記名投票
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 08:33 UTC 版)
記名投票は各議席に備え付けられた投票者たる議員の氏名が記載されている白色と青色の二色の木札(名刺)を用いて、問題を可とする議員は白色の賛成票を、問題を否とする議員は青色の反対票を投票する方法である(衆議院規則153条では白票と青票、参議院規則139条では白色票と青色票という名称で定めている)。 記名投票の際は議場を閉鎖する(議場閉鎖)。これは投票には一定時間がかかるが議場への出入りを禁じなければ過半数の算定の基礎となる出席議員数が固定できないためである(表決数の項目も参照)。表決の場合の過半数算定の基準が出席議員数であるのに対して、内閣総理大臣の指名等の選挙の場合の過半数算定の基準は投票総数である。したがって、表決における記名投票とは異なり内閣総理大臣の指名など選挙の場合には出席議員数を固定する必要はないため投票の間にも議場は閉鎖されない。 議長は議場閉鎖ののち参事に議員の点呼を命ずる。議員は点呼に応じて議席に備え付けられている自らの氏名が記された白または青の票のいずれかを投票する(持参した票を参事に手交する)。参事は受け取った票を計量器に積む(計量器には5票ごとに赤い線と数字が入っており右下から積んでいき、タテ20×ヨコ13で一つに260票が収まる。参議院では計量器の目盛が隠れるように蓋がかけられているが、開票の時には蓋が外される)。どちらも演壇には参事が2人いるが、衆議院では白色の賛成票を積む側と青色の反対票を積む側で分かれるのに対し、参議院では1人が白色票・青色票を受け取って演壇に置き、もう1人の参事が演壇に置いた白色票・青色票を振り分けて計量器に積む形となっている。 記名投票の場合には白色と青色の二色の票を用いるため無効票を生じる余地はない(この点は内閣総理大臣指名選挙などの選挙手続と異なる)。 記名投票の投票者の氏名は会議録に掲載される(衆議院規則200条16号参照)。 記名投票を要求した上でその進行を遅延させる牛歩戦術が議事妨害の一手段として行われることがある。
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