲架で1番煙突の片舷に1基ずつの2基と後部マストの左右に片舷1基ずつの計4基を搭載した。1940年10月に後部マストの10.2cm三連装速射砲1基を撤去した場所に4cm8連装ポンポン砲1基を追加した。1941年1月ごろに後部マスト上に273型対水上レーダーを設置するとともに、近接火器としてエリコン2cm連装機銃6基を装備した。
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就役後の近代化改装
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「サン・ジョルジョ級巡洋艦」の記事における「就役後の近代化改装」の解説
戦訓により、遠距離射撃時の観測所を高所に設ける必要が生じたため、1916年に艦橋基部を基部とする単脚式の前部マスト1本が立てられ、元からあった3番煙突前のマストと合わせて2本となった。1918年に7.6cm速射砲8基と4.7cm速射砲全てを撤去し、対空火器として7.6cm高角砲を単装砲架で6基、6.5mm単装機銃2丁を搭載した。 1937年から1938年6月にかけて「サン・ジョルジョ」はラ・スペチア工廠で練習艦として近代化改装が行われ、外観面での違いは老朽化したボイラーを換装した際にボイラー数が減少したために4本煙突のうち艦首側1本と後部マストに近い1本を撤去して2本となった。武装面では7.6cm速射砲10基と7.6cm高角砲6基と6.5mm単装機銃2丁を撤去し、新たに10cm高角砲を連装砲架で1番主砲塔の前に1基、副砲塔の間に片舷1基ずつ、後部見張り所の跡に1基ずつの計4基が搭載され対空火力が強化された。他に近接火器として13.2mm連装機銃を2丁を搭載した。この改装により重量が増加し、基準排水量は9,470トン、満載排水量で11,500トンとなった。その後、1940年にトブルクで対空砲台として使用すべく10cm連装高角砲1基と3.7cm機関砲を6門と2cm連装機銃6基と13.2mm連装機銃5基を追加装備した。 一方、「サン・マルコ」は1931年から無線操縦の標的艦へと改装を受け、武装と装甲が撤去されて軽量化して基準排水量は8,600トンとなった。省力化のためにボイラーを重油専焼缶4基へと換装した。
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