Part 4 『ダイヤモンドは砕けない』のキラークイーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 05:10 UTC 版)
「吉良吉影」の記事における「Part 4 『ダイヤモンドは砕けない』のキラークイーン」の解説
【破壊力 - A / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - B / 精密動作性 - B / 成長性 - A】(JOJO A-GO!GO!、JOJOVELLER、Part4テレビアニメ。単行本ではパラメータ無) 爆弾に関する能力をもつスタンド。両手の人差し指の側面には起爆用のスイッチがある(ただし漫画版である。アニメは一貫して右手にあるような描写であった。吉良の最期の整合性をとるためと思われる)。猫のような顔を持つ人型のスタンドで、ベルトのバックルをはじめ、身体の各部に猫型のドクロの紋章がある。 近距離パワー型のスタンド。射程は2mほどで、パワーとスピードは射程5m級のスタンド(エコーズACT3)を上回る。また爆弾を応用することで距離を置いた戦闘にも対応ができる。 爆弾という特性が、吉良の趣味である快楽殺人の後始末に適している。吉良は殺人鬼であるが、スタンドを用いた殺しには快楽を伴わず、スタンドはドライに、証拠隠滅や口封じのために用いる。本人は「平穏な生活を守る」と称して、スタンド能力を悪用している。作中「矢」によって更なる進化を遂げるが、シリーズ中進化したスタンドの中で唯一外見が変化していない。豊富な技を持つが、「スタンドは一人一つ」でキラークイーンが一つのスタンドである。キラークイーンのサブ技に、第一・二・三の爆弾がある。 荒木はシンプルなデザインで気に入っているが、爆弾の能力はやろうと思えば何でもできてしまうので扱いが難しかったと語っている。Part5完了時にて、作者はベストスタンド「デザイン編」2位に挙げ、さらに別枠でバイツァ・ダストを「機能編3位」に挙げており、お気に入りのスタンドである。 なお『オールスターバトル』以降やCrunchyrollで配信されているテレビアニメの北米版では、スタンド名が"Deadly Queen"(デッドリークイーン)と改名されている。 名称の由来は、イギリスのロック・バンドであるQueenの楽曲、「Killer Queen」 第一の爆弾 キラークイーンの手指で触れたあらゆる物を「爆弾」に変化させる能力。一度に爆弾にできる物は1つだけであり、新たに別の物を爆弾化するには、対象物を起爆するか能力を解除しなければならない。爆弾の外見は変化せず、また物理的な手段で爆弾の効果を失わせることはできない。爆弾の爆発は爆弾化させる際の吉良の意思で調整することができる。爆破に伴い爆圧・爆風・爆炎が発生するためそれによる破壊ができるが、圧力や炎を抑えて周囲に影響を出さずに爆発させることもでき、こちらは隠密行動に向く。 爆弾には「点火型」と「接触型」の2種類がある。「点火型」はキラークイーンの指の点火スイッチで起爆させることのみで起爆する爆弾。「接触型」は地雷や機雷のように何かが触れることで起爆する爆弾。触れた部分のみを爆発させて破壊を最小限にすることや、逆に対象の全体を丸ごと爆弾にして完全に消し去る、爆発させたものの耳や手首だけを残す、爆弾に「触れた相手側のみ」を爆破するといったことが作中では行われた。 いずれの爆弾も、吉良が望めば爆発する対象物は内部から木端微塵に爆破され、死体や遺物の痕跡は残らず煙のように焼滅するため、証拠隠滅に最適な能力といえる。 これらの爆弾のタイプを応用的に使いこなすことで、直接的に相手を殺傷する際には「手で触れると同時に相手を丸ごと爆弾化して爆殺する、間接的には「ドアノブなどを爆弾化させることで触れた相手を爆殺するトラップとする」など多様に用いて戦う。空気弾 第4部ラストバトルで使用された戦法。