艦艇(護衛艦「むらさめ」型)
【むらさめ】(むらさめ)
- DDA-107 Murasame
海上自衛隊の汎用護衛艦(当初は警備艦)。
昭和30年度から昭和31年度に計画、建造された。
同時期に建造された、あやなみ型護衛艦と似た船体だが、あやなみ型が対潜能力に主眼を置いているのに対し、本艦は対空防御に主眼を置いている。
主砲には、アメリカ海軍のミッドウェイ級航空母艦が搭載していたMk.39 54口径5インチ単装砲を3基、その他にMk.33 3インチ連装速射砲を2基搭載した。
また、ヘッジホッグや短魚雷落射機などの対潜兵装も搭載した。
しかし、あやなみ型に比べ砲塔が増えて重装備になったことから、倉庫の容積が減少している。
就役後は同型艦3隻で第10護衛隊(舞鶴基地)を編成し、北方から侵入するソビエト機に対する対空任務を担っていたが、昭和62年~平成元年の間に全艦とも退役した。
【スペックデータ】
排水量
(基準/満載)1,800t/2,400t 全長 108m 全幅 11m 喫水 3.7m 主缶 石川島式FW-D式2胴水管型缶×2基
三菱コンバスチョン・エンジニアリング式船用2胴水管型缶×2基(むらさめ)主機 蒸気タービン方式 2軸推進
石川島・ゼネラルエレクトリック式衝動型×2基
三菱エッシャーウイス式衝動型×2基(むらさめ)機関出力 30,000hp 最大速力 30kt 乗員 250名 兵装 Mk39 54口径5インチ単装砲×3基
Mk33 50口径3インチ連装速射砲×2基
ヘッジホッグ対潜ロケット発射機×1基
短魚雷落射機×2基(ゆうだち)
3連装324mm短魚雷(対潜魚雷)発射管×1基
爆雷投射機(Y砲)×1基
爆雷投下軌条×2基
【同型艦】
艦番号 艦名 主造船所 起工 進水 就役 除籍 所属 DD-107
→ASU-7006むらさめ
(JDS Murasame)三菱・長崎 1957.12.17 1958.7.31 1959.2.28 1988.3.23 1984.3.30
種別変更
(特務艦)DD-108
→ASU-7007ゆうだち
(JDS Yudachi)石川島重工
東京工場1957.12.16 1958.7.29 1959.3.25 1987.3.24 1984.3.30
種別変更
(特務艦)DD-109
→ASU-7008はるさめ
(JDS Harusame)浦賀船渠 1958.6.17 1959.6.18 1959.12.15 1989.5.31 1985.3.5
種別変更
(特務艦) - DD-101 Murasame
海上自衛隊の汎用護衛艦。
あさぎり型に続く汎用護衛艦として平成初期に建造された艦で、回転式のフェイズドアレイレーダーを1基装備しており、走査能力が向上した。
本級より垂直発射システムを採用しており、艦前部にASROC用Mk41VLS、第一煙突後部にシースパロー用Mk48がそれぞれ16セルずつ装備されている。
また、上部構造物壁面を斜めにするなど、レーダー反射面積を低減する工夫がなされている。
しかし、マストの形状は従来からの鉄骨構造であり、ステルス性という点において万全とは言い難い。
これはこんごう型やたかなみ型にも見られる弱点である(大した問題ではないとする意見もある。詳しくはこんごう型参照)。
艦の後部には飛行甲板とヘリコプター格納庫があり、LSO、ベアトラップなどを備え、1機のSH-60J/K対潜ヘリコプターを運用することができる(最大で2機の収容+1機も可能)。
基準排水量は4,400トン~4,550トン。(建造時期によって異なる)
数の上でも海上自衛隊の主力艦のひとつであるが、すでに建造は終了している。
【スペックデータ】
全長 151m 全幅 17.4m 深さ 10.9m 吃水 5.2m 排水量
(基準/満載)4,550t/6,100t 機関 COGAG方式
LM2500ガスタービン×2基
