峠一家(アオバ自転車店・峠輪業)
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「並木橋通りアオバ自転車店」の記事における「峠一家(アオバ自転車店・峠輪業)」の解説
峠 アオバ(とうげ アオバ) アオバ自転車店の看板娘で並木橋小学校に通う小学4年生。非常に明るい商売人気質の性格。ただし頭の中の97%が自転車という父以上の強烈な「自転車バカ」で、自転車のことになると我を忘れてしまう。さらに両親譲りの朴念仁ぶりを発揮し、クラスメートで幼なじみのトシヒコの想いに気付かない。しばしば「サイクルエンジェル」を自称する。アオバ自転車店の店名は彼女の名前に由来しており、彼女の誕生と同時に前身である「峠輪業」から改名してスタートした。これは偶然、アオバの誕生と当時建て替えていた新店舗の落成が同時だったためである。主に「プジョー NS40」に乗っている。第1期8巻3‐4話「あと30センチアレバ自転車店」で描かれた中学3年生の本人は家業を継ぐために男子ばかりの並木工高への進学を志している。 峠 工一(とうげ こういち) アオバの父親。アオバ自転車店の店主。並木橋高校卒業後、その前身である「峠輪業」の3代目として家業を継ぐ。非常に穏やかで優しい性格であるが、幼い頃より家業の技術を仕込まれて育った筋金入りの「自転車バカ」で、さらにはバイクや自動車などのおよそ「車」と名のつく乗り物なら何でも乗りこなしてしまうという特技を持つなど、運動神経も悪くはないがスケートを初めてやった時に転んだことが理由でウインタースポーツには苦手意識がある。 父は登山好きで嵩じて出会った母と結婚したが、3歳の頃に両親ともに滑落事故により亡くなる。結婚するまでは祖父との2人暮らしでおじいちゃん子として育ったため、自転車以外のことについてはあまり気が回らない「朴念仁」でもある。年齢については具体的な描写は無いが、ワカバとは高校時代に出会い、交際期間を経て20歳代で結婚している。 峠(山咲) ワカバ(とうげ〈やまざき〉 ワカバ) アオバの母親でアオバ自転車店の女将さん。「山咲」は旧姓。実家の山咲家はいわゆる「由緒ある大金持ち」であり、彼女は次女で「おっとりとした深窓のお嬢様」だった。幼い頃から体が弱く外に出ることがなかったが、自転車と出会うことで元気を取り戻すきっかけを得た。その自転車の購入先が峠輪業であり、これが縁で高校生の頃の工一と出会う。「元気な赤ちゃんを産みます」と工一に結婚のプロポーズをしている。物語序盤では体の弱さから自転車店から40kmほど遠方の療養所に入院しておりほとんど登場せずにいたが、第1期9巻9話にて無事に療養生活を終え、アオバ自転車店に戻ることになった。今ではホコリが苦手とされる以外、自転車で山道に挑むくらいに健康に心配はなくなっているらしく、辣腕おかみぶりを発揮している。性格的には工一と「似たもの同士」といえる。実年齢より若く見え、美人なため「並木橋商店街のマドンナ」として商店街中の男達に慕われ、彼女に危害が及びそうになると商店街中の男達が即集まり袋叩きにしそうになるほど。「プジョー NS40」をアオバに譲ってからは「プジョー COM Step・in(改)」に乗っている。第3期16巻4話で普通自動車免許(限定なし)を取得し、峠輪業の初代社用車で小峰輪業時代のハジメの店の元社用車だった「ホンダ・T360」 を乗り継ぐ。 峠 創作(とうげ そうさく) 峠輪業の創業者。工一の祖父で、アオバの曾祖父。アオバからは「ひじいちゃん」と呼ばれている。『ようこそ!』4巻第5話に「昭和14年時に12歳」という表記があり、昭和2年生まれである。ただし作品の性質上、年代は作品の発表年に伴い、ずれ込む可能性がある。 