キラークイーンの腹部に収納された猫草(ストレイ・キャット)の「空気を操る能力」により「空気弾」を発射させ、その空気弾を「第一の爆弾」によって爆弾化する。本来、空気弾は複数放つことが可能だが爆弾化できるのは一つまでなので、基本的にはボール大の球体として放つ。 猫草の日光で活動する生態を利用する、および防護のために、キラークイーンの腹部をシャッターで開閉する。猫草を操作してタイミング・サイズ・スピードを調整して、さらに爆弾の種類とミックスさせることで、さまざまな弾が撃てる。発射した弾を遠隔操作もできる。 猫草自身の意識もそのまま残っており、キラークイーンが攻撃された際には、自身が攻撃されたと判断して吉良の意図とは別に、独自に空気弾で自衛行動を取ったりもしている。 空気弾の特性上、肉眼では非常に見えにくい(吉良自身にも見えないので自身の腕を使って相手と自分の距離を測って使用している)。 先述の接触型の空気弾「接触弾」と、点火型の空気弾「着弾点火弾」の2つの弾を使い分けることができる。「接触弾」は当てれば確実に致命傷を与えることができるが、触れた瞬間爆発するので障害物などで防がれやすい欠点がある。「着弾点火弾」は障害物もすり抜け弾道を自在に操ることもできるが、微妙なタイミングの誤差で標的を仕留めきれないこともある。 また、本来の空気弾は尖った物に弱く穴が開くと萎んでしまうが、キラークイーンの能力で爆弾化すると、内部の空気を含めて爆弾になるので、割られても壊れない。 弱点としては、どちらのタイプの空気弾も、至近距離では吉良自身が爆発に巻き込まれる危険性がある。相手が本体から見えないところにいる場合は、誰かのサポートが無い限りは、狙って当てるのがほぼ不可能、という難点も。(作中では父・吉廣がひそかに誘導していたが、仗助に見破られ、今度は彼の誘導で間違って吉廣を爆破してしまった)また、相手を削り取る虹村億泰のザ・ハンドとは非常に相性が悪く、空気弾をまるごと削り取られて無効化され、さらに遠隔から空間を削り取る瞬間移動で猫草まで奪い取られることとなった。 第二の爆弾 シアーハートアタック 声 - カシワクラツトム(ASB版・EoH版) / 森川智之(テレビアニメ版) 【破壊力 - A / スピード - C / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - A】 キラークイーンの左手の甲に装着された「爆弾戦車」。額に剣が付いたドクロをあしらった丸い物体にキャタピラがついた形をしており、第二の爆弾と称される。キラークイーンから分離して動き出すため、一見それ自体が別のスタンドのようだが、あくまでスタンド「キラークイーン」のパーツである。 キラークイーンから分離して、体温を感知して自動追尾する。その際には「コッチヲ見ロ」「今ノ爆破ハ人間ジャネェ」など機械的な音声を発する。ある程度の熱に反応して自爆する特性を持っており、体温の場合は人体にしばらく接触した後に、炎などの高熱ならば触れる前に爆発を起こす。爆発と言ってもシアーハートアタック自体には傷一つつかず、標的となる全ての人間を爆殺するまで止まることはない。さらに第一の爆弾と併用することができる。 頑丈さは折り紙付きで、スタープラチナのパワーを用いても凹ますのがやっとで、エコーズACT3の特殊能力でアスファルトにめり込むほどの加重を加えても動きが鈍れど停止には至らなかった。 しかし自動操縦であるため、単純な動きしかできないという欠点がある。熱感知は、熱源が複数あると標的を見失う・人間の体温よりも高い熱源があるとそちらに向かう・吉良には状況が把握できないなど、細かい調整が全くきかず大雑把。攻防共に異常なほど強力なスタンドであり、吉良は「弱点はない」と言い切るほどであったが、対スタンド戦の経験が浅い吉良には想定外の穴が存在していたのである。 吉良の「左手」とリンクしているためシアーハートアタックが受けたダメージが伝わる。ただし先述のように、物理攻撃に対しては硬さで無効化してしまうためにほとんど効果が望めない。