有潮河川とは? わかりやすく解説

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感潮河川

(有潮河川 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/17 09:57 UTC 版)

本庄江(嘉瀬川水系・佐賀県)の高潮時(左)と低潮時(右)。奥には塩水流入を防ぐ水門がある。

感潮河川(かんちょうかせん)とは、下流において流速水位干満の影響を受けて変動する河川のこと[1][2]。「潮入川(しおいりがわ)[3]」、「有潮河川(ゆうちょうかせん)[要出典]」ともいう。感潮河川でない川は「非感潮河川」という[1]。感潮の影響を受ける区域を「感潮区間[1][4]」あるいは「感潮域[5]」という。感潮区間・感潮域のことを化学生態学等の用語である「汽水域」と同義[1]とする資料も多いが、研究分野が異なるだけに厳密には異なる概念であり[4][注 1]、該当する区域にも若干のズレがある[4]。感潮の影響を受ける川筋は「感潮河道(かんちょうかどう)」という。

中国語でも「感潮河川」という。英語では"tidal river日本語音写例:タイダル リバー)"といい[4][6][7]、感潮区間は"tidal reach(日本語音写例:タイダル リーチ)"という[4]

概要

感潮区間の範囲は勾配が緩やかな大河ほど大きくなる。感潮区間においては塩分濃度も変化するがごく下流に限られ、流速や水位に比べると変化は小さい。海水比重のちがいから、満潮の時に底部にたまった海水が上流に向かい、上層にある河水は下流に流れる現象が生じることがある。

感潮において、壁状の波が逆流する現象は「海嘯」という[8][9]

主な感潮河川

世界にある感潮河川を挙げていこうとすればそれこそ切りがないが、文献で言及されることが多いなど、特筆性の高い感潮河川というものはあり、ここではそういった川を記載する。

脚注

注釈

  1. ^ 感潮区間は物理(物理学)的に定義され、汽水域は化学的に定義される。

出典

  1. ^ a b c d 感潮”. 公式ウェブサイト. 国土技術政策総合研究所(国総研). 2019年10月14日閲覧。
  2. ^ 感潮河川”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  3. ^ 平凡社世界大百科事典』. “潮入川”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  4. ^ a b c d e 国土交通省 汽水域・河口域の環境調査, p. 2
  5. ^ 感潮域 - 河川用語集”. しずおか河川ナビゲーション(公式ウェブサイト). 静岡県交通基盤部河川砂防局河川企画課. 2019年10月14日閲覧。
  6. ^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “感潮河川”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  7. ^ a b 平凡社『世界大百科事典』. “感潮河川”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  8. ^ 三省堂大辞林』第3版. “感潮河川”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  9. ^ 三省堂『大辞林』第3版. “海嘯”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  10. ^ a b c d e f 小学館日本大百科全書(ニッポニカ)』. “感潮河川”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  11. ^ a b c 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “ボア(潮津波)”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  12. ^ 平凡社『世界大百科事典』第2版. “ラクディエン”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  13. ^ セントジョン川”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  14. ^ セント・ローレンス川”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。
  15. ^ ポトマック川”. コトバンク. 2019年10月14日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク




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