政務担当首相秘書官(首席秘書官)
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「内閣総理大臣秘書官」の記事における「政務担当首相秘書官(首席秘書官)」の解説
政務を担当する政務担当秘書官は、一般的に「首席秘書官」と呼ばれることもあるが、これは法的に定められているわけではなく、あくまで俗称である。内部的・非公式な序列はあるが、法的には事務担当秘書官も同列の扱いである。 通常は首相の国会議員秘書として長年仕えてきた人物が任命される。橋本龍太郎首相が当時通産官僚であった江田憲司を任命したように、ごく希に官僚から選ばれる場合もある。他にも、政策ブレーンや親類縁者から選ぶケースもある。1970年代中頃までは、いわゆる「番記者」として関係を深めた新聞記者を秘書官に任命する例も多かった。いずれのケースであっても、基本的に首相の信頼の厚い人物が選ばれるため、首相に対して大きな影響力を持つと言われる。 主な業務は首相のスケジュールの最終的な調整を担当することであるが、それ以外にも首相の命を受けて政権の重要政策や政府各部門の調整をしたり、首相とともに長い間永田町で仕事をしてきた実績や人脈を生かして首相と与党、時によっては野党との密かな連絡調整役となったりするなど、多岐に亘る。また、与党政治家との会合や週末の遊説など首相の政治案件にも同行する。事務担当秘書官は、首相が交代すればそれぞれの出身省庁に戻るので、首相に仕えるというよりも出身省庁に仕えるという側面が強い。したがって、重要な国家機密や首相の機微に触れる事項については、首相と政務担当秘書官の二人だけで共有される。そこに政務担当秘書官と事務担当秘書官の決定的な違いがある。 報道において「首相周辺」という表現があるとき、これはもっぱら政務担当秘書官の意味であり、非公式な場面でのオフレコ発言をした場合に用いられる。
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