世界観とドラゴン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 07:34 UTC 版)
本書の世界観は史実がベースとなっている。筆頭として、主人公テメレアの名前が19世紀当時に実在したイギリスの戦艦テメレア号に由来するほか、登場する地名及び人名などに実在のものが多数使用されている。そのため、ファンタジー小説であると同時に、歴史小説にもカテゴライズされる。時系列、舞台設定共に現実の世界を元に構成されている本書であるが、これにファンタジーとしての側面を与えているのがドラゴンの存在である。 本書のドラゴンは動物の一つとして描かれており、世界中に分布している。多くの種は、鱗の表皮に包まれた四肢と尾に加えて翼を持つ、典型的な西洋のドラゴンの容姿をしている。総じて知性が高く、人間と共存するドラゴンは人語を解する。これに関しては種族差があり、人間よりもはるかに賢いものから、簡単な会話を理解できる程度のものまで、千差万別である。ドラゴンは卵の中にいるときに言葉を覚えるとされており、孵化してすぐに言葉を話す。また、人間と接することのない野生のドラゴンであっても、ドラゴン特有の言語を用いて同種族との意思疎通を行うとされている。作中ではドゥルザグ語と呼ばれるドラゴン独自の架空の言語が登場する。種族による差異が最も大きいのは体格で、小型種は成獣でも馬2頭分ほどの大きさであるが、大型種は全長数十メートルにも達する。また、大型種ほど長寿の傾向が強い。いずれも雌雄の区分を持ち、卵を産んで繁殖する。 ドラゴンの飛行能力と身体能力から生じる軍事利用性は古くから認められており、その利用や品種改良が各国で盛んに行われている。現実世界においては、舞台となる19世紀初頭には空軍という概念自体が存在していないが、作中ではドラゴンを用いた飛行部隊が古代から戦争に投入されている。
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