名門復活 ワールドチャンピオンへの軌跡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 09:59 UTC 版)
「ロサンゼルス・ドジャース」の記事における「名門復活 ワールドチャンピオンへの軌跡」の解説
2016年、MLB史上53年ぶりとなる開幕3試合連続で無失点勝利を記録した。一時はジャイアンツに最大8ゲーム差をつけられていたもののジャイアンツの失速により逆転で4年連続の地区優勝を果たした。プレーオフのディビジョンシリーズではワシントン・ナショナルズとの死闘を制してリーグチャンピオンシップに進出するも、リーグチャンピオンシップシリーズでシカゴ・カブスの勢いに負け、またもやリーグ優勝決定戦で敗退した。シーズン終了後にはコーリー・シーガーがナショナルリーグの新人賞を獲得した。 2017年は、メジャー1年目のコディ・ベリンジャーが大ブレイクし、前半戦で25本塁打を記録し、新人でオールスターに選出された。7月末のフラッグ・ディールではレンジャーズからダルビッシュ有を、8月にはメッツからカーティス・グランダーソンをトレードで補強した。チームは6月21日以降地区首位を譲らず、9月22日のジャイアンツ戦に勝利し、5年連続の地区優勝を果たした。この試合でベリンジャーがナ・リーグの新人記録を更新する39号本塁打を記録した。そしてポストシーズンでも、地区シリーズでアリゾナ・ダイヤモンドバックスをスウィープで一蹴すると、前年に続きシカゴ・カブスとの対決となったリーグ優勝決定シリーズも4勝1敗で制し、29年ぶり22回目のリーグ優勝・ワールドシリーズへの進出を成し遂げたが、地区シリーズ第3戦でコーリー・シーガーが欠場してしまいワールドシリーズではヒューストン・アストロズと対戦しダルビッシュがレギュラーシーズンで使うボールとワールドシリーズで使うボールの違いに適応出来ずに2試合続けて2回持たずに4失点以上を喫しノックアウトされると、ベリンジャーがワールドシリーズ史上最多の17三振を喫するなど空回りが目立ち、3勝4敗でシリーズ敗退となった。シーズン終了後には、前シーズンのコーリー・シーガーに続いてコディ・ベリンジャーが新人賞を獲得した。これにより、チームは2シーズン連続で新人王を輩出した。 2018年、7月18日にMLBオールスターゲーム2018に出場したオリオールズのマニー・マチャドを獲得。10月1日の地区優勝決定戦でロッキーズ戦に勝利し、6年連続の西地区優勝を果たした。ポストシーズンでは地区シリーズでアトランタ・ブレーブスに3勝1敗で制し、ミルウォーキー・ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズではベリンジャーのサヨナラ打などの劇的勝利もあり、第7戦までもつれる接戦を制し4勝3敗で2年連続23回目のリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズ出場を決めた。ドジャースがワールドシリーズに進出するのは20回目。優勝決定シリーズのMVPにはコディ・ベリンジャーが選ばれた。ワールドシリーズでは1916年にドジャースの前身であるブルックリン・ロビンスが対戦して以来のボストン・レッドソックスとの実に102年ぶりの対戦となった。ドジャースとなってからは史上初対戦。レッドソックスのアレックス・コーラ監督とドジャースのデーブ・ロバーツ監督はいずれも現役時代にこの両チームに所属しており、両監督が両チームでプレー経験のある球団同士のワールドシリーズ対戦も史上初となった。第1戦、第2戦と連敗を喫し、ホームへ移動した第3戦では、ワールドシリーズ史上最長となる延長18回、7時間20分の激闘の末、マックス・マンシーのサヨナラホームランでドジャースが3-2で勝利した。ワールドシリーズでドジャースがサヨナラホームランを放ったのは、1988年にカーク・ギブソンが足を引きずりながらベース一周した「伝説アーチ」以来30年ぶりだった。また、この試合先発のウォーカー・ビューラーが最速100mph(約161km/h)をマークするなど無四球の7イニング2安打無失点、7奪三振と活躍。「ワールドシリーズ先発で許した走者2人以下、7奪三振以上」は、62年ぶり2人目の快挙だった。しかし、第4戦では4点差を返され6-9と逆転負けを喫し、王手をかけられ後が無くなった第5戦ではエースのカーショーが3本の本塁打を浴びて7回7安打4失点。打線も3安打1得点、4回以降は無安打とレッドソックス投手陣に抑え込まれ、1-5で敗戦。今季は瀬戸際の戦いを乗り越えてきたが、最後はその粘りを発揮できず、1勝4敗で昨年に続いて2年連続のワールドシリーズ敗退となった。 2019年、3月28日、本拠地ドジャー・スタジアムで行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックスとのMLB開幕初戦にジョク・ピーダーソンの2本を含む1試合に8本塁打を放ち、打線が大爆発した。