紅楼夢
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紅楼夢(こうろうむ、繁体字: 紅樓夢; 簡体字: 红楼梦; 拼音: Hóng Lóu Mèng; ウェード式: Hung2 Lou2 Meng4)は、清朝中期乾隆帝の時代(18世紀中頃)に書かれた中国長篇章回式白話小説。原本の前80回はなお残っており、完本は114回に達しなかったと推定される。今流通している前80回が曹雪芹(そう・せつきん)の原文と言われる。胡適が後四十回は高鶚(こう・がく)の続作と主張しているが、現在は「無名氏」に変更されている。中国八十年代以降、『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』と並べて『中国四大名著』と位置づけられ、『紅楼夢』はその首になった、現代中国でも紅楼夢賞・世界華文長編小説賞という文学賞が存在する。
- ^ 『明代小説四大奇書』(浦安迪(Andrew.H.Plaks)、中国和平出版社、1993年)第一章「文人小説的歴史背景」。
- ^ 周汝昌著 小山澄夫訳『曹雪芹小伝』汲古書院、2010年7月15日、3-26頁。ISBN 9784762950520。
- ^ 蒋和森著 小川陽一訳『紅楼夢入門』日中出版、1985年2月10日。ISBN 4817511303。
- ^ 曹雪芹作 井波陵一訳『紅楼夢』 巻1-7(新訳)、岩波書店、2013年10月25日。ISBN 9784000286626。
- ^ a b 曹雪芹 著、伊藤漱平 訳『紅楼夢』平凡社、1960年12月15日。
- ^ 井波陵一『紅楼夢と王国維』朋友書店、2008年1月、63-94頁。
- ^ 曹雪芹 著、井波陵一 訳『新訳 紅楼夢』岩波書店、2013年10月25日、3-5頁。ISBN 9784000286626。
- ^ 張明澄『間違いだらけの漢文』久保書店、1971年
- ^ 平凡社ライブラリー版12巻P420、訳者解説。
- ^ 宮崎市定『中国文明の歴史9 清帝国の繁栄』(新版が中公文庫、「全集」は岩波書店)
- ^ 合山究『「紅楼夢」新論』(汲古書院、1997年)。著者は、林語堂の訳書もある。
- ^ 『紅楼夢』―性同一性障碍者のユートピア小説 汲古書院 2010
- ^ 『伊藤漱平著作集 第1~3巻』(研文出版、2005~08年)
- ^ 佐藤亮一訳『ザ・紅楼夢 全一冊』(新版、第三書館 1992年)。『要訳 紅楼夢』(王敏訳著、講談社、2008年)ほか
- ^ 伊藤訳の初訳は「中国古典文学全集 第24・25・26巻」(平凡社、1958-60年)で、松枝訳と同様に、伊藤訳も数十年かけ改訳された。
金陵十二釵
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十二人の主要美少女・美女。 林黛玉(りん・たいぎょく) メインヒロインその一。宝玉の父方の従妹で幼なじみ。字は顰顰。号は瀟湘妃子。華奢で嫋やかで儚げな絶世の美少女。西施や趙飛燕、そして謝道韞にたとえられる。詩才と機知に富む一方病弱で繊細。厭世的で悲観的かつ神経質で極めて感受性のが高い、母を亡くした後、父の林如海の指示により母の実家の賈家に身を寄せる。宝玉が好きだがプライドが高いためか素直になれない。または人受けする宝釵と湘雲に敵意を抱いているが、その後互いを理解して3人は仲良くなる。 薛宝釵(せつ・ほうさ) メインヒロインその二。宝玉の母方の従姉。号は蘅蕪君。肥満体で大らかで華やかな容姿。