元は貧しい家の生まれで機械や細工ものが好きな少年だったが、尋常小学校の同級生だった小峰サユリの家に立ち寄ったことをきっかけとして自転車に出会い、サユリの父によって自転車職人としての素質を見出される。実はこの時まで自転車に乗ったことがなく、サユリと共に練習しながら「まずはバランスを取ることを練習したほうが良い」とペダルを外して練習する方式を編み出した。これはサユリの父により「創作方式」と命名される。戦中は学徒動員により軍需工場で働くも東京大空襲の戦禍に遭い、その中でサユリの父の死を目の当たりにすると同時に、彼より「新しい自転車の時代」への願いを託される。 戦後、丁稚奉公時代を経て昭和26年に結婚。同時に「アオバ自転車店」の前身となる「峠輪業」を設立し独立。以降も自転車一筋に生きてきた自転車職人だったが、アオバの誕生(=アオバ自転車店の開店)を機に引退。夢だったキャンピング車による全国一周の自転車放浪旅に出発した。のちに世界一周の放浪に出ている。昭和自転車創成期の生き証人。自転車の運転の腕はかなりのもので、フル装備のキャンピングカーで雨天の峠の下り道を猛スピードで走るほど。 第2期20巻6話にて無事日本に帰国。再び自転車職人として現場に復帰する。 峠(小峰) サユリ(とうげ〈こみね〉 サユリ) 創作の妻。工一の祖母で、アオバの曾祖母(アオバは「ひばあちゃん」と呼んでいる)。物語開始時点で故人。第3期4巻5話以降、創作の回想話に登場。なお、第3期1巻1話に出てきた峠・小峰家の家系図に名前の表記がある。 創作の小学校時代からの同級生にして実質的な幼馴染。戦前、地元に店を構える自転車屋「小峰輪業」の長女だった。校舎の掃除をさぼるのに男尊女卑を持ち出す男子に、「(その男子が兵隊志望だったこともあり)学校の掃除も出来ない者が軍隊でやっていけるのか」と、言うべきことや言いたいことをキッパリと言い切ってしまう気丈な性格の持ち主。また戦時中は自転車屋として「生活の役に立つ道具に携わる者」の誇りを持つがゆえに戦争や軍機(具体的には戦艦や戦闘機など)に対しては一家そろって批判・否定的なスタンスを持っていた。 戦中は両親と離れ、弟妹を連れて親戚(本家)がいる長野県へと疎開しており、のちに空襲で両親を失って後は弟妹とともに疎開先の親戚に引き取られる。戦後、創作から父の最期を聞かされて失意に沈むも、同時に父の自転車の未来への願いを聞かされたことと、それに向かわんとする創作の姿に希望を抱き立ち直る。 創作の丁稚修行中には互いに文通で励まし合い、後に創作の独立と同時に彼の求婚を受けて結婚。創作は独立に際して当初「小峰輪業」の復活を考えていたが、それを押し止めて新しく「峠輪業」を開業して「新しい時代」へと歩を進めるように促した(「小峰輪業」はのちに弟のハジメが長野で開いていた時の店名として使われていた模様)。 「AOBA」ブランドの前身である「TOUGE」の第1号車は、彼女のために作られたミキスト型のスポーツ向け自転車「TOUGE SAYURI・SPORTS」(トウゲ サユリスポーツ)である。これはサユリの父が昭和14年に設計を行い、空襲を免れるため缶箱に入れられ小峰輪業の作業場の床下に埋められていたその図面を元に創作が制作・調整を行った自転車。 峠 工作、スミレ(とうげ こうさく、スミレ) 創作の息子とその妻。工一の両親。物語開始時点で故人。 工作は息子同様に創作から自転車づくりを叩き込まれ、16歳で習作とはいえフレームを自作する腕前をもっていた。高校卒業と同時に峠輪業に就職。翌年にはスミレと結婚した。 スミレは近所の豆腐屋の娘で工作とは幼馴染。夫婦揃って登山が趣味だったが、工一が3歳になる前に登山中の事故で亡くなった。
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