政策部会
政策部会(せいさくぶかい)とは、日本の政党における、政策や立法について審議し立案する機関である。主な名称は政務調査会(せいむちょうさかい)や政策審議会(せいさくしんぎかい)など。
概説
各政党は、選挙で公約した政策や立法について審議し立案する部会を設置し、これに対応する「政策スタッフ」と呼ばれる実際の政策の調査や立案に関わる党職員をおいている。さらに、自由民主党や立憲民主党など比較的規模の大きな政党ではこの下に外交部会や厚生労働部会など、各政策分野ごとの政策部会、部門会を設けている。
政党によっては政務調査会、政策調査会、政策委員会、政策審議会など呼称がつけられているが、基本的には同じである。
政策部会の長は政務調査会長、政策調査会長、政策委員会責任者(通称「政策委員長」)、政策審議会長などと称し、政調会長(せいちょうかいちょう)、政審会長(せいしんかいちょう)と略称で呼ばれることもある。政策部会の長は政策部会の最終的な取りまとめを担当しており、自民党における党四役の一角であるように政党の要職として注目されている。
自民党政権時代は閉鎖的な政策部会で事実上の政策決定をしていたことが「族議員」による利益誘導の温床として批判された。このため、2009年9月に与党となった民主党は、「族議員排除」「与党、政府一元化」を掲げて政策部会を廃止したが、2010年に代表が鳩山由紀夫から菅直人に交代し、復活させた。なお、民主党内で政策部会廃止を主唱していた小沢一郎が離党後立ち上げた生活の党と山本太郎となかまたちでは、「総合政策会議」という形態をとっていた。
国会に議席を有する政党の政策部会
自由民主党政務調査会
(2024年12月6日現在)
- 会長 - 小野寺五典
- 会長代行 - 新藤義孝
- 会長代理 - 細野豪志、後藤茂之、松島みどり、井上信治、片山さつき、大家敏志[1]
- 参議院政策審議会長 - 古川俊治
- 参議院政策審議会長代理 - 片山さつき、大家敏志[2]
公明党中央幹事会政務調査会
(2024年11月現在)
立憲民主党政務調査会
(2024年11月現在[5])
このほか「次の内閣」を組織し、党政調会や各部門会で策定・検討された基本方針について最終決定を行う。
日本維新の会政務調査会
(2022年9月現在)
- 会長 - 青柳仁士
- 会長代行 - 岡崎太(大阪市会議員)
- 副会長 - 藤田暁(大阪市会議員)
- 国会議員団政務調査会長 - 青柳仁士
- 国会議員団政務調査会長代行 - 片山大介
- 国会議員団参議院政策審議会長 - 片山大介
国民民主党政務調査会
(2024年12月11日現在[7])
日本共産党中央委員会政策委員会
(2024年1月18日現在[8])
れいわ新選組政策審議会
社会民主党全国連合政策審議会
- 会長 - 新垣邦男
日本保守党
(2024年11月16日現在)
- 会長 - 島田洋一
その他
参政党や沖縄社会大衆党では政策部会を特に設けていない。新党大地では政調会長が不在・空席となっている。 また、政党の地方支部や地方議会各会派ごとにも政調担当者を設けている場合が多い。
国会に議席の無い政治団体の政策部会
- 緑の党グリーンズジャパン運営委員会
- 政策部長 - 中山均(党共同代表)[11]
- 幸福実現党政務調査会
- 会長 - 里村英一
- 会長代理 - 小川佳世子
脚注
- ^ 自由民主党 役員表>政務調査会
- ^ 自由民主党 役員表>参議院自由民主党
- ^ 政務調査会 | 党概要 | 公明党について
- ^ 参議院公明党議員団役員 | 党概要 | 公明党について
- ^ “立憲民主党 政務調査会役員”. 立憲民主党. 2024年12月11日閲覧。
- ^ “立憲民主党 参議院役員”. 立憲民主党. 2024年12月11日閲覧。
- ^ 党役員|新・国民民主党
- ^ 中央委員会の機構と人事(第28回党大会)
- ^ 拡大執行役委員|維新の会メンバー|大阪維新の会
- ^ 都民ファーストの会 役員表 (PDF, 都民ファーストの会 2022年11月7日)
- ^ 緑の党グリーンズジャパンは規約で、政策の基本方針を会員全員が参加資格を持つ総会で、具体的な政策に関する事項を地域代表協議会で決定するとしている。政策の立案機関としては4名の共同代表と10名の運営委員からなる運営委員会に政策部門が置かれる規約|緑の党
- ^ 政策部会は置かれていないが、担当役員として「政策担当幹事」がおかれている
- ^ 政調会より改組
関連項目
政務調査会長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 12:19 UTC 版)