SM1Cガスタービン×2基 2軸推進機関出力 16,500ps(LM2500)
13,500ps(SM1C)
計60,000ps最大速力 30kt 乗員 165名 兵装 オート・メラーラ社製62口径76mm単装速射砲×1門
高性能20mm機関砲(CIWS)×2門
Mk41 VLS×16セル1基(VLA専用)
Mk48 VLS×16セル1基(RIM-7・ESSM専用)
4連装SSM発射筒×2組(90式艦対艦誘導弾またはRGM-84を装備)
HOS-302 324mm短魚雷(対潜魚雷)3連装発射管×2組艦載機 SH-60J/K哨戒ヘリコプター×1~2機 C4Iシステム MOFシステム(SUPERBIRD B2)
海軍戦術情報システム(OYQ-9戦術情報処理装置+リンク11/14)
OYQ-103 ASWCS
FCS-2-31 FCS×2基レーダー OPS-24 3次元レーダー×1基
OPS-28D対水上レーダー×1基
OPS-20航海レーダー×1基ソナー OQS-5艦首ソナー×1基
OQR-2戦術曳航ソナー×1基電子戦・対抗装備 NOLQ-3統合電子戦装置
Mk36 SRBOC チャフ・フレア発射機
SLQ-25曳航式対魚雷デコイ
【同型艦】
艦番号 艦名 主造船所 起工 進水 竣工 退役 所属 DD-101 むらさめ
(JDS Murasame)IHI
東京第2工場1993.8.18 1994.8.23 1996.3.12 ---- 第1護衛隊群
第1護衛隊
(横須賀基地)DD-102 はるさめ
(JDS harusame)三井造船
玉野事業所1994.8.11 1995.10.16 1997.3.24 ---- 第2護衛隊群
第6護衛隊
(佐世保基地)DD-103 ゆうだち
(JDS Yuudachi)住友重工
追浜造船所
浦賀工場1996.3.18 1997.8.19 1999.3.4 ---- 第3護衛隊群
第7護衛隊
(舞鶴基地)DD-104 きりさめ
(JDS Kirisame)三菱重工業
長崎造船所1996.4.3 1997.8.21 1999.3.18 ---- 第3護衛隊群
第7護衛隊
(舞鶴基地)DD-105 いなづま
(JDS Inazuma)三菱重工業
長崎造船所1997.5.8 1998.9.9 2000.3.15 ---- 第4護衛隊群
第8護衛隊
(呉基地)DD-106 さみだれ
(JDS Samidare)IHI
東京第2工場1997.9.11 1998.9.24 2000.3.21 ---- 第4護衛隊群
第8護衛隊
(呉基地)DD-107 いかづち
(JDS Ikazuchi)日立造船
舞鶴工場1998.2.25 1999.6.24 2001.3.14 ---- 第1護衛隊群
第1護衛隊
(横須賀基地)DD-108 あけぼの
(JDS Akebono)IHI
東京第2工場1999.10.29 2000.9.25 2002.3.19 ---- 第1護衛隊群
第1護衛隊
(横須賀基地)DD-109 ありあけ
(JDS Ariake)三菱重工業
長崎造船所1999.5.18 2000.10.16 2002.3.6 ---- 第3護衛隊群
第7護衛隊
(舞鶴基地)
http://www.jda.go.jp/JMSDF/gallery/ships/dd/murasame/index.html
村雨

村雨(むらさめ)は、強く降ってすぐ止む雨。「群れた雨」の意味であり、群雨、叢雨とも書く。同義・類義の語に、にわか雨、通り雨、驟雨(しゅうう)、白雨(はくう)、繁雨(しばあめ)。
以下、「村雨」「むらさめ」の名を持つ事項を列記する。
日本の古典文学に登場する事項
- 平安時代、須磨に暮らしていたという伝承上の海女の名。 ⇒ 松風・村雨
- 『南総里見八犬伝』に登場する架空の刀の名。 ⇒ 村雨 (架空の刀)