特殊攻撃ならばチャンスがあり、エコーズACT2・3、クレイジーダイヤモンドなどは相性面で十分に有効打となる(それどころか、シアーハートアタックの操作性の悪さも踏まえると、あっさりと完封し得る)。 ドクロの顔はキラークイーンの顔をもとにしており、コンセプトはどんなことをしても壊れそうにない雰囲気の小さい戦車、額の剣は暗殺者をイメージしている。 シリーズで最初に登場した(言及された)「遠隔自動操縦」のスタンドである。後に別の遠隔自動操縦スタンドが登場した際にも、先行の典型例としてこのスタンドが挙げられることが多い。 名称の由来は、イギリスのロック・バンドであるQueenの楽曲、「Sheer Heart Attack」 第三の爆弾 バイツァ・ダスト(BITE THE DUST〈負けて死ね〉) 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - D / 成長性 - A】 物語終盤で追い詰められた吉良吉影の左腕に「矢」が刺さったことで発現した第三の爆弾。 自身の正体を知る人間(非スタンド使い)を爆弾に変えた後、「スイッチ」を入れることで周囲を爆破。時間を一時間ほど戻す。以後キラークイーンはその人物に憑依し、その人物から吉良吉影の情報が漏れた瞬間、小型の人形サイズになったキラークイーンが出現し、情報を知らされた相手全員を爆殺する。この時、キラークイーンを『見た』者は既に瞳の中に侵入されているので、どうやっても爆殺から逃れることはできない。更に爆殺と同時に時間を一時間ほど巻き戻す。 バイツァ・ダストを仕掛けられた者は出来事を記憶しているが、時間が戻ることで、出来事は無かったことになる。そして、さらにここから「運命」の力によって、爆殺された者は、同じ時間がやって来ると自動的に爆殺されてしまう。その場合は時間は巻き戻らない。 欠点として吉良本人は、巻き戻る前に何が起こったのか、何回ループしているのかなどの詳細を全く知ることができない。このループは吉良がバイツァ・ダストを解除するまで続く。また解除しない限り吉良はキラークイーンを使うことができない。運命で自動的に爆殺されるよりも前に吉良が解除を行うことでのみ、自動爆殺は発生しなくなる。新たな人物を初爆殺するとそこからちょうど1時間戻るわけだが、前の人物から次の人物までのタイムラグがあるのでどんどんズレていく(露伴爆殺で7時30分に戻ったが、次の仗助爆殺では7時36分に戻った。)。 キラークイーンに取り憑かれている人間への攻撃は、全てキラークイーンによって自動的に防がれるため、キラークイーンに取り憑かれている人間は自殺を図ることもできないが、取り憑かせている間は吉良本人による攻撃も不可能となる。 詳細な発動条件はよくわかっていないが、吉良自身は「激しく絶望するほどの不利に陥ることで発動する」と確信している。第一・第二の爆弾のように、手軽に発動できる能力ではなく強力なぶんハードルが高い。セットされた川尻早人からは「時間をぶっ飛ばす爆弾」と形容され、吉良本人は自身の秘密が守られる上に不穏分子を次々と排除してくれるため、「無敵」の能力だと発言している。 この能力の真価は、吉良が「絶望」した原因を爆殺することで消滅させ、さらに吉良が「絶望」したという記憶すらも吹き飛ばし、絶対的な平穏と安心感を得ることにある。 荒木は何でもありのスタンドにしたくなかったため、細かく能力を分けて描写することで、ある種の制限を持たせたかったと語っている。 ちなみに「バイツァ・ダストを対象に仕掛けた後に時間を巻き戻す」シーンは描写されていない。そのため一部のゲーム作品では、吉良が「バイツァ・ダストが成功した(と思い込んだ)」シーンをこの演出として使用している。 名称の由来は、イギリスのロック・バンドであるQueenの楽曲、「Another One Bites The Dust」
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