政務次官廃止とその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 02:53 UTC 版)
政務次官の廃止後は、副大臣と大臣政務官が新設され、役割の明確化に伴い以前よりも適材適所の人事配置が可能となった。副大臣と大臣政務官の権限の違いとしては、副大臣がその府省庁の政策全般について大臣を助けるのに対し、大臣政務官は特定の政策について大臣を助けると規定されていることなどが挙げられる。 政務次官と副大臣との違いとしては、副大臣は大臣不在時に限り大臣の命令に基づき省令や許認可などに関する職務を代行できること、また、政務次官会議とは異なり副大臣会議が法律によって定められているということが挙げられる。運用上の違いとしては大臣クラスあるいは大臣経験者の政治家等が就任する可能性が高まると言われた。政務次官と大臣政務官との違いとしては、政務次官は広く(浅く)省庁の政策全般に関わることが想定されていたが、大臣政務官は特定の政策にしぼって深く関与することが想定されているということが挙げられる。 副大臣・大臣政務官制度への移行が議論されていた第2次橋本内閣・小渕内閣においては、重要官庁の政務次官に閣僚経験者を充てる試み(高村正彦・外務政務次官、谷垣禎一・大蔵政務次官、町村信孝・外務政務次官など)がなされるなど、新制度の効果的な活用が期待されていた。しかしながら、閣僚人事においては若手の抜擢や民間人の起用などが注目された小泉政権下においても、副大臣・大臣政務官人事については派閥順送り・年功序列型の慣行がほぼ踏襲されるなど、大きな変化が見られないとする評価もなされた(1年生議員である片山さつきが経済産業大臣政務官に就任したことが話題になったことはある)。続く安倍政権においては派閥の推薦をそのまま受け入れるのではなく、推薦リストをもとに総理や党幹部が決定するというスタイルがとられ、福田改造内閣では閣僚経験者の2人(高市早苗〔経済産業〕、鴨下一郎〔厚生労働〕)が副大臣に就任するなど、新しい方向での模索もなされている。 政治主導を唱える民主党政権に移行してからは、大臣・副大臣・政務官からなる「政務三役会議」が定例化された。府省によっては、副大臣・政務官の別なく政務が分担されている例もある。
※この「政務次官廃止とその後」の解説は、「政務次官」の解説の一部です。
「政務次官廃止とその後」を含む「政務次官」の記事については、「政務次官」の概要を参照ください。
- 政務次官廃止とその後のページへのリンク