ドジャースが1試合で本塁打8本を放つのは、2002年5月に続く球団タイ記録。開幕戦での合計8アーチはメジャー史上最多記録となった。翌29日のダイヤモンドバックス戦では延長13回の激闘となり、現地時間午後7時過ぎに始まった一戦は6時間5分に及び、試合終了は深夜1時を回り、ドジャースの本拠地で行なわれたレギュラーシーズン史上最も長い試合になった。9月10日、地区優勝マジックを「1」としていたドジャースはオリオールズ戦(オリオール・パーク)で快勝し、7年連続18度目のナショナル・リーグ西地区制覇を果たした。10月9日(現地時間)、2勝2敗で迎えたナ・リーグ、ディビジョンシリーズ第5戦、ナショナルズ戦、初回にマンシーが2ラン、2回にヘルナンデスのソロホームランで、相手のエース・ストラスバーグから3点を奪う。先発のビューラーが6回3分の2を投げて1失点と好投したり、前田健太の三者連続奪三振の好リリーフもあったが、その前田の前後に登板した投手が誤算だった。まず7回2アウトの段階から繋いだカーショーが8回にこの回先頭のアンソニー・レンドンにボール球を上手く掬い上げられたのに続いて、続くフアン・ソトに高めに浮いた変化球を立て続けに打たれてソロホームランを浴び、絶対的エースでありながら先発・ビューラーの勝ちを消すと、延長10回、2018年のワールドシリーズでレッドソックスの一員としてドジャース相手に好投して相手の優勝を阻止してレッドソックスの優勝に貢献。この試合9回からイニング跨ぎで登板したジョー・ケリーがアダム・イートンにフォアボールを与え、レンドーンにエンタイトルツーベースを許し2塁・3塁。ソトには申告敬遠で2015年、2016年にドジャースに在籍し8回のポストシーズン出場と経験豊富ながらこの試合ノーヒットに抑えて且つエラーを誘発させたハウィー・ケンドリックに満塁本塁打を打たれた。ストラスバーグ相手に立ち上がりをホームラン攻勢で攻めノックアウトにするチャンスを作りながら3回以降無得点となったツケがビューラー以降の継投失敗という形で回りナショナルリーグ3連覇の道が閉ざされた。オフにボストン・レッドソックス、ミネソタ・ツインズとの大型三角トレードを敢行。先発、中継ぎをこなし便利屋としてチームに貢献していた前田健太をツインズに、アレックス・ベルドゥーゴら複数のプロスペクトをレッドソックスに放出し、レッドソックスから2018年のワールドシリーズで苦杯を嘗めさせられたスーパースターのムーキー・ベッツと、元サイ・ヤング賞投手のデビッド・プライスを獲得した。 2020年は、新型コロナウイルスが世界的規模で猛威を振るった為、MLB機構は選手と球団関係者及び球場に来る観客の健康を考慮した結果、レギュラーシーズンの開幕を延期せざるを得なかった。MLB機構と選手会が試合数などの調整で双方が、なかなか合意に至らず紆余曲折あったのだが、最終的に公式試合数を大幅に減らす共に、無観客で試合を行なうことに決定された。これを受け、2020年は今まで前例の無い条件下でシーズンを開幕すると言う先行き不安な状況ではあったが、それでもドジャースはMLB全球団中1位の勝率で地区優勝を果たす。現行のポストシーズンでは通常8チームがプレーオフゲームへ進出するのだが、2020年は新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンの試合数が短縮されたことで、プレーオフへ進出できるチームの枠が16に増えた。これにより、通年と比べプレーオフに出場する全チームのステージ(関門)が1つ増えた訳だが、進出した16チームの中で、ドジャースはナショナルリーグのプレーオフを勝ち上がり、ワイルドカードシリーズでは、ミルウォーキー・ブルワーズに2勝0敗で勝ち、続くディビジョンシリーズでは、サンディエゴ・パドレスに3勝0敗で勝った。続くリーグチャンピオンシップシリーズでは、アトランタ・ブレーブスに1勝3敗と王手をかけられ追い詰められる展開と成ったが、外野守備でムーキ・ベッツが再三にわたり超ファインプレーを見せると、ドジャースの攻撃時にも好影響を与えたのか、コーリー・シーガーを筆頭に打線が歴史的な猛反撃を開始、ドジャースが逆に王手をかけた。チームは迎えた最終第7戦も制して、ブレーブスに4勝3敗で勝ち、ワールドシリーズ進出を果たした。ナショナルリーグのポストシーズン最多本塁打記録を更新したコーリー・シーガーがリーグチャンピオンシップシリーズMVPを獲得。ワールドシリーズはアメリカンリーグでレギュラーシーズン最高勝率チームのタンパベイ・レイズを4勝2敗で破り、遂に1988年以来32年振りのワールドシリーズ制覇を成し遂げた。ワールドシリーズでも好調を維持していたコーリー・シーガーはワールドシリーズMVPも獲得、両シリーズで記録的な大活躍を見せた。このワールドシリーズ制覇で、ドジャースは通算7度目のワールドチャンピオンを獲得、チームに新たな栄冠をもたらした。
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