白酒 (中国酒)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/10 09:14 UTC 版)
型と製品の種類
白酒は、産地によって特別な名前が付けられている。有名な白酒を挙げる。中国では、白酒独特の香り(カプロン酸エチルを主体とするエステル香)の高い酒が好まれており、香りと味の種類によって香型(xiāngxíng、シアーンシーン)という分類がなされる。
- 濃香型
- 五糧液(五粮液)(四川省宜賓市)、剣南春(四川省綿竹市)、瀘州老窖特麴酒(瀘州老窖特曲酒(zh))(四川省瀘州市)、全興大麴(全興大曲)(四川省成都市)、洋河大麴(洋河大曲)(江蘇省泗陽県)、古井貢酒(安徽省亳州市)、孔府家酒(山東省曲阜市)
- 醤香型
- 茅台酒(貴州省仁懐市)、郎酒(四川省瀘州市古藺県)
- 清香型
- 汾酒(山西省汾陽市)
- 米香型
- 桂林三花酒(広西チワン族自治区桂林市)
- 兼香型
- 董酒(貴州省遵義市)、白雲辺(湖北省松滋市)、白沙液(湖南省長沙市)
- 馥郁香型
- 酒鬼酒(湖南省吉首市)
- 鳳香型
- 西鳳酒(陝西省鳳翔県)
八大銘酒の例を挙げる。
- 五糧液(五粮液)、剣南春、洋河大麴(洋河大曲)、瀘州特麴(瀘州特曲)、郎酒、茅台酒、西鳳酒、汾酒
白酒と焼酒
「焼酒」という言葉は唐代の唐詩に出現するが、本草綱目によれば中国の蒸留酒作りは元代から始まったとされており、唐詩の詠まれた四川省に当時蒸留酒が存在したか疑問がある、という議論がある[6]。たとえば、篠田統は唐詩の焼酒とは燗酒のことと解釈した。しかし、南宋の『夢梁録』には「水晶紅白焼酒」という蒸留酒らしき酒が登場するなど、東南アジア経由で蒸留酒の技術が中国に入っていた可能性もあると言われ、結論は出ていない。
今日では、白酒と焼酒はどちらも蒸留酒の一般名称として使われている。
用語の異義
中国語における「白酒」は、上で示した白酒(焼酒)以外に、稀に白ワインや日本の焼酎を指すことがある。
- 中国の西洋料理店などでは、状況によって白ワインを「白酒」と呼ぶことがある。これは赤ワインを意味する中国語「紅酒」(hóngjiǔ、ホーンジウ)の反対語としてである。混同を避けたい場合は「白葡萄酒」という。
- 中国語では通常は日本の焼酎を「清酒」と呼んでいる[要出典]が、ごく稀に「白酒」と呼ぶこともある。[要出典]
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