林黛玉とは正反対の楊貴妃にたとえられる。頭脳明晰、人格円満、優等生タイプの美少女。実は名士のような孤高の性格で他人と一定の距離を置くようになった。詩も学問も人に優れてよくできるが、それらが女性にとって価値あるものとは思っていない。后妃選定に参加するため、母や兄とともに上京、宝玉や黛玉と知り合いになった。黛玉とはよく対比され、中国には「恋をするなら林黛玉、妻にするなら薛宝釵」というフレーズもあるという。 史湘雲(し・しょううん) 賈母の実家である史家の一族の美少女。宝玉の祖母方の従妹に当たる。号は枕霞旧友。両親を早く亡くして叔父に養われているが、快活で率直な物言いをする。豪快な性格で、おしゃべり好き、いたずら好き。人々に愛されている人物。 王煕鳳(おう・きほう) 王夫人の姪賈璉の妻。宝玉の母方の従姉でもある。名門王氏の出身で、賈赦の息子の賈璉に嫁いだ、詩文の才能はないが、栄国府の家事をきりもりする賈家随一のやり手で、気が強く頭脳明晰。奥向きの采配を一手に引き受ける実力者。公金を流用して高利貸を営んでいた。 秦可卿(しん・かけい) 宝玉の曾祖父栄国公の兄寧国公の玄孫賈蓉の妻。可卿は幼名。中国の大家族制の慣習上、年下の宝玉を「おじさま」と呼ぶ。優しく落ち着いた人柄で「黛玉と宝釵の長所を併せ持つ」と讃えられ、誰からも慕われる佳人。もう一つの身分は、仙界の警幻仙姑の妹・兼美。「舅の賈珍と密通していたという描写があったが作者が思い直して削除した」という説もあり。また、何かいわくのある死に方をした謎の多い人物。 賈元春(か・げんしゅん) 賈家の第一令嬢。宝玉の実の姉。正月初一に生まれた。物語の最初の時点では既に皇帝に召されて後宮に入り、後に貴妃となった。里帰りする元春を迎えるために大観園が造営された。賈家の繁栄を象徴する人物のひとり。後世の解釈で曹雪芹の生家曹家を庇護していた康煕帝に対比されることがある。 賈迎春(か・げいしゅん) 賈家の第二令嬢。宝玉の伯父の賈赦の娘で賈璉の異母妹(宝玉の従姉)。渾名は二木頭。号は菱洲。善良だが無力な人物。他人の言いなりになることしばしば。 賈探春(か・たんしゅん) 賈家の第三令嬢。宝玉の庶妹(腹違いの妹)。渾名は玫瑰花(バラ)。号は蕉下客。賢明で詩才のある美少女で、異母兄宝玉とも親しくしている。同腹の弟がいるが、こちらは愚鈍で母共々なにかと宝玉を陥れることを考えており、探春とはあまり仲が良くない。大観園に詩社(海棠詩社)が結成されるのは探春の呼びかけによるもの。 賈惜春(か・せきしゅん) 賈家の第四令嬢。賈敬の娘で賈珍の妹(宝玉の族妹)。号は藕榭。寧国府で生まれ、賈母に引取られて栄国府で養育された。潔癖症で、兄に代表される屋敷の淫蕩な空気を嫌っている。絵心があり、大観園の絵図を描いたことがある。孤独を好み、早く出家することを望んでいる。 妙玉(みょうぎょく) 賈家に招かれた有髪の尼僧。聡明にして文筆の才あり、若くして大観園内の草庵に庵主として招かれたが、性狷介、俗人と交わるを潔しとしない孤高の美少女。俗塵にまみれることを一切断り修行に励む。 賈巧姐(か・こうしゃ) 賈璉と王熙鳳の一人娘。大姐(だいしゃ)ともいう。名前は、劉ばあさんが七夕に生まれたことに由来して名付けた。 李紈(り・がん) 宝玉の同母の兄である賈珠の妻(未亡人)。字は宮裁。号は稻香老農。夫に先立たれて以後、息子の賈蘭の教育に専念し、時に令嬢たちの後見役を務めていた。
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