「自由民主党政務調査会」の記事における「政務調査会長」の解説
自由民主党政務調査会長(じゆうみんしゅとうせいむちょうさかいちょう)は、自由民主党政務調査会の運営を担当する。 政調会長(せいちょうかいちょう)という略称が多く用いられる。幹事長、総務会長、選挙対策委員長と合わせて党四役と呼ばれる。党の総合戦略調整機関である役員会に参加できる。 任期は1年。任期途中で辞職した場合は、新任者の任期は前任者の残任期間までである。総裁が新たに選任された場合は在任期間に関わらず、政務調査会長の任期は終了となる。 自由民主党政務調査会長 代 政務調査会長名 在任期間 所属派閥 総裁 1 水田三喜男 1955年-1956年 大野派 鳩山一郎 2 塚田十一郎 1956年-1957年 石井派 石橋湛山 岸信介 3 三木武夫 1957年-1958年 三木・松村派 4 福田赳夫 1958年-1959年 岸派 5 中村梅吉 1959年 河野派 6 船田中 1959年-1960年 大野派 7 椎名悦三郎 1960年 岸派川島系 池田勇人 8 福田赳夫 1960年-1961年 岸派福田系 9 田中角栄 1961年-1962年 佐藤派 10 賀屋興宣 1962年-1963年 無派閥 11 三木武夫 1963年-1964年 三木・松村派 12 周東英雄 1964年-1965年 池田派 佐藤栄作 13 赤城宗徳 1965年-1966年 川島派 14 水田三喜男 1966年 船田派 15 西村直己 1966年-1967年 佐藤派 16 大平正芳 1967年-1968年 前尾派 17 根本龍太郎 1968年-1970年 園田派 18 水田三喜男 1970年-1971年 村上派 19 小坂善太郎 1971年-1972年 大平派 20 櫻内義雄 1972年 中曽根派 田中角栄 21 倉石忠雄 1972年-1973年 福田派 22 水田三喜男 1973年-1974年 水田派 23 山中貞則 1974年 中曽根派 24 松野頼三 1974年-1976年 福田派 三木武夫 25 櫻内義雄 1976年 中曽根派 26 河本敏夫 1976年-1977年 三木派 福田赳夫 27 江崎真澄 1977年-1978年 田中派 28 河本敏夫 1978年-1979年 三木派 大平正芳 29 安倍晋太郎 1979年-1981年 福田派 鈴木善幸 30 田中六助 1981年-1983年 鈴木派 中曽根康弘 31 藤尾正行 1983年-1986年 福田派 32 伊東正義 1986年-1987年 宮澤派 33 渡辺美智雄 1987年-1989年 中曽根派 竹下登 34 村田敬次郎 1989年 安倍派 宇野宗佑 35 三塚博 1989年-1990年 海部俊樹 36 加藤六月 1990年-1991年 37 森喜朗 1991年-1992年 三塚派 宮澤喜一 38 三塚博 1992年-1993年 39 橋本龍太郎 1993年-1994年 旧小渕派 河野洋平 40 加藤紘一 1994年-1995年 旧宮澤派 41 山崎拓 1995年-1998年 旧渡辺派 橋本龍太郎 42 池田行彦 1998年-1999年 旧宮澤派-加藤派 小渕恵三 43 亀井静香 1999年-2001年 村上・亀井派 森喜朗 44 麻生太郎 2001年-2003年 河野G 小泉純一郎 45 額賀福志郎 2003年-2004年 橋本派 46 与謝野馨 2004年-2005年 無派閥 47 中川秀直 2005年-2006年 森派 48 中川昭一 2006年-2007年 伊吹派 安倍晋三 49 石原伸晃 2007年 無派閥 50 谷垣禎一 2007年-2008年 谷垣派 福田康夫 51 保利耕輔 2008年-2009年 無派閥 麻生太郎 52 石破茂 2009年-2011年 額賀派 谷垣禎一 53 茂木敏充 2011年-2012年 54 甘利明 2012年 山崎派 安倍晋三 55 高市早苗 2012年-2014年 無派閥 56 稲田朋美 2014年-2016年 町村派-細田派 57 茂木敏充 2016年-2017年 額賀派 58 岸田文雄 2017年- 2020年 岸田派 59 下村博文 2020年-2021年 細田派 菅義偉 60 高市早苗 2021年- 無派閥 岸田文雄 ※…形式上の派閥解消または派閥離脱は実質的な所属派閥を記載斜字体は総裁派閥出身の政務調査会長 太字は後に総裁に就任した人物 記録 連続最長在任記録:1140日 - 岸田文雄 通算最長在任記録:1140日 - 岸田文雄
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