現代における評価とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 現代における評価の意味・解説 

現代における評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 07:27 UTC 版)

ヘロドトス」の記事における「現代における評価」の解説

近代においてもヘロドトスの記述中に信憑性の低い説話多数含まれることについての批判続いている。『ローマ帝国衰亡史』で名高いイギリスの歴史学者エドワード・ギボンは、ヘロドトス娯楽性の高いエピソードふんだんに交えていることについて、「ある時は子供のために、ある時は哲学者のために書いている」と評している。また、特に伝聞としてヘロドトス伝え神話的な伝承の他にも、彼の軍事的分野についての記述はしばし厳しい目が向けられる歴史学者ジョン・バグネル・ベリーは以下のように述べる。 (ヘロドトス仕事は)おそらく条件つきで、歴史方法論よばれるものの近代的な発展基礎となっている。しかし、これらの常識としての原理宣言しているにもかかわらずその作品のある部分は、早熟の子供が書いたものかと思われるほどに、かれはある点では常識欠けていた。かれは大戦争歴史書こうしながら戦争の諸状況についての最も基礎的な知識欠いていた。クセルクセス軍隊の数についての、ありえない空想的な叙述は、ほとんど信じられないほどにかれの無能示しヘロドトス歴史家というよりも叙事詩人とするのにじゅうぶんである。(中略ヘロドトス戦争史家として最低の標準から評価しても、この点では彼は戦争史家としては、その資格さえもない。 —ジョン・バグネル・ベリー。 しかし、近年では歴史学の手法の発展伴ってヘロドトス作品についても多方面から盛んに行われるようになっており、新しヘロドトス像が築かれてきている。また古代人によるヘロドトスへの批判はそれ自体事実誤認によるところがあったという指摘もあり、現代ではヘロドトス復権著しい。また、ヘロドトスの記述のうち古代ギリシア地誌に関する研究においては、その信憑性の高さを認め見解存在する。 この新たなヘロドトスへの評価の背景には20世紀の歴史学の飛躍的な発展がある。文化人類学社会学方法歴史学取り入れられるようになった結果歴史学研究手法新たな地平が拓かれるようになると、多数神話や伝承伝えヘロドトス『歴史』その手がかりとなる材料宝庫として注目されるようになったフランス学者アルトーグは「ヘロドトスが『歴史の父となったのは前5世紀でもキケロ時代でもなくて、20世紀歴史学新たな地平を拓いた時なのだ。」と述べる。 また、ヘロドトスの記述フィクション性についても、歴史それ自体考え方変化によって新し評価がされている。即ち、過去発生した史実完璧な形で再現することはどのような手段によっても不可能であり、従って歴史真実表現できず、「歴史そのものが嘘(フィクション)である」という命題存在する。この命題の下では歴史とは史実を完全に再現する存在ではなく各種史料考察通じて可能な限り史実肉薄しようとするものであり、未だ歴史と言う概念存在しない時代生きたヘロドトスの「作り話」についても、それは当時可能な限り情報集め真実探求したものの発露であるともとらえられるからである。 総体としてはヘロドトスは、明確な問題意識設定能動的な情報収集情報自体批判検証公平な立場から事物推移原因考え姿勢などを打ち出したことから、彼の著作『歴史』歴史学誕生告げるものである評価される歴史学者大戸千之はヘロドトス評価について以下のようにまとめている。 歴史学は、事実を語るために情報収集し、それらを批判的に検討する営為である、ということができる。ヘロドトス仕事は、その鏑矢といってよい。今日的観点からすれば先立つ語り伝統の殻を抜けきれておらず、批判的検討にもナイーヴすぎるところがある点は蔽えないけれども、歴史学第一歩踏み出した栄誉は、彼にあたえられるべきであると考えたい

※この「現代における評価」の解説は、「ヘロドトス」の解説の一部です。
「現代における評価」を含む「ヘロドトス」の記事については、「ヘロドトス」の概要を参照ください。


現代における評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 17:40 UTC 版)

