TPP問題
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TPP反対の急先鋒と呼ばれていた。 TPPについて、「なぜ、日本側が自由化率について提起したうえで、タリフライン(関税細目)の議論をやらなきゃいけないのか」と、総理の安倍を厳しく追及した。自民党内から「これでは公約違反だ」といった声も上がった。 「米国内ではTPP問題の比重はそんなに大きくなく、とくに共和党議員からは“あれはオバマ(大統領)の貿易政策だ”と酷評されるほど」、「必要なのは、各国農業の多様性、気候風土を含めた日本農業の特性を基本に据えて、農産物貿易はどうあるべきかを議論すること」、「食と農を抜きにした国の存立はあり得えないのです」といった発言をした。 最終的には2016年12月9日の国会において、「TPP協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律」に賛成票を投じている。支持母体である農協が発行する日本農業新聞は、賛成票を投じた山田や藤木眞也について、「TPPに反対、慎重論を唱えて当選した与党議員は有権者に顔向けできるのか。自らの政治信条に反しないのか」として、厳しく指弾した。
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TPP問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:49 UTC 版)
2012年11月14日の野田佳彦首相の解散表明により選挙の争点として浮上した環太平洋経済連携協定(TPP)について、自民党の「聖域なき関税撤廃」のTPP参加の反対派に対し、安倍は日本商工会議所会頭の岡村正との会談で交渉に含みをもたせ、「TPP推進に対して強い交渉力を発揮して頂けるという強い意気込みは感じたので心強く思う」と評価された。この岡村とのやりとりについて、経団連会長の米倉弘昌も「いいことだ」 と歓迎している。しかし、その後の記者会見では「交渉参加に前向きというのはあくまでミスリードだと思います。」 と否定し、その結果として衆院選では160人超の候補者が、TPP交渉参加反対を訴える農協(JA)系の政治団体から推薦を受け当選した。 しかし、農水大臣に農政になじみの薄い林芳正を起用し、甘利明、麻生太郎など経済関係の主要閣僚にもTPP賛成派を配置。さらに外交政策に関して助言を行う内閣官房参与には、日本はTPPに参加すべきとの発言をおこなっていた谷内正太郎を起用した。また、TPP賛成派の岡素之や大田弘子をそれぞれ内閣府規制改革会議議長及び議長代理とし、さらに新設の日本経済再生本部に設置された産業競争力会議のメンバーにも日本維新の会と関係の深い TPP賛成派の竹中平蔵 や、TPP早期実現要請を行なっていた三木谷浩史 を加えた。経済全般のマクロ政策を決める経済財政諮問会議の民間議員も全員TPP賛成派で、高橋進は構造改革派の論客として野田佳彦民主党政権の方針を力強く後押ししていた人物。伊藤元重にいたっては「TPPに参加できないなら、農村部にある多くの工場は閉鎖を余儀なくされる」 というのが持論で、野田佳彦民主党政権の「社会保障制度改革国民会議」のメンバーでもあった。 2013年2月23日、日米首脳会談後に共同声明を出した。それまでの関税に関する見解(カークUSTR代表と玄葉外務大臣との会談)は「物品関税の最終的な扱いについてはTPP交渉プロセスのなかで決まっていくもの」 であったが、今回の共同声明は「一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する」 との表現になった。この会談後、主要メディアにおいてTPP賛成が増加し、共同通信63%、FNN53%、テレビ朝日51%、日本経済新聞47% となった。 2013年3月8日、日本政府が野田内閣当時の昨年3月の段階から『TPP交渉参加後発組に出された3条件』を把握していたにもかかわらず、国民に条件を告知することなく交渉参加を推進していたことが判明した。安倍はこの問題に関して衆院予算委員会で答弁を拒否し、質問した日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長が「政府が交渉参加のルールを探って議会に説明するのは当然の責任だ」と批判した。また岸田文雄外相は「少なくともわが国には、そうした条件の提示は全くない。引き続き情報収集に全力を挙げる」と答弁していたが、9日になって安倍は「ルールを作っていく上で、最初に入った人たちが後から入った人に議論を覆されたら困るというのは、それはそうだろうと思う」と述べた。安倍政権はこの3条件を政権移行直後に把握したが公表はしていなかった。 2013年3月15日、TPP交渉参加という形で決着が図られることとなった。 2013年4月12日に決着したTPP交渉参加に向けた日米事前協議は大手各紙上でも『高い「入場料」』という言葉が飛び交い、米側に譲りに譲ったもの となった。日本政府のTPP交渉担当者が「なんとしても7月中には交渉に加わりたいのだが……」とあせりの色を隠せない中での事前協議であり、交渉に入る前から通商条件で大幅な譲歩を迫られる可能性があった が、現実のものとなった。焦点の自動車・保険分野では双方とも大幅譲歩であり、自動車分野では自動車関税について当面は乗用車・トラックの関税を維持した上、撤廃時期はTPPが認める範囲で最大限遅らせることで決着、保険分野ではかんぽ生命のがん保険など新商品の申請を事実上凍結したため、投資家に訴える新規事業への参入が不可欠な2015年秋までの株式上場は計画の見直しが不可避 となり、政府が復興財源として期待していた日本郵政株式の売却収入4兆円が見通せなくなってしまった。のみならず、非関税措置について9つの分野で日米間で継続協議 とされたため、1990年代に経験した日米構造協議、包括経済協議と同様に2国間の枠組みを使って日本に市場開放の圧力をかける構図が繰り返されることになった。 2013年9月25日、ニューヨーク証券取引所で行った講演で、「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました。世界の成長センターであるアジア太平洋。その中にあって、日本とアメリカは、自由、基本的人権、法の支配といった価値観を共有し、共に経済発展してきました。その両国が、TPPをつくるのは、歴史の必然です。」との見解を示した。 2016年12月9日、参議院本会議で記名投票による採決を行い、TPP参加が決議された。しかし、2016年アメリカ合衆国大統領選挙でTPPの離脱を掲げるドナルド・トランプが当選したことを受け、前月の2016年11月に安倍はTPPが停滞すれば軸足は中国が主導する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に移っていくとの見方を示していた。 2017年1月20日、第45代アメリカ合衆国大統領に就任したドナルド・トランプは、同日TPP離脱を表明した。TPP発効条件が加盟12か国のGDPの85%以上を占める6か国以上の国内批准であり、アメリカのGDPは全加盟国の約60%を占めることから、TPP発効は困難となり、日本政府はTPPに代わる域内経済協定を検討することとなった。同年2月10日(米国時間)、安倍は初の日米首脳会談において、日米間の経済対話、これをさらにアジア太平洋地域に拡大する方向性を話し合った。訪米に同行した財務省関係者は、二国間自由貿易協定(FTA)に発展する可能性を否定しなかった。 2017年3月1日の参議院予算委員会で、安倍は米国のTPP離脱に関し「日本の求心力を生かし、今後どのようなことができるかを米国以外の各国とも議論したい」と語った。
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