政務活動費不正使用問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:08 UTC 版)
「兵庫県議会」の記事における「政務活動費不正使用問題」の解説
2014年7月1日、前年度の政務活動費の不正使用を問われた当時議員の野々村竜太郎の記者会見を契機に、全県議員を対象に実施した過去3年度分の政務費の調査を行い、その結果を公表した。調査の結果、約3割にあたる県議員24人と1会派の支出計約490万円の使用が不適切と認定され返還を求めた。 市民団体が辞職者を含む兵庫県議8人に対し、政務活動費に不当な支出があるとして返還を求めていた住民監査請求を起こしたが、県監査委員は2014年11月11日に、2011年度分と2012年度分は請求期間を過ぎているとして請求を却下。2013年度分についても請求を棄却している。 疑惑が浮上した当初、野々村は政務活動費の使用が正当なものであることを強く主張していたが、結果的に7月11日付で県議を辞職し、2011年度以降に受けとった政務費計1834万円および遅延利息約89万円を返還した。県議会は7月に各会派代表の連名で野々村を虚偽公文書作成・同行使罪で兵庫県警に告発しており、その後の捜査で年197回におよぶ日帰りのカラ出張、「切手代」の名目で金券を購入して私的に使用、クレジットカードの利用明細の偽造などを行っていたことが明らかとなっている。2015年1月、県警は野々村を詐欺および虚偽公文書作成・同行使容疑で神戸地方検察庁(神戸地検)へ書類送検した。検察に対して起訴を求める「厳重処分」の意見が付けられている。同年8月18日、神戸地検は野々村を政活費計913万2050円を騙し取った詐欺及び虚偽公文書作成・同行使容疑で在宅起訴した。初公判の出廷を拒否したために勾留手続きを取られるなど異例の公判となった上で、2016年7月6日に神戸地裁は懲役3年執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。 尚、野々村の不祥事がスクープされるに当たり、記者会見では当人が大声で泣き叫びながら質問に答えるという極めて異様な光景だったことも相まって世間で大きな話題を呼び、バラエティ番組でお笑い芸人たちにネタにされただけでなく、一部のテレビドラマやテレビアニメでも同会見のパロディのような演出が行われる程であった。また、インターネットではその記者会見の様子をサンプリングしたMADムービーや同人音楽が多数投稿され、同年度のネット流行語大賞の銀賞には、野々村の会見時の喚き声を文字化した「ンァッ! ハッハッハッハー! この日本ンフンフンッハアアアアアアアアアアァン! アゥッアゥオゥウアアアアアアアアアアアアアアーゥアン! コノヒホンァゥァゥ……アー! 世の中を……ウッ……ガエダイ!」が選ばれた。 自民党県議の岩谷英雄は、返還額が最多の約169万円で私用のガソリン代などに充てていた。また、自民党県議の加茂忍は家族を伴った出張旅費など約100万円を返還。市民オンブズマン兵庫などが、岩谷と加茂に対し詐欺容疑などで刑事告発している。
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