サラエボ事件」の記事における「現代における評価」の解説

100年前ガヴリロ・プリンツィプ放った銃弾は、ヨーロッパ向けて発砲されたものではなく、自由を得るための発砲であり、外国による支配からの解放目指すセルビア人闘い先駆けとなった。 —スルプスカ共和国大統領ミロラド・ドディク(英語版) 彼(プリンツィプ)の行為もたらした影響は、ボスニアにとって非常に悪いものだったボスニアユーゴスラビアとなって消滅しボスニアに住むムスリム人存在1968年まで認められることはなかった。彼ら(オーストリア=ハンガリー帝国)はユーゴスラビア王国ユーゴスラビア共産主義者同盟比べればはるかに優れた支配者と言えた。 歴史的な記録見ればオーストリア=ハンガリーが法による支配のような概念をいかに重視していたかがわかるだろう。我々は1918年に非常に多くのものを失った。 —フェドザト・フォルト(ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦通信社論説委員)- プリンツィプオーストリア=ハンガリーという占領者からボスニア解放する手助けをしたいう主張に対して 暗殺者1人であったヴァソ・チュブリロヴィッチ(英語版)は後にサラエボ事件振り返って、「私たち美しい世界破壊した。それは大戦の勃発によって永遠に失われた」と語った旧ユーゴスラビア多くの国で、ボシュニャク系およびクロアチア住民大部分は、プリンツィプテロリストであり、またセルビア民族主義者であると見なしている。サラエボ事件100周年記念行事欧州連合によって企画されサラエヴォ市庁舎英語版)でウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるコンサートが行われた。記念行事にはオーストリア大統領ハインツ・フィッシャー主賓として招かれた。 他方セルビア民族主義者要人らはこの記念行事ボイコットし一切参加取りやめた。スルプスカ共和国属す東サラエボでは、サラエボ事件100周年記念してプリンツィプ銅像建てられた。その後2015年6月には、セルビアの首都ベオグラードにもプリンツィプ銅像建てられた。セルビアの歴史教科書は、セルビアまたはプリンツィプ第一次世界大戦きっかけとなったことを否定しており、開戦責任中央同盟国にあるとしている。スルプスカ共和国大統領ミロラド・ドディクは、ボスニアは「いまだ分裂状態にある」と認めた上でプリンツィプは「自由の戦士」であり、オーストリア=ハンガリーは「占領者」であった主張したプリンツィプ使用した銃と、大公フランツ・フェルディナント乗っていた車、血に染まった大公軍服、そして大公死亡したシェーズ・ロングは、オーストリアウィーン軍事史博物館常設展示されている。プリンツィプによって発射され弾丸は、「第一次世界大戦始めた弾丸」とも呼ばれチェコベネショフにあるコノピシュチェ城英語版内の博物館展示されている。事件のすぐ後に暗殺現場建てられサラエボユーゴスラビアとなった1918年破壊され記念碑含まれていた大公夫妻かたどったメダルは、サラエヴォにあるボスニア・ヘルツェゴビナ国立美術館で現在保存されている。

※この「現代における評価」の解説は、「サラエボ事件」の解説の一部です。
「現代における評価」を含む「サラエボ事件」の記事については、「サラエボ事件」の概要を参照ください。


現代における評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 01:39 UTC 版)

エミリー・デュ・シャトレ」の記事における「現代における評価」の解説

1970年代までは、科学上の功績よりヴォルテールとの関係に注目されていた。 質量とエネルギーの等価性を表す有名なアルベルト・アインシュタインの公式E=mc²(ここで c {\displaystyle c} は光速を表す)に対して、彼女が150年前に見出した関係式 E ∼ m v 2 {\displaystyle E\sim mv^{2}} を関連付ける議論見られる確かに彼女の式は古典力学における運動エネルギー正し見積もりだが(係数1/2は除く)、物理学的にはアインシュタインによる質量とエネルギーの等価性概念とは全く別ののである

※この「現代における評価」の解説は、「エミリー・デュ・シャトレ」の解説の一部です。
「現代における評価」を含む「エミリー・デュ・シャトレ」の記事については、「エミリー・デュ・シャトレ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「現代における評価」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「現代における評価」の関連用語

現代における評価のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



現代における評価のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのヘロドトス (改訂履歴)、サラエボ事件 (改訂履歴)、エミリー・デュ・シャトレ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS