第四インターナショナル統一書記局
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「第四インターナショナル」の記事における「第四インターナショナル統一書記局」の解説
United Secretariat of the Fourth International (USFI) 、いわゆる「マンデル派」。1963年の国際委員会(ICFI)と国際書記局(ISFI)の再統一により結成された。かつては「唯一の世界革命前衛」を自認していたが、現在は「小さくとも不可欠な世界革命潮流の一つ」と自己規定している。現在、反グローバル化運動への参画に力を入れ、各国における「反資本主義左翼統一戦線」の形成を当面の方針にしている。また社会主義革命運動におけるエコロジー運動やレズビアン・ゲイなどの性的少数者解放運動の意識化と実践を訴えている。 オーストリア - Socialist Alternative (Sozialistische Alternative, SOAL) アルジェリア - Socialist Workers Party ベルギー - Socialist Workers Party ― Socialistische Arbeiderspartij (SAP) - Parti Ouvrier Socialiste (POS) ブラジル - Socialist Democracy ― Democracia Socialista (DS)ブラジル労働者党(PT)内の左派潮流として活動。ルーラ政権への評価をめぐり、現在PTに留まる部分と、左翼独自勢力として社会主義と自由党(Party of Socialism and Liberty ― P-SOL)を形成する部分とに二方面の活動を展開している。P-SOLは2006年のブラジル大統領選において、ルラに対抗してエロイザ・エレナを擁立して6.8%の得票を獲得した。 イギリス - International Socialist Group(ISG)現在、左翼組織の連合体であるRESPECTに参加。RESPECTはイギリス下院に1議席を持っていた。 カナダ - New Socialist Groupカナダ/ケベック - Socialist Left Gauche Socialiste (GS) チリ - Revolutionary Socialist Tendency (Tendencia Socialista Revolucionario) デンマーク - Socialist Workers Party ― Socialistisk Arbejderparti (SAP) ギリシャ - Organization of Communist Internationalists of Greece-Spartacus (Organosi Kommouniston Diethniston Ellados-Spartakos, OKDE-Spartakos) グアドループ - Socialist Revolution Group (Groupe Révolution Socialiste, GRS) フランス - Revolutionary Communist League ― Ligue communiste révolutionnaire(LCR)-革命的共産主義者同盟 (フランス)の項参照統一書記局派の最大支部。2002年フランス大統領選挙に出馬して5%近くを獲得したオリヴィエ・ブザンスノーを2007年フランス大統領選挙においても擁立し、12人の候補者中5位につけて健闘した。LCRは、2009年2月に解散。他潮流や無党派の活動家を糾合して、トロツキスト政党を脱却した「反資本主義」「社会主義エコロジー」「民主主義的社会主義」「アルテルモンディアリスム(もう一つのグローバル化)」による「21世紀の社会主義」を掲げる反資本主義新党(NPA)に移行した。 ドイツ - International Socialist Left ― internationalen sozialistischen linke (isl) ドイツ - Revolutionary Socialist League ― Revolutionaer Sozialistischer Bund (RSB) ギリシャ - Organization of Communist Internationalists of Greece ― Organosi Kommouniston Diethniston Ellados (OKDE) インド - Revolutionary Communist Organization (Inquilabi Communist Sangathan) アイルランド - Socialist Democracy (SD) イタリア - Bandiera Rossa Association ― Associazione Bandiera Rossa (ABR)(バンディラ・ロッサ・グループ)1991年2月に社会民主主義政党:左翼民主党(現:民主党)として路線転換したイタリア共産党内の左派部分とともに共産主義再建党(PRC)を結成。PRC党内のトロツキスト派として活動するが、アフガニスタンへのイタリア軍の派遣に反対したABR派の下院議員を旧共産党派が除名し、旧共産党派とABR派は2007年に決定的に決裂した。現在、ABRは「批判的左翼協会」を形成して、反NATO・反新自由主義による新たな左翼勢力の結集を訴える。 日本 - 「第四インターナショナル日本協議会」(日本革命的共産主義者同盟 (JRCL)および国際主義労働者全国協議会より構成)1991年の日本革命的共産主義者同盟(第四インターナショナル日本支部)の除名・分裂後は、上記2組織が「支部」ではなく「シンパサイザー組織」として統一書記局に参加していたが、2020年に上記「第四インターナショナル日本協議会」が日本支部として承認された。 レバノン - Revolutionary Communist Group ルクセンブルク - Revolutionary Socialist Party (Revolutionär Sozialistesch Partei /Parti Socilaiste Révolutionnaire) マルティニーク - Socialist Revolution Group (Groupe Révolution Socialiste, GRS) モロッコ - Al-Mounadhil/a オランダ - Socialist Alternative Politics ― Socialistische Alternatieve Politiek (SAP) ポルトガル - Revolutionary Socialist Political Association ― associação política socialista revolucionária (apsr) プエルトリコ - Political Education Workshop ― Taller de Formación Política (TFP) スペイン - Alternative Left ― Izquierda Alternativa (IA)スペイン/カタロニア - Collective for an Alternative Left (Col.lectiu per una Esquerra Alternativa, CEA) スリランカ - Nava Sama Samaja Party(NSSP)イギリスに留学した若者たちがマルクス主義とトロツキズムに影響を受け、帰国して1935年に結成したLanka Sama Samaja Pakshaya(スリランカ社会主義平等党 LSSP)は、第二次世界大戦後に第四インターナショナルの各国組織の中で突出して巨大な労働者大衆政党に成長する。「議会での多数獲得による革命」を展望したLSSPだったが、1960年の総選挙での敗北を機に、ブルジョワ政党であるスリランカ自由党に接近、同党の政権樹立のために信任投票をし、のちに入閣する。トロツキーの人民戦線批判に基づいて「ブルジョワ政党との野合」を禁止する第四インターナショナルは、幾度かのオルグ派遣を行ったが結局決裂。LSSPは、1964年に第四インターナショナルから除名され、「野合」を批判して分裂したバラ・タンポらはLanka Sama Samaja Pakshaya(R) (スリランカ社会主義平等党革命派 LSSP(R))を結成した。第四インターナショナルはLSSP(R)を支部として認めたが、LSSP(R)は1980年に分裂しシンパサイザー組織になった。 現在は、タンポらとは別に1977年にLSSPから分裂したNava Sama Samaja Pakshaya(新社会主義平等党 NSSP)が1991年からスリランカ支部に公認されているほかに、スリランカ労働運動のナショナルセンターであるCMUに大きな影響力をもつバラ・タンポのグループもシンパサイザー組織として参加している。NSSPはスリランカ議会に議席を持つ。 南アフリカ - Workers Organisation for Socialist Action スイス - Socialist Alternative / Solidarity (Sozialistische Alternative / Solidarität, SOAL) スウェーデン - Socialist Party ― Socialistiska Partiet (SP) チュニジア - Revolutionary Communist Organization (Organisation Communiste Révolutionnaire) トルコ - New Way (Yeni Yol) アメリカ - Socialist Actionアメリカ共産党内部から派生した「左翼反対派」が1928年に追放され、同年、アメリカ共産主義者同盟を結成。後に社会主義労働者党(SWP)と改称。指導者にジェームズ・キャノン、マックス・シャハトマン、C.L.R.ジェームズら。第二次大戦以前は、第四インターナショナルの最大組織で、国際書記局もアメリカに置かれた。港湾労働者やトラック労働者に、一定の影響力を持った。メキシコに亡命したトロツキーの防衛隊を組織したのも、SWPだった。キャノンは、広島・長崎への原爆投下直後の8月22日に、トロツキーを追悼する政治集会において原爆投下について「許されざる帝国主義のギャングによる大虐殺であり、人類史に残る犯罪」「どれ程の数の日本人民が原子力の秘密の発見を祝うために殺されたのだろうか」と演説。当時、アメリカ共産党も含めて、原爆投下について「アメリカの反ファシズム解放戦争における正義の行為」と賞賛されていたことを鑑みれば、キャノンの演説は「最も早い原爆投下非難」として、特筆に価する。 戦後、SWPは、ベトナム反戦運動や黒人公民権運動-反人種差別運動に関わり続けた。統一書記局と分裂し再統合したが、80年代に統一書記局を再び脱退した。アメリカに現存するほとんどの各派トロツキスト組織は、SWPから分岐したグループである。 ウルグアイ - Socialist Workers Party (Trotskyists) フィリピン - Revolutionary Workers Party-Philippines (Revolutionary Workers Party - Mindanao Rebolusyonaryong Partido ng Manggagawa - Mindanao RPM-P)90年代に入って、毛沢東主義のフィリピン共産党(いわゆるシソン派)のいくつかに分裂したグループのうちの一つであるマニラ・リサール支部(MR)と「マルクス・レーニン・トロツキー主義と解放の神学の結合」を掲げるBISIG (Union of Filipino Socialists)などが統一書記局とコンタクトを取っているが、現在フィリピン共産党(シソン派)から脱退して1998年に結成された主にミンダナオに拠点を置いて活動するRPM-Pが支部として公認されている。 その他韓国 - 80年代に派生した「国際社会主義グループ」(IS)が一時期統一書記局とコンタクトを持ったが、国家保安法の弾圧により勢力としては消滅。現在、反帝国主義-反グローバル化を掲げ、韓国の戦闘的労働組合のナショナルセンターである民主労総に一定の影響力を持つ「労働者階級の力派」(Power of the Working Class ― No-dong-ja-euy Him)が統一書記局とコンタクトを持っているが、「労働者階級の力派」は「労組内活動家のフラクション」という性格が強く、所謂「トロツキスト組織」ではない。「労働者階級の力派」は、2007年大韓民国大統領選挙において「反資本主義左派統一候補」の擁立を訴えたが、左派内でまとまらず試みは頓挫した。結局、「労働者階級の力派」は「支持できる候補がいない」として、最終的に「選挙ボイコット」を訴えた。 現在、「労働者階級の力派」は「反資本主義左翼の連合体としての新たな社会主義労働者政党の建設」建設を訴え、「労働解放実践連帯」、「社会主義労働者連合」などのグループと討論を開始している。 イスラエル - 第三次中東戦争の時期にイスラエル共産党から派生した反戦組織・MATZPEN-マツペンの主にエルサレム支部を形成していたトロツキスト派が1972年に「イスラエル革命的共産主義者同盟」(RCL)を形成する。RCLは「反シオニズム・PLO支持連帯」を掲げ、指導者の一人であるミシェル・ワルシャウスキーは「国家反逆罪」で20ヶ月服役する。現在、RCLはいくつかのグループに分裂して消滅している。ワルシャウスキーはイスラエル人の立場からパレスチナ連帯運動を続ける「オルタナティブ情報センター(AIC)」の活動家として「反シオニズムのイスラエル-パレスチナ民族共生国家」の樹立を訴えている。
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