世界観
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/17 15:18 UTC 版)
哲学的世界観の諸相
ここでは代表的な世界観を適宜分類しながら概観し、その特質を明らかにする。
原理の性格による分類
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唯物論
唯物論とは世界の根本的な原理は何らかの物質的性格を持つとする考え方。
- 弁証法的唯物論
- それまでの唯物論が機械論的であったのとは対照的に弁証法的、そしてヘーゲルらの弁証法が観念論的であったのに対して唯物論的であるのがその特徴。1840年代にマルクスとエンゲルスが提唱、レーニンらが発展。物質的存在を世界の根本原理とし、その優位性を説く考え方。
- 機械論的唯物論
- 形而上学的思考方法をとる非弁証法的な唯物論。弁証法的唯物論に相対する。ラ・メトリーの『人間機械論』が有名。ドルバックなどもこれに含まれる。
観念論(唯心論)
世界の根本的な原理は何らかの精神的性格を持つとする考え方。 唯心論はしばしば観念論と同義とされるが、観念論は狭義においては独我論をさすこともある。
- 狭義の観念論(⇔実念論)
- 外界を一切否定し、純粋な観念そのものを根本原理とする考え方。独我論。バークリー、シュテルナーなどがこの立場に分類される。
- 素朴実在論
- 外界は意識から独立に存在しており、なおかつ感覚知覚を通して意識的に知覚される現象は即ち外界であり、それは実在(現実)の忠実な模写、反映であると見做す立場。
- 現象論 (phenomenalism)
- 物自体の認識を断念し、感覚知覚を通して体験された現象のみで満足するか、あるいは現象の背後(にあるであろう)物自体の存在を否定し、意識に与えられた事象(即ちここでは現象)のみに実在と認める立場。無論一元的。唯現象論。
- 先験論 (transcendentalism)
- カントや、新カント派の批判主義哲学をこう呼ぶ。あらゆる感覚に先立つ根本原理を精神の側に存在すると主張する立場。また超感覚的認識を主張するエマーソンやヘーゲルもこれに含まれる。超越論。先験主義。
ダイナミズム的一元論
- モナド論 (monadology)
- 物質原理と精神原理を統合した一つの原理としてモナドを主張する。ライプニッツが主張した。
- 原子論 (atomism)
- 哲学的原子論は何らかのアトム的粒子を想定し、その離合集散によってあらゆる世界的事象が表現されるとした。デモクリトスなどが有名。
- その他のダイナミズム (dynamism)
- そのほかにも、世界の根本原理は可能力やある種の運動法則にあるとし、これが物質、運動、存在など全てを統括する唯一の原理であるという考え方は古来珍しいものではない。アリストテレスがとくに有名。
様態と構造による分類
- 有機体論的世界観 (目的論的世界観とも)
- 世界全体を生き物とみる世界観でアリストテレス以来の伝統をもつ。古来、中国やインドなどでも支配的な世界観であり、一般的に農耕社会において有力な世界観である。
- 機械論的世界観
- 世界を等質な部品の組み合わせとみる世界観でルネ・デカルトにより定式化されて世界各地に波及した。
方法論による分類
以上の原理の性格的側面による分類以外に、原理の研究態度による分類が可能である。
- 経験論(帰納法)
- 世界の根本原理は事象の分析的な研究によって経験的に把握することが出来るという考え方。おもに実験主義、科学主義の立場を取る。ベーコン、ロック、バークリーなどのイギリス経験論が代表的。
- 合理論(演繹法)
- 単純明快な基礎原理を設定し、そこから理論構築的に根本原理を把握することが出来るという考え方。数学的な理論主義、道徳主義な立場をとる。デカルト、ライプニッツ、ウォルフが有名。
注釈
出典
世界観と同じ種類の言葉
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