- 村さめ - 上方落語『七度狐』に登場する「銘酒」。村を出る頃に酔いが醒める。ほかに「にわさめ」「じきさめ」がある。
日本刀
- 村雨 (架空の刀) - 上述。血の雨がひとしきり降ることを暗示している。
- 村雨の号を持つ実在の刀 - 津田越前守助広が南蛮鉄から打った両面が倶利伽羅文様の刀。
日本の艦艇
- 村雨
- 大日本帝国海軍に所属した春雨型駆逐艦の二番艦。1903年就役。⇒ 村雨 (春雨型駆逐艦)
- 大日本帝国海軍に所属した白露型一等駆逐艦の三番艦。1937年就役。⇒ 村雨 (白露型駆逐艦)
- むらさめ
- 海上警備隊・海上自衛隊に所属した むらさめ型護衛艦の一番艦。1959年就役。 ⇒ むらさめ (護衛艦・初代)
- 上記の艦を一番艦とする艦級 ⇒ むらさめ型護衛艦 (初代)
- 海上自衛隊に所属する むらさめ型護衛艦の一番艦。1996年就役。 ⇒ むらさめ (護衛艦・2代)
- 上記の艦を一番艦とする艦級 ⇒ むらさめ型護衛艦
日本の地名
- 村雨町
- それ以外
- 村雨ノ滝 - 北海道上川郡上川町字愛山渓にある滝の名。
- 村雨橋 - 神奈川県横浜市神奈川区の入江川に架かる橋の名。1972年のベトナム反戦運動の一つ「戦車闘争」(村雨橋事件・村雨橋闘争とも)の舞台となった。
日本の人名
- 村雨まさを - 作詞家。作品に「買い物ブギ」(笠置シヅ子)など。作曲家服部良一のペンネーム。
- 村雨退二郎 - 時代・歴史小説家。
- 村雨辰剛 - スウェーデンの庭師、タレント。
- 村雨美紀 - アナウンサー
和菓子関連用語
- 餡の一種。米粉もしくはもち粉とこし餡を混ぜ、そぼろにして蒸したもの。村雨餡。
- 和菓子の一種。村雨餡を用いた棹菓子の関西での一般呼称。なかでも大阪府泉州地域の銘菓とされ、時雨とも呼ばれる。鹿児島県や関東で高麗と呼ばれる和菓子に似ている。
その他の名称
現代のフィクションに登場する事項
- 人物
- 村雨兄弟 - 漫画『伊賀の影丸』『鉄人28号』などに登場する兄弟。
- 村雨姉弟(村雨良・村雨しずか) - 特撮『仮面ライダーZX』の登場人物。
- ムラサメ博士 - アニメ『機動戦士Ζガンダム』に名前のみ登場するムラサメ研究所の設立者。
- ゼロ・ムラサメ(プロト・ゼロ) - ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズの登場人物。
- サード・ムラサメ - 『SDクラブ』連載の「モビルスーツコレクション・ノベルス」(『M-MSV』に付属する小説)の登場人物。
- フォウ・ムラサメ - アニメ『機動戦士Ζガンダム』の登場人物。
- 兵器
- 村雨 (架空の刀) - ゲームや漫画に登場する刀剣状のアイテム。
- ムラサメ (ガンダムシリーズ) - アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するモビルスーツ。
- ムラサメライガー - アニメ『ゾイドジェネシス』に登場する発掘ゾイド。
- 宇宙巡洋艦ムラサメ - アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場する宇宙巡洋艦。宇宙戦艦ヤマトシリーズの地球の戦闘艦#村雨型宇宙巡洋艦を参照。
- 施設・団体
- 村雨城 - ゲーム『謎の村雨城』に登場する城。
- ムラサメ研究所 - アニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場する架空の研究機関。前述のシリーズにおける新人類「ニュータイプ」研究の権威であるムラサメ博士(前述)らにより創設。詳細はニュータイプ研究所を参照。
脚注
- ^ 「明治42年2月には「村雨」の商標登録を果たしております」(「村雨本舗 塩五」公式サイトより抜粋)
関連項目
むらさめ
むらさめと同じ種類の言葉
- むらさめのページへのリンク